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'12/7/26

「PTSDも傷害」、最高裁が初判断 4人監禁、懲役14年確定へ


 最高裁第2小法廷(千葉勝美ちば・かつみ裁判長)は25日までに、東京と青森で4人の女性を監禁し心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負わせたとして、監禁致傷などの罪に問われた無職石島いしじま(旧姓小林こばやし泰剛やすよし被告(31)の上告を棄却する決定をし「PTSDも傷害に当たる」との初判断を示した。懲役14年の一、二審判決が確定する。24日付。

 決定は、暴行や脅迫などで生じさせた精神的機能の障害も「刑法上の傷害と解釈するのが相当」とし、外形的な傷がなくても監禁致傷罪が成立するとした一、二審判決を妥当と結論付けた。裁判官4人全員一致の結論。

 被告側がPTSDによる傷害罪の成立を争わず、下級審でそのまま認定されたケースはほかにもあるが、最高裁の判断はこれまで示されていなかった。今後の捜査、公判に影響を与えそうだ。

 被告側は「意思に反する監禁はしていない」と無罪を主張するとともに、「刑法の処罰範囲を不当に拡大させる」とPTSDを傷害に含めることは誤りだとしていた。

 一審東京地裁は、米国の精神医学会が採用する基準でPTSDの症状を認めた上で、「脱出困難な心理に陥れ、お仕置きと称した暴力や性的行為を繰り返した。絶望的な恐怖感と甚大な苦痛を与えた」と批判した。

 二審東京高裁も傷害認定を支持。「被害者をペットとして扱い、完全な主従関係を構築するゆがんだ目的で計画的に実行した」と指摘していた。

 一、二審判決によると、被告は2003年12月〜04年12月、自宅があった青森県のホテルや都内のマンションなどで、当時17〜23歳の4人を「逃げたら殺す」「ご主人さまの言うことが聞けないのか」と脅し、殴るなどして相次ぎ監禁。包丁で手首を切らせたり、PTSDを負わせたりした。




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