6月27日、英国のエリザベス女王は北アイルランドを訪問し、IRA元司令官で自治政府の副首相を務めるマクギネス氏と握手を交わした。代表撮影(2012年 ロイター)
[ベルファスト 27日 ロイター] 英国のエリザベス女王は27日、北アイルランドを訪問し、カトリック過激派アイルランド共和軍(IRA)の元司令官で、現在は北アイルランド自治政府の副首相を務めるマーティン・マクギネス氏と初めて面会し、握手を交わした。両者による握手は、和平プロセスの進展を象徴したものとなった。
女王はベルファストにある劇場で、マクギネス氏のほか、アイルランドのヒギンズ大統領らと約10分間にわたり面会した。マクギネス氏は女王を見送る際、アイルランド語であいさつしてを再び握手したが、頭を下げることはなかったという。
北アイルランドは1998年に和平合意が成立。IRAはそれまで30年間にわたり、英国からの北アイルランド分離を求めて攻撃を続け、英国の治安部隊を含む3600人が犠牲者になった。エリザベス女王のいとこにあたるマウントバッテン卿も、1979年のIRAによる攻撃で死亡している。
2001─02年に北アイルランド相を務めたジョン・リード氏は英BBCに対し、女王とマクギネス氏の握手は「非常に重要な一歩」だったとコメント。その一方で、和平プロセスの道のりは長いと述べた。