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【千葉】

活ウナギ山積み 成田に続々空輸 きょうは土用丑の日

空輸されたウナギの状態を確認する従業員ら=成田市で

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 盛夏を迎え、暑さを乗り切るスタミナ食として愛されるウナギが、中国、台湾から成田空港に続々と空輸されている。通関前に生きたまま保管する成田市内の「立て場」と呼ばれる専用施設では、大きさに応じた仕分けや輸入数量の確認作業に従業員や税関職員が汗を流していた。27日は土用丑(うし)の日。 (小沢伸介)

 国内ではウナギの稚魚「シラスウナギ」の記録的な不漁で、かば焼きなどの価格が高騰している。輸入ものは三月に一気に倍まで値段が上がって六月まで高止まりし、現在は例年の三割ほど高いという。

 同市新田のウナギ専門の輸入業者「丸勝」の西勝光治社長(63)は「シラスウナギの不漁だけでなく、養殖の水温を上げる燃料費など複合的な要因もあり、この二十年で経験したことがない高値になっている。来年も高値は続くだろうが、中国産は供給量も品質も安定している」と話す。

 中国産の大部分は広東省で養殖され、成田空港には上海からの貨物機で毎日届く。輸入品は通常、空港内で通関を待つが、活ウナギは空港外にある立て場での保管が認められている。検査に三日程度かかるためで、市内にはウナギ専門の輸入業者が持つ三つの立て場があるという。

 立て場では「活うなぎ」と書かれた段ボールが山積みされ、酸素で膨らんだビニール袋に二十キロ分のウナギがニョロニョロ。従業員は袋から専用の容器に次々とあけ、背丈ほどまで重ねて天井から井戸水を流し続ける。これで生きの良い状態を保てるという。

 内容物や数量が申告通りか確認するため、東京税関成田航空貨物出張所の係官も立て場に訪れる。手続きを終えると、サイズに応じて袋詰め。氷と一緒に酸素を詰めて出荷し、翌朝には関東一円のかば焼き店に届く。丸新ではこの時期、毎日五〜七トン入荷する。西勝社長は「これだけ暑いと、丑の日が過ぎた週末も需要が見込める。しばらくは忙しい日が続くでしょうね」と汗を拭った。

 財務省貿易統計によると、二〇一一年のウナギ輸入量は九千六百五十七トン。このうち成田空港では七百二十七トンを取り扱っている。静岡県の清水港、愛知県の衣浦港などに次いで四番目に多い。

 

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