東電値上げ:使用量多い家庭の負担重く
毎日新聞 2012年07月25日 23時29分(最終更新 07月25日 23時53分)
SMBC日興証券の宮前耕也エコノミストは「家庭の所得が伸び悩む中、電気料金値上げが消費を冷やしかねない」と指摘。枝野幸男経済産業相は「(家庭への)影響は否定できない。大変申し訳ない」と陳謝した。
◇東電、好転見通せず
経産省が値上げを認可したことで、東電は近く、1兆円の公的資本注入と3700億円の銀行融資を受け、財務基盤の安定と当面の資金繰りにめどを付ける。しかし、賠償や除染の費用がどこまで膨らむか見通せず、発電コスト削減に不可欠な柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働の道筋も見えない。再建のシナリオが揺らげば、5月に策定した総合特別事業計画の大幅な練り直しを迫られかねない。
「大変厳しい内容。一層合理化を深掘りしたい」。25日に記者会見した東電の広瀬直己社長は、政府が値上げ幅を圧縮したことなどによる経営への影響に危機感を表明した。