寺下改め「丹蔵」新十両昇進…番付編成会議

新十両昇進が決まり、笑顔の寺下改め丹蔵（左）と慶改め慶天海

　日本相撲協会は２５日、愛知県体育館で大相撲秋場所（９月９日初日、両国国技館）の番付編成会議を行い、新十両に慶改め慶天海（２２）と寺下改め丹蔵（２８）＝ともに阿武松＝と山口改め大喜鵬（２３）＝宮城野＝の昇進を決めた。再十両は琴禮（３１）＝佐渡ケ嶽＝、里山（３１）＝尾上＝、荒鷲（２５）＝峰崎＝。

　丹蔵。名前のようでお相撲さんらしくないこのしこ名。実は本人には、入門時から抱き続けてきた夢の改名だった。

　石川県能登町出身。先祖は江戸時代に加賀藩主の前田家に魚を献上するほどの漁師だったという。当時は商人に名字が許されておらず、代わりに屋号を持っており、寺下家は「丹蔵」が屋号。漁師は亡くなった祖父の昭二さんで途絶えたが「この屋号をしこ名にすることで実家も喜んでくれていると思いますし、先祖に恥じない活躍をしたい」と意気込む。

　東洋大から０７年に阿武松部屋に入門。右膝じん帯断裂などの大けがを乗り越えて２８歳で関取にたどりついた苦労人。今後の目標は横綱・白鵬との対戦。「地元を背負っていけるような活躍をしていきたい」と目を輝かせていた。

　◆丹蔵　隆浩（たんぞう・たかひろ）本名・寺下隆浩。１９８４年５月５日、石川・能登町生まれ。２８歳。阿武松部屋。東洋大から０７年春場所初土俵。１８８センチ、１３７キロ。得意は右四つ、寄り。