'12/7/26
「PTSDも傷害」、最高裁が初判断 4人監禁、懲役14年確定へ
最高裁第2小法廷(
決定は、暴行や脅迫などで生じさせた精神的機能の障害も「刑法上の傷害と解釈するのが相当」とし、外形的な傷がなくても監禁致傷罪が成立するとした一、二審判決を妥当と結論付けた。裁判官4人全員一致の結論。
被告側がPTSDによる傷害罪の成立を争わず、下級審でそのまま認定されたケースはほかにもあるが、最高裁の判断はこれまで示されていなかった。今後の捜査、公判に影響を与えそうだ。
被告側は「意思に反する監禁はしていない」と無罪を主張するとともに、「刑法の処罰範囲を不当に拡大させる」とPTSDを傷害に含めることは誤りだとしていた。
一審東京地裁は、米国の精神医学会が採用する基準でPTSDの症状を認めた上で、「脱出困難な心理に陥れ、お仕置きと称した暴力や性的行為を繰り返した。絶望的な恐怖感と甚大な苦痛を与えた」と批判した。
二審東京高裁も傷害認定を支持。「被害者をペットとして扱い、完全な主従関係を構築するゆがんだ目的で計画的に実行した」と指摘していた。
一、二審判決によると、被告は2003年12月〜04年12月、自宅があった青森県のホテルや都内のマンションなどで、当時17〜23歳の4人を「逃げたら殺す」「ご主人さまの言うことが聞けないのか」と脅し、殴るなどして相次ぎ監禁。包丁で手首を切らせたり、PTSDを負わせたりした。