- 二次リリなの 駄文。 砂漠脱出後
- 先日、砂漠で遺跡を盗掘し、ガジェットと呼ばれる無人兵器を壊し、管理局の武装隊から逃げる事に成功した若い男……カール・ジョーンズは盗掘(強奪でも可) した第一級捜索指定ロストロギア『レリック』 と、時空管理局に名付けられた高濃縮エネルギー結晶体を収めたケースを自分が所有、運用する小型で旧式な次元航行艦『ルサルカ』 のリビング兼ダイニングルームに置かれたテーブルの上に置くと、アルミカップに注いだ湯気が立ち昇るインスタントコーヒーを飲みながら、紙巻き煙草を吸って居た。
「やっぱり、レリックに関した文献は存在しないわよ……」
彼がコーヒーの入ったカップをレリックが収められたケースの前に置き、煙草の紫煙を肺に満たして全身を血管を通して巡るニコチンとタールによる酩酊感を味わい、生きてる実感を確認してると、若い女性の声が聞こえて来る。
「そりゃあ、管理局や大学には無いだろうなぁ……」
カールは聞かずとも、既に解ってた様な様子でボヤくと、彼女はそれを問う。
「どう言う事?」
「コレ、見てみろよ……ルサルカ」
彼はデバイスに収めてた画像データを彼女に送る。すると、黒い軍服を模した服を着た赤い髪の少女の立体画像が現れ、手近な箇所にカールが送った画像データを映し出した。
再生された画像データは、上部に『リサイクル・ソルジャー計画』 と題名が書かれた研究所の職員が書いたであろう企画書であった。
ルサルカはそれを目を凝らして読んで行く。そして、数分後にはそのデータを消して頭を抱え始め、悶絶する。同時にコレが管理局のデータベースや大学の研究論文に乗らない事も理解したのだった。
「何よコレ!? これを考えた奴、頭がイカレてるんじゃないの?」
「人間はリンカーコアの有無に関わらず、主要な内臓器官と全身の筋肉を生体電気パルスによる信号で動かしてく。乱暴だろうが、それを動かす電気エネルギーと筋肉や皮膚、内臓機能を可動させる為にリンカーコアに高濃縮エネルギー結晶体を直接的に接続してそれをエネルギー源として使い潰す……手や足を失ったら機械で補う。理論上、原型を留めた兵士の死体も利用する事が可能」
「まさにリサイクル兵士って訳ね……戦争中に考えたのかしら? この研究者は」
「知らね。あーあ……折角、古代ムハンマドの遺物が手に入ると思ったらこんな物騒なブツだったって何だよ!? ヤバ過ぎて金にならねえよ……畜生!!」
カールはレリックの詰まったケースを蹴り飛ばし、騒々しい物音と共に床に転がったケースに目も繰れず、短くなった煙草を銜えたままソファーに寝そべった。そんな様子にルサルカは笑みを浮かべた表情で、カールを茶化して行く。
「息巻いて仕事したら、ガジェットと管理局に帰りを邪魔されて、執務官にはAK47を駄目にされた上に、アンタは腹部で破裂した榴弾を含めた弾薬が弾けて肋骨折ってるのにね、ご愁傷さまね」
「ウルセエ! このポンコツ!!」
カールは枕代わりにしてたクッションをルサルカに投げ付けると不貞寝を始めるのだった。良く見ると、カールが着てるシャツの下からは包帯が覘いており、包帯は腹部から胸部に掛けて隙間無く巻かれてる。
実は執務官との戦闘で雷系統の射出魔法を腹部に受けた時、残ったAK47の予備マガジンが2つあり、それが電気が持つ性質の熱によって弾倉内部に詰め込まれた弾に封入されてる無縁火薬や雷管に作用して弾け飛んだのだった。幸い、ボディアーマーを着込んでた上に、バリアジャケットによって重傷にはならなかったが、衝撃で肋骨が数本折れてしまった……
その為、彼は呼吸する度に鈍い痛みに襲われてるのだ。しかし、当の本人は、そんな痛みを無視して煙草と言う健康に物凄く有害で、死期を早める悪魔を味わってたのだった。
煙草がフィルター近くまで燃えてる事に気付いたカールは、煙草をテーブルに放置されたビールの空き缶に突っ込むと、そのまま目を瞑って完全に眠る態勢に入った。
彼が眠って数時間が経っただろうか……
船に搭載してる『ルサルカ』 と、呼ばれる少女の姿をしたAIにして動力源とは別の艦の中枢を形成するサーバーに一件のメールが送られて来る。彼女は、メールを精査し、ウィルスが無い事や発信地の特定を行う。
ウィルスは無く、メールは文章だけと言う簡素な物であったが、発信地は様々な管理世界の通信施設をアトランダムに転々としてる状態であったので特定する事は出来なかった。
そんなメールを怪しみながらも、ルサルカは、そのメールを一通り読んでからカールのデバイスに並列化による自分の分身を送って彼宛に送られた文書を送る。同時に、デバイス内臓のスピーカーで出せる音量レベルを最大にしてから、叫び声を挙げた。
「起きろー!! 管理局の手入れだぁぁ!!」
「何だと!?」
カールがガバッと勢いよく起きた瞬間、ルサルカは笑い声を上げてカールの慌てぶりをデバイスのセンサー越しに観測して居た。ルサルカの笑い声で、悪戯だと気付いた瞬間……
カールは起き上がったと、同時に腰のホルスターから抜いて、右手に握ったブローニングハイパワーMk3の銃口をデバイスに向けた。ブローニングのセフティは解除されており、薬室に9mm弾は装填済みで、撃鉄は起きてる。
「何か、嫌な事ばっかりでムシャクシャするんだ……お前のサーバーを的にしてプリンキングってのはどうだ?」
「冗談じゃないのー、本気にしないでよ? それより、メールが来てるわよ……」
「差出人は? 解らないとか抜かしたら、テルミットで焼いてやる」
彼はデバイスに送られたメールを空間に投影し、内容を読んで行く。
「あの厄介なブツを買い取ってくれるって話みたいよ……」
「そんなのは、読んで解ったわ。昨日の今日で、俺が遺跡から手に入れた事を知ってるのは俺とお前しか居ない筈だ……これは?」
カールは送られて来たメールに対して頭を抱え始めた。
何故ならば、自分があの遺跡に盗掘した事は誰も知らない筈なのだ……
それなのに、このメールの送り主であるJSと名乗る人物はピンポイントで送って来た。しかも、メールアドレスは定期的に変更して傍受されない様にしてるのにだ。
カールは頭の中に保存されてるであろう『J・S』 と言う名前を脳内の検索エンジンを稼働させて探して行く。
数分後……
彼は記憶の中に『J・S』 なる人物が居ない事を知り、溜め息を吐く。ポケットから煙草が詰まった箱を出して1本抜き取って咥えると、火を点して紫煙を燻らせる。吐き出された煙は、天井へと立ち昇って溜まって行く。そんな状態にルサルカは、室内の換気装置を稼働させた。
「どうするの?」
「呪いのブツを引き取ってくれるなら大歓迎だ。と、言いたいけど胡散臭すぎる……」
「けど、金の方が大事だから売ると伝えろ。取引場所は此方から指定すると返信してくれ」
「解ったわ……でも、管理局の罠だったらどうするの?」
「そりゃ、逃げるに決まってんじゃないか。」
この後は第97管理外世界『地球』 東南アジアのインドネシアかブラックラグーンの『ロアナプラ』 で取引にしようか迷ってる。
いっそ、『メタルマックス』 でリックを組ませてみるのも良いかな?
世紀末世界でガジェット展開したら、5分も掛からず全部破壊されました。ディープダイバーで隠れてたら、バンカーバスターを撃ち込まれましたって展開になるだろうけど - 2012年 07月25日 (水) 21時08分
コメント
パキスタンのクエッタ市が密輸などにオススメですよ。
空港もあるし、軍事基地もある。
そして、国境が近いので、逃げるのにも最適
空港もあるし、軍事基地もある。
そして、国境が近いので、逃げるのにも最適
投稿者:JAS39C
[ 2012年 07月25日 (水) 21時12分 ]
レリックの密売ですから。
アフガン特産の雪や各種兵器の売買じゃないですからね?
地球なら、一応は管理外世界なので管理局は手出し出来ない。スカ山が手出ししたら歓迎出来る様にする。って、所っすね。
まぁ、パキスタン軍の将校にドル札の束握らせて国境やチョッパーやAPC付きの護衛して貰うってのもアリかなぁ。と、思った