「恐怖に震えていた彼女たちの瞳を思い浮かべると、死んでも目を閉じることができない」。
日本の帝国支配によって韓国が強制占領されていた時代、自分が教えていた韓国の幼い女子生徒6人を「勤労挺身隊」に送った過去を懺悔する事に半生を捧げた日本人の池田政枝さんが昨年末死去した。これで日本軍慰安婦の存在を証言する人がまた一人減った。日本敗戦後、教え子たちを探し回って容赦を求めた池田さんは、自国政府のウソを暴くことに余生を尽くした。
◆日本政府は、この厳然な歴史的事実を否認する事に総力を傾けている。日本軍の慰安婦だったお婆さんたちの「水曜集会」について知らん振りの姿勢で一貫しているのはもちろん、米下院で日本軍慰安婦決議案が採択されないように集中的なロビーを繰り広げている。日本軍慰安婦に対する責任の認定と謝罪を促す同決議案は00年以後、3回提出された。2度目の時は、常任委の議論さえできず廃棄となった。昨年、3度目に提出された決議案は全会一致で常任委を通過したが、本会議での上程には至らなかった。
◆決議案の採決がその都度流れた背景には、強力な金力を武器にした日本の「工作」が力を発揮している。日本政府はワシントンの大型ロビー会社5、6ヵ所と契約をして、この決議案をはじめ、自国の利害がかかっている問題に対してロビーを繰り広げている。昨年は14年間下院の院内代表を務めたボブ・ミシェル元議員を1ヵ月6万ドルで雇用して、決議案通過を阻止した。
◆日本政府は今月中に4度目の上程となる決議案の採決を防ぐため、今度は下院議長と駐日米大使を務めた民主党の大物トマス・フォリー氏をロビイストに雇用した。ロビー・チャンネルを共和党から民主党に変えたものだ。日本が米議会で影響力の強いフォリー元下院議長を雇ったのは、それだけ状況が切迫していることを物語っている。トム・レンタス米下院国際関係委員長は北朝鮮人権法の制定を主導するほど人権問題に関心が高く、最初の女性下院議長のナンシー・ペロシ氏も、日本軍慰安婦問題に積極的であるためだ。ロビーで歴史を隠そうとする日本が勝っては、国際正義が生きていると言えない。
鄭星姫(チョン・ヒソン)論説委員 shchung@donga.com
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