「人生の2年間を発展途上国で奉仕し、世界の平和に貢献しよう」。1960年11月、アンアーバーのミシガン大学を訪問したケネディ民主党大統領候補は、新たな時代精神を待ち望んでいた大学生たちにインスピレーションを与える名演説を行った。これをきっかけに誕生したのが、平和奉仕団(Peace Corps)で、これまで18万7000人余りのメンバーたちが、139カ国で米国をPRし、居住国家の生活や文化を体験して帰国した。彼らの経験は、米国のグローバル経営を実現する上で貴重な財産となった。
◆平和奉仕団出身者のうちにはグローバルリーダーとして成長した人が多い。我々になじみのある人物だけでも、米朝核兵器交渉の主役であるクリストファー・ヒル国務次官補やリチャード・バウチャー元国務部スポークスマン、日本軍慰安婦決議案を主導したマイケル・ホンダ議員などが挙げられる。駐韓米国大使内定者のキャサリン・スティーブンソンも、平和奉仕団のメンバーで、韓国では英語を教えた。最近も、米国のエリート大学生たちが、数十万ドルの年収をもらえるゴールドマンサックスやJPモルガンを断って、月に150〜300ドルしか受け取れない海外奉仕団に集まる理由は、自己発展というキャリアアップの意味合いもある。
◆21世紀の幕開けと共に、技術的、経済的な進歩で、貿易における障壁が低くなり、世界が一つの市場として統合されつつある。世界各国で行われている政治体制や文化の衝突や、国家安保にも膨大な影響を及ぼしている。世界で韓国が発揮できるリーダーシップのプレゼンスも、結局、地球村と交流し、通信する若者たちの能力にかかっている。韓昇洙(ハン・スンス)首相は一昨日、経済5団体のトップなどと共に、今後5年間、グローバル青年リーダー10万人を育成することを決め、協約を結んだ。
◆グローバルリーダーを目指す若者たちは外国の言葉や文化への理解はもとより、貧困や疾病、テロなどで苦しんでいる世界各地の人たちと苦痛を分かち合おうという気概を持つべきだ。10万人中8万人を海外就職や海外への研修生として派遣する予定であり、青年失業問題の解決にも役立つだろう。しかし2万人の海外奉仕者たちに兵役免除や短縮の恩恵を与えることには慎重を期す必要がある。わざわざ、兵役期間短縮の恩恵まで提供しなくても、外国にいけること自体が、若者たちには自己開発という特典を提供することになるからだ。
鄭星姬(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com
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