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【大リーグ】

イチロー 200安打に未練なし? ベンチスタートも受け入れた

2012年7月26日 紙面から

◇マリナーズ4-2ヤンキース

マリナーズ戦の3回、スタンディングオベーションで迎えられ打席に立つヤンキースのイチロー=セーフコ・フィールド(共同)

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 【シアトル秋野未知、ジョン・ヒッキー】200安打に未練なし!? マリナーズからヤンキースにトレード移籍したイチロー外野手(38)が、交渉時にヤンキースから提示された厳しい条件を丸のみしていたことが明らかになった。ブライアン・キャッシュマンGMが24日の米ラジオ局ESPNニューヨークのインタビューに答えたもので、(1)守備位置を変更する(2)下位打線で出場する(3)ベンチスタートもあり得る−の3条件を了承したという。出番が減ることを覚悟した上の移籍決断で実質的には2年ぶりの200安打到達を自ら放棄したことになる。移籍2試合目となった24日(日本時間25日)のマリナーズ戦は3打数1安打1死球だった。

 名門球団移籍と引き換えに記録を捨てた。これまでイチローが個人成績のシーズン目標として唯一掲げていたのがシーズン200安打−。これを実質的にあきらめる形となった。

 ヤンキースが求めた3つの条件とは(1)守備位置を変更する(2)下位打線で出場する(3)相手先発が左腕の場合は控えもあり得る−。ヤンキースのキャッシュマンGMは「イチローにはわれわれの全ての要求をきっちり伝えられた。(イチローは)多大な犠牲を強いるように求められ、全ての条件を了承してくれた」と話した。

 最も注目される条件は(2)と(3)だ。この日は移籍から2試合連続で8番だったが、マリナーズで1、2番に座ったときよりは確実に打席数は減る。現在のチームはイバネス、A・ジョーンズも左翼を守るため、相手先発が左腕の場合は右打者のジョーンズを先発させる場合もあるということだろう。

 イチローは現在107安打でシーズン178安打ペース。打席もスタメンも減るとなれば、2年ぶりの200安打到達はほぼ絶望的だ。それでも「イチローは200安打より一度も経験がないワールドシリーズ優勝を目指している」というのが球団首脳陣の見解のようだ。ESPN(電子版)によると球団スカウト陣はトレード交渉に際して「イチローは最下位のマリナーズでプレーすることに飽き飽きし、環境のせいで調子が上がらない」と分析したほか「運動能力と守備力は衰えていない」とのリポートを提出。フロント陣がトレードにゴーサインを出した経緯があるという。

 前日の試合中、同僚となったアレックス・ロドリゲス三塁手(36)はイチローに「そんなに笑っている姿を久しぶりに見たよ」と声を掛けた。31番は、それほどスター選手がそろう勝てるチームに恋い焦がれていたのかもしれない。

 

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