ソン・キム駐韓米国大使(写真)は25日「韓日両国の間にはデリケートな懸案が残っていると承知している。日本が歴史問題の解決に向け努力するよう期待する」と語った。民族和解協力汎(はん)国民協議会が「韓半島(朝鮮半島)の平和と韓米関係の発展方向」をテーマに、ソウル市内の世宗文化会館で開催した講演会で述べた。
「デリケートな懸案」とは、従軍慰安婦(性的奴隷)が存在したという事実そのものを認めない日本政府の態度などを指すものとみられる。キム大使の発言は、韓日間の歴史問題には関与しないことを原則とする米国政府の方針に照らすと、異例のものともいえる。これに先立ち、クリントン米国務長官は最近「慰安婦(comfort women)」の代わりに「強制的な性的奴隷(enforced sex slaves)」という言葉を使うよう、部下に指示した。
キム大使はまた「韓国と日本は米国の最も近しい友邦国。米国は韓日が緊密に協力することを期待している」と述べた。
一方、北朝鮮に対しては「米国は北朝鮮との平和協定締結に全く反対するつもりはないが、北朝鮮が核開発や人権侵害などの違法行為を続ける限り、協定に署名する考えはない」と語った。
続けて「北朝鮮の指導者たちがミャンマーの状況を見るよう期待する。北朝鮮とミャンマーはネガティブな共通点が多いが、先ごろミャンマーの指導部が国民の生活改善に向け、経済的な改革を断行することを決めた。ミャンマー指導部のこうした前向きな決定に、米国と国際社会は積極的に応えた」と述べた。