2010-02-25 後半は明日アップロードします
自己愛充足のためのネットツール比較――twitterを中心に
ちょっと昔、「日本のインターネットは残念」と言った人もいましたが、日本のネットユーザーの過半数が、その場その場で自己愛を充たすためのツールとしてネットを活用しているというのは事実でしょう。ブログやMixiやtwitterなども、知的討論のためのツールではなく、他人から褒めて貰いたい・飢えた自意識を充たしたい・たくさんの人から注目されたい…そういった願望充足のためのツールとして普及してきた面が大きいようにみえます。
では、自己愛を充たすためのツールとしてのブログやtwitterの使い勝手はどうなのか?反応や注目を得るための難易度が高いのはどのツールなのか?長所や短所はどんな具合なのか?このエントリでは、自己愛の充たしやすさという視点から、既存のインターネットツール幾つかを比べてみようと思います。
比較表――twitterからウェブサイトまで
いきなりですが、まとめたのが以下の表です。ネットツール各種類ごとに、[反応が得られるまでにかかる時間・反応が貰える可能性・非難や誹謗に遭遇する確率・しがらみ*1の強弱・求められる文章力] を比較しました。ユーザーは割と普通の人を想定し、有名人・特異な才能者・ニュースサイト管理者 等は想定していません。ごく一般的なユーザーが、ごく一般的に自己愛を充たすとしたらどうなのか、という前提で書きました。
【反応や注目を得るための・自己愛を充たすための、各ツール比較検討】
種類 | 反応時間 | 反応を得る確率 | 非難遭遇率 | しがらみ | 文章難易度 |
twitter(人数大) | 早い | 高確率 | 普通 | 少ない | 低 |
twitter(人数小) | 早い | まずまず | 低い | 少なめ | 低 |
普通のチャット | 早い | まずまず | 普通 | 多い | 低 |
Mixi | 普通 | まずまず | 普通 | 多い | やや低い |
ブログ | 普通 | やや低い | 使い方次第 | 少なめ | やや高い |
ウェブサイト | 遅い | 低い | 低い | 少ない | 高い |
上のように、ネットツールごとに随分と性質が違っています。
なかでもtwitterは、自己愛を充たすツールとしてはかなり優れているといえそうです。follow/被followの数を増やせば、自分のつぶやきに対して素早い反応を高確率で得られますし、follow/被followの人数を絞り込めば、ネガティブなコメントに遭遇する確率もコントロールしやすいです。そもそも、unfollow/blockが出来るのですから、自己愛の充たしやすさを最大化したTLを作るのはそう難しいことではありません。“しがらみ”もわりと少なく、文章力もあまり求められません。適当な単語と適当な毛繕いだけでも即座に反応が帰って来る可能性が得られるという意味では、twitterは誰でも気楽に自己愛を充たせるツールの最右翼だといえます。
これが普通のチャットになると、リアルタイムなので確かに反応時間は早いものの、参加者がある程度決まったうえでのチャットですから、参加者の意に沿った発言でなければ望ましい反応は得られませんし、それなりに気を配らなければなりません。twitterのように不特定多数に開かれているわけでもなく、相手を苛立たせるような事を発言しすぎれば、チャットの輪から抜けなければならなくなるかもしれません。
Mixiの場合は、文字数制限が無くリアルタイム進行というわけでもないので、まとまった文章をやりとりするにはtwitterやチャットより向いています。しかし、Mixiには足跡機能がついていることもあって、“しがらみ”の多いコミュニケーションに陥ってしまいやすいという大きな欠点があります。何か書いたら素早い反応を欲しいという人や、“しがらみ”を避けたいという人には、向いていません。
対してブログのほうは、Mixiのような“しがらみ”を少なめに抑えながら、まとまった文章をアップロードするには向いています。淡々と文章をアップロードして読んでもらいたいという人には、なかなか便利なツールと言えるでしょう。ですが、ブログで反応や注目を集めるには、それなりの文章力やコンテンツ性が求められます。“面白い文章が提示できなければ誰も読んでくれない”という点が、“アバターみてきたなう”などと呟くだけでも何らかの反応が期待できるtwitterなどとはちょっと違います。かと言って、反応や注目を欲しがるあまり過激な事を書き続けていれば、ブログを炎上させてしまうリスクを負うことにもなります。
そしてウェブサイト(ホームページ)であれば炎上のリスクや“しがらみ”をさらに抑えやすくなりますが、反応をまともに集めようと思ったらブログ以上に文章力やコンテンツ性が求められ、リアクションが得られるまでの時間も長くなります*2。アクセス解析などをすれば一定の手ごたえを感じられるかもしれませんが、今日日、ウェブサイトに電子メールで感想を送ってくれるような人はあまりいませんし、そもそも一定のアクセス数を稼ぐこと自体、大変です。
以上を考えると、普通の人がカジュアルに自己愛を充たすなら、twitterが最も優れているようにみえます。しかし、じゃあtwitterが常にベストの選択かというと、おそらくそうではないでしょう。十分に近しい仲の人同士で個人的なファイル交換などをしながらリアルタイムでやりとりするなら、チャットツールはまだまだ便利ですし、統合性の高いコンテンツをまとめて提示するなら、ウェブサイトのほうが遙かに便利です。ブログやMixiの特徴は、やや中途半端といえば中途半端かもしれませんが、手軽に導入できる割には多彩な機能を取り扱えるツールとしては、存在意義がまだ残っているのではないでしょうか。
twitterに通覧性を期待するのも、ウェブサイトに即応性やカジュアルな自己愛充当を期待するのもナンセンスなわけで、個々のツールの得手不得手を見極めながら、ある用途にはtwitter、ある用途には別のツール、といった具合に使い分けていくのが、よさげにみえます。
※この記事は前半パートです。後半はこちら →“twitter依存”の問題点について----twitterモンキーにならないために - シロクマの屑籠
- 175 http://twitter.com/
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- 55 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=e1846b667c5c8972697af2173d5fd85c
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