• 二次リリなの 駄文 取り引きスタート
  •  第97管理外世界『地球』 南アジア方面に位置する国パキスタン・イスラム共和国。

     現在、この国では、アルカイダと呼ばれるイスラム原理主義と反米、反シオニズム(イスラエル国家による、パレスチナへのユダヤ人入植によるイスラム世界への侵食に対して反対する主義) を唱える組織の指導者であるオサマ・ビィン・ラーディンがアメリカ軍所属の特殊部隊によって射殺された事によってアルカイダと有効的で、パキスタン政府が数十年前に作り上げたとも言われる組織『タリバーン』 等の勢力が政府に対して武力闘争を繰り広げてる。
     なので、このカールが指定した街『クエッタ』 を始め、首都のイスラマ・バードと言った大都市では、車に爆薬を仕掛けて爆破させる爆弾テロが政府関係者や米国関係者を標的にして行われて来てるのだった。

     まぁ、他にも隣国のインドとは水資源を求めて局所的な紛争も起きてたりするし、アフガニスタンと隣接してる地域ではアフガン産の麻薬『アヘン』 や『ヘロイン』 の密輸が多く、麻薬患者の数も鰻上りだと言われてる。これは、観光客も含めてである。

     そんな物騒な街でも、逞しくも外から訪れる客人を手厚く持て成す優しい人々とに取り引き場所を指定したカールは地元で生活するパシュトゥーン人を中心に、バローチ人や当時のロシア軍によるアフガニスタン侵攻や今の政情と治安が不安定な故郷、アフガニスタンから避難して来たハザラ人で形成されたクエッタのバザール……
     その郊外、アフガニスタン国境に比較的近くて、通ずる幹線道路の近くに建てられた廃材と干し煉瓦で作られた様な店で、彼は煙草を吸いながらチャイが淹れられるのを待って居た。

     「お兄さん、この写真買わない?」

     「コレって要らねえよ……それより、煙草は売ってないのか?」

     カールは咥え煙草のまま、物売りの10代にも満たないであろう日の光で褐色に肌が焼けた小さな子供に煙草は無いのか質問する。すると、子供は薄いプラスチックの籠をゴソゴソと弄り、カールが求めた煙草の紙箱を出した。

     「コレで良い?」

     「おー……ラッキーストライクじゃん。これ一つくれや」

     「毎度アリ」

     カールはルピー紙幣を子供に渡すと、子供はそれを受け取ってからその場を離れた。流暢なウルドゥー語で話してから吸ってる間に短くなった煙草を地面に落として靴で踏み消すと、チャイが入ったのか、ヒゲを蓄えた逞しい身体つきな店のオヤジが湯気の立つチャイの注がれたカップを置いた。同時に、さっきまでは無かった筈の、ペプシの空き缶で作ったであろう青いアルミ製の灰皿が置かれていた事に気がつかなかったカールは、店のオヤジに驚きながらも買ったばかりのラッキーストライクのフィルムと銀紙を破いて、叩くように1本抜き取って咥えた。
     ジーンズのポケットから、オイルライターを取り出して煙草に火を点すと、彼は呑気に紫煙を燻らせ、チャイを一口飲んだ。
     チャイに含まれる茶葉やシナモンと言った香辛料の香りと煙草の臭いの組み合わせを楽しんでると、彼の前に1人の男が座り込んで来た。
     男は痩せ型で、室内での作業が中心であまり外に出ないのであろうか、肌が色白で生気が乏しかった。そんな彼に、カールはチャイを追加で注文した。

     「この店で合ってるかな? 管理外世界の言葉には疎くてね……」

     「さぁな……アンタがJ・Sで間違いないか?」

     カールはさっきまで使ってたウルドゥー語からミッドチルダを始とした管理世界の公用語に切り替えると、目の前の男と取り引きを始めたのだった。

     「ああ、そうだ。君の方こそカール・ジョーンズで間違い無いかな?」

     「かもな……さて、お互い自己紹介が済んだ所で早速、金を見せて貰いたい。後、ガジェットの展開と魔法の使用は辞めておいた方が良い……」

     カールは煙草を灰が積もったままで灰皿に置いてチャイを一口飲み、目の前に居る日除けのサングラスと帽子を被った細身の男に金は持って来たかと質問する。同時に、魔法を使えば途轍もなくややこしい自体が起きると言う事を暗に示唆して牽制する。
     そんな彼の言葉に謎の男『J・S』 は嫌な笑いを浮かべる。

     「君は、私が取り引きを御破算にして強奪する。と、でも言うのかい?」

     何を馬鹿な……と、言う男に対してカールは表情を変える事無くチャイを半分程飲む。そんな所に店のオヤジが『J・S』 の前にチャイの注がれたカップを置いて話をなるべく聞かない様にそそくさと離れ、店の奥に引っ込んで行く。
     そんなオヤジを見る事無く、『J・S』 はチャイを一口飲んだ。

     「意外と美味い紅茶だね……後で店の主から淹れ方を教えて貰うかな」

     『既に作り方は調べて置きましたDr…… それと、彼の艦にはレリックは発見出来ませんでした』

     念話通信で自分の秘書にして作品でもある戦闘機人『ウーノ』 からの通信でレリックの確保失敗の報告を聞くも、表情を変える事無く目の前の『取るに当たらない盗掘屋』 が所持してる事を予想しながら、チャイの香りを楽しみ、程よい甘さとシナモンとの調和を楽しむのだった。

     「『そうか……ご苦労、ウーノ。と、言う事はレリックを始とした件の品物は彼が持ってると言う事かな……』」

     『J・S』 が念話通信してる間、カールも同じ様に通信を開いてた。無論、相手はルサルカで、内容は泥棒に入られてると言う事であった。そんな内容を聞くも、目の前の男と同じ様に表情を変える事無く、ラッキーストライクを吸う。

     『どうするの? 私はタダのAIだから何にも出来ないわよ……あ、カールの本が破けた』

     「『何だと、ザケやがって……その様子、撮影しておけ。後で管理局に流す』」

     ルサルカに撮影を念話で頼んでから、彼は『J・S』 に話し掛ける。事はせずに席を立とうとする。

     「何処へ行くのかね?」

     少しばかり慌てた『J・S』 に対してカールは短くなった煙草で新たに咥えた煙草に火を点してから、地面に捨てて答えた。

     「最初から支払う気の無い奴に商品を売る気は無い……見た感じ、アンタは金を持って無さそうだしな」

     カールはにべも無く行ってから踵を返して完全に去ろうとする。だが、数歩歩いただけで、彼は急に足を止めた。
     そんな様子を満足げに見た『J・S』 は背を向けてる彼に話し掛ける。

     「どうしたのかね? 席について取り引きを再開するのかな?」

     「よく言うぜ、後ろから透明な状態で魔力刃突き付けやがって……気配丸分かりだっての。しかも、アクティブソナー(音響センサー) の反響具合から言って女だ。しかも、胸がそれなりに大きい」


     「無駄口叩いたり、セクハラをしたら、このまま処理しますわよ? 」

     カールが胸が大きいと、言った途端、彼の首に刃が強く押し付けられ、耳元に吐息を感じながら透明な胸の大きい女性の声を聞く。そんな状況でも、彼は何気なく触って感触を楽しんだ相手の胸から手を引いた。それから、気が付かれない様に日差し避けのゆったりとしたジャケットの胸ポケットに仕込んだペン型の銃を、煙草の箱を仕舞うかの如く見せ掛けて抜いた。そして、それを何時でも撃てる様に撃鉄となる金属突起に指を掛けた状態で席に座った。

     「君のデバイスの性能にも驚いたよ……後で拝見させて貰っても良いかな?」

     「金をキッチリ払えばな……で、支払うのか? 支払わないのか?」

     「君が品物を持ってるならば、支払うよ……だが、今の君は品物を持ってない。それでは私も君の提示する金額を支払う気にはなれないよ」

     「それもそうだ……おい、巨乳女とミスター。場所を変えるぞ……冷房が効いた高級ホテルなら邪魔も入らないだろう」

     彼等は、徒歩でカールが案内するホテルへ向かうのだった。
     取り引きは未だ始まったばかりである……


    てな訳で、取り引きスタートしたお。

    泥棒してるのはウーノさん。カールの情報をスカ山に提供したのはドゥーエさん。 後ろから武器押し付けてるのは、クアットロー

    クアットロなら暗殺スキル高いと思うのよね……

    そんなクアットロにセクハラかました主人公。気配で位置特定するって……コレもチート扱い? 念の為にソナーで調べたって言う逃げ道もあるお

    もしも、トラブル起きたとしても管理局は滅多な事じゃ手を出せない。何せ、核保有してる軍事国家なパキスタンだからねえ……じゃなかったら、米軍はラディン確保時に大々的に攻め込んでるってば。
  • 2012年 07月26日 (木) 00時06分
コメントの書き込みはログインが必要です。