2008年03月06日

もう、落とさないでね

「昔、貧しい農民の夫婦に子供が生まれた。その年は激しい飢饉に襲われていて、2人にはとても育てることができない。そこで仕方なく父親は子供を近くの崖から突き落として殺した。
数年後飢饉も解消し、少しは生活に余裕ができ、そんな時に2人には新しい子供ができる。

子供は順調に成長して3歳になった。ある日、父親が子供と村のはずれを歩いていると、たまたま昔一番初めの子供を突き落とした崖に立ち寄った。父親は昔を思い出して早くそこから立ち去りたかったが、子供は崖の下を覗きたいという

とめる理由もないので、父親は子供を崖まで連れて行った。すると突然子供は立ち止まってこういう
『もう落とさないでね』」

この話は、現代に時代背景を置き換えられて、こんな都市伝説に進化している。

「女子大生が何人かの男と関係をかさね、ある日身ごもっていたのに気が付いた。降ろすには既に遅く、女子大生はひとり誰にも知られずに男の子を出産した。そのあと直ぐに、山奥の湖にボートを出し、湖の真ん中あたりまで行って、子供を捨てた。そして月日は経ち、すっかりとこのことは忘れてしまっていた。彼女は平凡な結婚をして、男の子も産まれ、親子3人の平凡だけれど幸せな家庭であった。子供が少し大きくなった頃、彼女は息子と一緒に山の湖までドライヴに行った。そして親子2人でボートを借りて湖にこぎ出した。湖も真ん中に来た頃、男の子がおしっこと言い出した。彼女は、子供の腰を抱えて、湖におしっこを出来るようにしてあげようとしたら、子供が振り向きながらポツリと母親に言った。マ マ、も う 落 と さ な い でね。」

かつての怪談が都市伝説の原型になっている好例だと思う。うまく言葉にまとめられないんだけど、「子供を親の都合で殺すという反道徳的な行為だが、自分がこの親の立場になれば同じ選択をせざるを得ないという、どの時代でも誰もが感じてしまう、どうしようもない罪悪感のようなもの」が時代を超えてこの話を語り継いでいる要素になっている気がする。うーん、もっとシンプルな言葉でまとめられるようにもう少し勉強して、考察するようにしよう。

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hirock1980 at 00:07│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!都市伝説 

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