<冒頭追記:記事内容変更のお知らせ>

 

本日12日12:05に公開したこちらの記事ですが、記事タイトル・内容に関して行き過ぎた表現がありましたので、同日19:18に一部内容を訂正させていただきました。

 

変更内容は以下の4点です。

 

<記事タイトル>

訂正前:LINEのソーシャルネットワーク化の先にあるもの – SNS難民は救われ、mixiは死ぬ
訂正後:LINEのソーシャルネットワーク化の先にあるもの

 

<本文>

訂正前:SNS難民は救われ、mixiは死ぬ(本文中に含まれていた3ヶ所に関して)
訂正後:SNS難民は救われ、mixiは新しい方向性を求められる(本文中に含まれていた3ヶ所に関して)

 

また、14:45に記事文末に追記した内容を、一部変更して以下に再追記いたします。
 
==========
 
記事タイトル並び記事本文における行き過ぎた表現で、ご覧いただいた方に不快な思いをさせてしまったことを深くお詫び申し上げます。
 
特に、これまで国内SNSの礎を築いて来られたmixiの中の方、現在もmixiを利用されている方に対して、誹謗中傷に等しい表現をしてしまったことを深く反省しております。
 
僕の大学1〜3年生の生活はmixi無しでは語れません。夏休みのくだらない思い出をまとめて日記に書き、サークルのメンバーとコミュニティ使ってだべったり。僕自身がもうあまり利用していないのは事実ですが、mixiが大嫌いなわけでも、SNSプラットフォームとして駆逐したいと思っているわけでもありません。個人的に、大変お世話になったSNSです。

 

本文終盤にも記載したようにmixiのコミュニティ機能は、現在の国内SNS利用においてとても重要な役割を果たしています。これからもmixiが、大切な友だちと繋がり、趣味・関心でも人と繋がる良き国内プラットフォームとして運営されることを願っております。

 
==========
 
(※今回の修正前の記事については、こちらをご覧ください)
 
 
 
以下、記事本文です。

 
 
 

LINEのソーシャルネットワーク化の先にあるもの

 
 
 

line_スタンプ

 
 
 

mixiが登場したのは2004年。僕がアカウントをつくったのは大学に入学した2007年だ。当時のキャンパスには「mixiやってないとサークルのみんなと仲良くできない」という目に見えない強制力が働いていたので、大学生ならほぼmixiアカウントを持っていた。くわえて、当時はmixi以外の選択肢がなかった。あの時のmixiはとても牧歌的で、それぞれがそれぞれの日常にまつわる日記を書き、写真をアップし、みんなからもらうコメントで承認の欲求を満たしていた。

 

それから1〜2年おきに訪れているソーシャルメディア/SNSブーム。2009年はTwitter、2011年はFacebook、2012年はLINE。情報量が増えても個人の情報処理能力は増やせないというジレンマを抱えつつも、わたしたちは扱うコミュニケーションツールをどんどん増やしている。

 

そのような状況で生まれたのは「SNS難民」だ。

 
 
 

プラットフォーム大移動の末、生まれた「SNS難民」

 

SNS難民

 

SNS外来種であるTwitterとFacebookは、私たち生活者に非常に高いITリテラシーを要求するものだった。パブリックな空間に140字を投稿する意味、有用な情報をシェアする意義。それらを理解しているユーザーにとって、TwitterとFacebookは「新しい知の発見」や「情報過多社会における情報整理」などのとても重要な役割を果たしてきた。

 

しかし、“牧歌的”mixiとは違うそれら外来種SNSの特性をすべてのユーザーが理解している訳ではない。そして、SNSから利益を得るどころかユーザー自身が大きな社会的損失を被るケースが発生している。学生の未成年飲酒、会社員の社内機密漏洩、飲酒運転、著名人の問題発言などなど。炎上事例は枚挙に暇がないが、ユーザーがTwitterやFacebookの仕組みを十分に理解していれば、決して起こり得なかったことである。(注:未成年飲酒や飲酒運転はそもそも許されるものではないが) 

 

Twitterが国内で流行り始めてから早3年が経つ。現在でもそのような炎上事例が絶えないのは、結局、サービスに対してユーザーのリテラシーがいまだに追いついていないからに他ならない。そして、すべてのユーザーに高いリテラシーを強要することができないのも事実だ。

 

また、リテラシーだけではなく、ユーザーの利用目的に対してプラットフォームがそもそも適していない問題もある。あなたの周りにTwitterを非公開で利用している友だちはいないだろうか?フォロワーも仲間内だけの数人〜数十人程度。もし、あなたがTwitterのヘビーユーザーなら、鍵付きアカウントを見てどこか違和感を感じていないだろうか?

 

Twitterというパブリックな空間だからこそ生まれる、さまざまな刺激や出会い。そのようなTwitter独特の楽しさを享受しようとしない「非公開設定」という選択。しかし、これも彼らにとっては仕方のないことなのだ。彼らは友だち同士で、他愛のない日常を共有できれば、それだけでいい。別に、赤の他人に見てもらいたいとは最初から思っていない。

 

また、Facebookを使うときも、意識高く積極的に良質なWebコンテンツを共有したいとも思っていない。牧歌的な利用が向いているユーザーにとって、TwitterとFacebookは機能的にトゥーマッチで、彼らの利用目的にも適していないのだ。

 

過疎化してしまったミクシィ村を離れ、機能的で高いリテラシーの求められるツイッター市、フェイスブック市に移り住んできたけど、やっぱり馴染めない。馴染めないけど、次の引越し先もない。この2〜3年で、そのような「SNS難民」が発生してしまったように感じている。

 

そして、まもなく誕生するのがSNS版LINEだ。

 
 
 

まもなく登場するSNS版LINEのおさらい

 

「LINEのSNS化ってどんな感じになるんだっけ?」という方のために、いま一度LINEのカンファレンス「Hello, Friends in Tokyo 2012」で発表された内容をおさらいしてみよう。

 

SNS版LINEはこれまでのメッセージ機能とは、本質的にまったく異なる機能が盛り込まれる。それは「ホーム」と「タイムライン」だ。Facebookやmixiでおなじみの機能なのでもはや詳しくは説明する必要はないのだが、簡単に言えば自分のパーソナルログを持てて、友人の投稿もフィードの中で見ることができるようになる。下の画像でイメージをふくらませてもらえればと思う。

 

SNS版LINE

 

特に面白いのは、友人の投稿に対してLINEでおなじみの「スタンプ」を残せるという点だ。イメージ画像を見る限りコメントとは別の機能なので、従来の「いいね!」ボタンと同じ位置づけのようだ。Facebookやmixiでは「よくないもの」に対して「いいね!」を押せないなどのユーザーストレスが発生していたと個人的には思うのだが、これならどんな投稿に対しても読了後の感情を友だちに伝えることができる。

 
 
 

ここからようやく本記事の本題に入る。興味がある方は、ひと休みしつつ、続きも読んでいただければと思う。

 
 
 

SNS難民は救われ、mixiは新しい方向性を求められる

 

すでに国内2,000万ユーザーを擁するLINEがSNS化したときに起きる変化は、明らかだ。

 

それは『SNS難民は救われ、mixiは新しい方向性を求められる』ということだ。

 

現在、毎日10億メッセージが送られているというLINE。しかし、そこに溢れているのは意識の高い投稿ではない。くだらない会話と、他愛もない日常だ。そして、誰もが感じているこの既視感は、かつてmixiで見た景色。そう。あの牧歌的な風景が、この1年間でLINEによって再構築されたのだ。

 

TwitterやFacebookに居場所のなかった「SNS難民」は、メッセージアプリ「LINE」という牧歌的な『難民キャンプ』に一時避難していたが、その『難民キャンプ』はまもなくSNSという『都市』に変わる。

 

2009年ごろから苦しんでいたSNS難民は、2012年、ついに救われるのである。これは、多くのユーザーに恩恵をもたらす変化となるだろう。

 
 
 

ここまでは、ユーザー目線の話をしていたが、次はプラットフォームの話をしよう。

 

mixi、twitter、facebook、GREE、mobage、SNS版LINEを「共有↔会話」「バーチャルグラフ↔リアルグラフ」という2軸でマッピングしたのが以下の図だ。

 

 

X軸の「共有↔会話」は、そのSNSの利用目的を表している。ニュースやブログ記事、おもしろい動画や画像を共有するのはTwitterやFacebookの得意とするところだ。一方で、友人と何気ない会話をするのに使うのはmixi、LINEが強く、TwitterやFacebookも守備範囲だ。

 

Y軸の「バーチャルグラフ↔リアルグラフ」は、SNSの中の人間関係を表している。現実世界では会ったこともない人とコミュニケーションをとるバーチャルグラフの要素が強いのがGREE/モバゲーなどのソーシャルゲームプラットフォーム。Twitterもアクティブに使うと、その傾向が強くなる。オフラインの人間関係をそのままオンラインに再構築しているリアルグラフの要素が強いのがFacebook、mixi、LINEである。ここでもTwitterは守備範囲だ。

 

このグラフを見てもらえれば分かるとおり、mixiとLINEは完全に同じセグメントにポジションしていることが分かる。

 

すでにTwitterやFacebookに多くのアクティブユーザーを持っていかれているmixiにとって、今回のLINEのSNS参入はほぼノックアウトパンチとなるだろう。新規会員を獲得できず、流出ばかりつづくプラットフォームはいずれ倒れる。

 
もちろん、SNS版LINEの登場でTwitter・Facebookも少なくない影響を受けるだろうが、プラットフォーム独自のユーザー層を確保しているので、あくまで住み分け程度でおさまることが予想される。

 
 
 

mixiに残された僅かな光

 

mixiに唯一存亡の可能性があるとするなら、それはコミュニティ機能だ。僕のmixiのTOPページを見てもほとんど誰も投稿していないのだが、コミュニティを覗いてみると様子が違う。

 

 
上の画像にある「パンダ大好き」というコミュニティでは、昨日の上野動物園のパンダ赤ちゃんの訃報以降、100件ほどのコメントが残っている。「パンダ大好き」などというなんともふわっとした関心/趣味に人が集い、独自のソーシャルグラフを形成できるのは、今のところmixiだけだ。(Facebookのページはユーザー同士のコミュニケーションに向いていないし、グループは基本的にクローズドな利用)

 

SNS版LINEがこのようなコミュニティ機能を盛り込むかどうかは今のところ不明だが、電話帳の連絡先をもとに本当の友だちと繋がるLINEはリアルグラフに軸足を置くことはまちがいない。そのような背景から、mixiが今後インタレストグラフ(趣味や関心で繋がる人間関係)に力を入れるとしたら、LINEとの住み分けがギリギリできるのではないだろうか?あくまで予想でしかないが、LINEに比べアクティブユーザー数では圧倒的に劣るmixiには、それ以外の選択肢も無い気がする。(mixiがSNS難民を呼び戻せるなら話は別だが)

 
 
 

長々と話してしまったが、LINEのソーシャルネットワーク化の先にあるものの考察は以上だ。

 
結論は『SNS難民は救われ、mixiは新しい方向性を求められる』、だ。

 

メッセージングツールとして進化してきたLINEのSNS化は、非常に興味深い戦略だ。世界を見てもこのような展開は類を見ないのではないだろうか?だからこそ、まもなく巻き起こる国内SNSの大きな変化は、我々に学びと示唆を与えてくれると感じている。実際にSNS化されたときに生まれるパラダイムシフトが、今から楽しみだ。

 

あなたは「その先」に何が見えますか?

 
 
 


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