◇ロンドン五輪男子サッカー1次リーグD組 日本1−0スペイン
笑顔で、多くの年下のチームメートとハイタッチした。A代表でもレギュラーを張る主将の吉田だ。「ボールは相手に支配されたけど、少ないチャンスをものにできた。この試合はかなり引いて守ったけど、次はもっとアグレッシブにいきたい。きょうは大津も、酒井宏もけがをしながら頑張ってくれた。18人で戦って、1次リーグ突破を目指したい」。優勝候補を相手に攻撃をはね返し続けた日本守備陣の柱は、早くも次戦に目を向けた。
「チャンスは絶対ある。名前にびびらず自分たちの色を出してプレーしたい。勝ち点3を取る」。こんな強い気持ちを前面に出し、スペイン戦に臨んでいた。相手はスピード、テクニックは間違いなく世界トップレベルだが、唯一高さだけは吉田に分があった。大津の先制ゴールのシーンでも、中央でDFを2人も引きつけて大津にスペースを作った。後半のスペインのセットプレーも、何度となくはね返した。
6月8日のA代表のヨルダン戦(W杯最終予選)で右膝を負傷し、直前の国内合宿までリハビリに費やした。「23歳という年齢で国を背負って戦える幸せを、みんながかみしめてやるべきだと思う」。2008年北京大会は3戦全敗だった。オーバーエージ(OA)枠で、なおかつ主将という責任と重みを幸せに変え、吉田は堂々と無敵艦隊を止めてみせた。
この記事を印刷する