放射性ヨウ素による甲状腺被曝(ひばく)を防ぐ安定ヨウ素剤の服用基準を、これまでの甲状腺の局所的な被曝線量100ミリシーベルトから50ミリシーベルトへとより厳しくすることになった。原子力安全委員会の防災専門部会被ばく医療分科会で7日、意見がまとまった。
国の原子力防災指針では現在、放射性ヨウ素の影響を最も受けやすい1歳児の甲状腺の被曝線量が100ミリシーベルトになると予測される場合に、原子力安全委員会がヨウ素剤の服用を助言するとしている。
しかし、世界保健機関(WHO)は1999年から小児や妊婦、授乳中の女性の服用基準を10ミリシーベルトにした。国際原子力機関(IAEA)も今年6月に投与基準を100ミリシーベルトから50ミリシーベルトに下げた。背景には、チェルノブイリ原発事故で約50ミリシーベルトの被曝でも甲状腺がんが増えたとの疫学調査などがある。(大岩ゆり)
福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート