• リリカル二次の盗掘に加筆修正しつつ投下ナウ
  •  どうしたもんかね……最近、盗掘屋で話題になられておられる管理局曰く、ガジェットに囲まれましたけど。
     今の手持ちは地球で気に入って以来、使ってるブローニング・ハイパワーが1丁にAK47が1丁とM79グレネードランチャー。後は手榴弾やらチャフグレネードにスモークが幾つか……正直な意見、勝てる気がしない。

     管理局に助けを求める……これは無し。自慢じゃないけど、管理局からはよく思われて無い。なんせ非合法的に墓荒らしてるからな。オマケに指名手配も喰らってる逮捕後、裁判長いだろうな。ムショに入る頃にはヨボヨボのじいさんになっちまう。だから無し。

     俺のマイホームでもある小型のポンコツ船を留めてるポイントまで逃げる。これしか無さそうだ……犯罪者はツラいね。逆恨みする奴がたまに俺の事を殺そうとするし、管理局からは追い回されるし……良い事が無い。

     え? 真っ当な仕事じゃないんだから仕方無い? 目を逸らしたい事実を言うなよ……見なかった事にしたいんだからさ。

     とある管理世界の砂漠地帯の奥深く眠ってた地下遺跡から手に入れたお宝を確保した砂と風除けのマントを羽織り、ターバンで顔を被った盗掘屋の男は、手に携えた第97管理外世界の戦場で60年以上使われ、ベストセラーとなったAK47と呼ばれるライフルの安全装置のレバーを一番上の位置から一段階下げた。それはフルオートで弾幕を張ると言う事であった。
     左手に持った破片式の手榴弾のピンを抜くと、それを4機1組となって近づいて来るガジェットに投げ付ける。手榴弾は3秒後、爆発すると、手榴弾を中心にして半径、数メートルに爆風と破片、そして、巻き上げられた砂塵がガジェットに叩き付けられる。
     爆風に巻き込まれたガジェットから目を離さずに男はAK47のストックを右肩に押し付ける。手榴弾を持ってた左手を木製のフォア・エンドに沿えるとそのままフォア・エンドを保持する。そして、脇を締めて右頬をストックのチークピース部分に押し付けて射撃姿勢を取った男は、リアサイトと円形のフロントサイトに爆風が晴れて現れたガジェットに向けて引き金を引いた。
     独特の銃声と共に放たれる自分で火薬を調合、火薬の量を増やすと共に弾頭を変えて自作した特性の7.62×39mm弾を男は魔力弾を放とうとするガジェットに絶え間なく浴びせるのだった。

     肩に強烈な反動を受けながらも男は、引き金に掛けた指を離さずにバナナ型のマガジン内の弾を撃ち尽くし、目の前の無人兵器が動きを留めるまで銃弾を浴びせた。
     銃弾を浴びたガジェットは手榴弾によるダメージも有ってか、装甲の耐久性や強度が下がり銃弾に貫通してしまう。数秒後、内部の駆動部が銃弾によって破壊されると小さな爆発を起こして停止する機も有れば、AIを搭載してる箇所が破壊されて砂漠の上に落ちた物等が残骸となっていった。

     「ザマァ見ろ、ガラクタ……あ、ヤベ……」

     男は空になったAKのマガジンをポケットに突っ込み、未だに硝煙が立ち昇る30発の散らばる空薬莢を踏み、蹴ったりして砂漠の砂に埋めながら視界に写ったガジェットの増援から逃げるのだった。
     背中のバックパックに仕舞い込んだレリックと呼ばれるロストロギアを背負ったまま男はガジェットとの鬼ごっこを遺跡の残骸の陰に隠れる迄、続ける。
     遺跡の陰に隠れた男は、逃げた拍子に詰め損ねたAK47のリブが入った金属製のバナナ型マガジンをマガジンハウジングへ乱暴に詰めると、ボルトを乱暴に引いて薬室に初弾を装填した。初弾を装填したAKを撃つかと思いきや、男は古そうな銃……M79グレネードランチャーを手に取り、銃身の上部に装着された折り畳み式のサイトを展開する。
     そして、M79グレネードランチャーを先程のAK47を構えたのと同じ要領で構えると、サイトに刻印された数字をガジェットが近付く距離に合わせて仰角を取ってから引き金を引いた。
     重い低音とシャンパンの栓が弾ける音を足して2で割った様な銃声と共に40mm榴弾が放物線を描いて飛んで行く。放物線を描いた榴弾は、男が狙った位置から数十センチ程ズレた位置に着弾して砂漠の砂を巻き上げる……ガジェットにはダメージはそれなりに与えるが、効果は今一つの様であった。
     榴弾を放ったと同時に、男は遺跡の残骸に隠れて、M79の銃身兼薬室を固定するラッチに指を掛ける。男はラッチを解除して銃身下部のフォア・エンドを下げて中から薬莢の底部が現れると、未だに熱を持った薬莢を化学繊維製の手袋越しに摘んで地面に捨てた。
     そして、地面を映す薬室にベルトに挿んでた対機甲兵器用の榴弾を装填してから折れたM79を元に戻した……

     「何なんだよ……? コイツ等はお宝が欲しいのか? だったら……代わりに弾丸をプレゼントしてやんよ!!タンと受け取れ、ガラクタ!」

     男は近付いて来るガジェットへ向けてAKの弾幕を浴びせつつ、手榴弾を投げた。

     魔法を使いたくても、使えない……参ったぞ。もしかすると、コイツ等はAMFを展開してるのか!? だとすれば……コイツ等から距離を取らないとヤバい!!
     念の為に質量兵器を用意しといて良かった……遺跡の中には魔法を妨害する特殊な環境が有る上に、警備システムの無人兵器がお宝と一緒に眠ってるのよ……だから、質量兵器も体力も必要なんよね。墓荒らしは本当に地獄だぜ。
     なんて、アホ臭い事を考えるのは辞めて……現実を見るかな。目を逸らしたいけど……

     多分、管理局は近付いてきてる……これ以上、戦闘を長引かせたら、もれなく管理局武装隊や執務官が来る。その前に監視チームが監視してるかも知れない……否、既に来てる。

     男は耳に装着したインカムから、時空管理局が使ってる念話の周波数チャンネルから執務官とオペレーターの会話が途切れ途切れに聴こえて来る事に舌打ちする。

     クソッ! 来るのが早過ぎる!! 何時もはもっとチンタラとしてるのによ……
     あー……どうする? 顔はターバンで隠してる。服も現地のを着てる。だから、サーチャーに見られても問題無い筈。一応、遺跡や薬莢に指紋は残してない筈だから……捕まらなければ俺は逮捕される事は無い。
     捕まった場合……地球産の質量兵器を複数所持。しかも、フルオートと対物兵器持ち。
     オマケに……銃弾は持ってるだけで実刑を確実に喰らうであろう『魔導士殺し』 だ。

     『魔導士殺し』 と、犯罪者や管理局魔導士、軍事関係者から呼ばれる銃弾がこの世に存在する……
     これは銃弾の材質に魔力結合を切り離して魔力効果を減衰させながら、シールドや貫き、バリアジャケットを貫通する効果を持った特殊な銃弾なのだ。
     古代ベルカ時代に当時のベルカと紛争を行ってた国の軍隊が開発、生産に成功した特殊な軍用銃弾である。これの製造方法が記載されたデータを見付けた時空管理局員と言う名の盗掘者が最近見付け、厳重に保管されていた。しかし、常に頭の悪い管理局員と言うのがこの世に存在しており、この悪い管理局員の手によってこの銃弾の製造方法は様々な人間に広がった。
     これによって管理局魔導士と非魔導士の犯罪者とのアドバンテージの開きが狭くなってしまった。
     更にこれを秘密裏に管理外世界で大量に生産した武器商人が利益の為、管理局を良しとしない非魔導士が大半の軍事組織や犯罪組織へ試供品として大量に流した。それによって管理局員の殉職者や負傷者、犯罪に巻き込まれた市民の被害が増えて行った。
     そんな事から、この盗掘者が使ってる『魔導士殺し』 と呼ばれる銃弾はミッドチルダでは、所持してるだけでも裁判の判決で実刑を受ける代物で管理局が否とする、危険物なのである。
     因みに……そんな銃弾は、材質自体の硬度がタングステンカーバイド並みな上に、粘りも有るので、200m離れた箇所から地球での防弾レベル3の防弾装備を施した肉塊と化した豚に撃つと……
     腹部の防弾プレートから表面の革、内部の肉や骨を砕き、損傷を与えながら背中の防弾プレートに掛けて貫通させる事が可能だったりするのだったりする……


     閑話休題


     せめて、砂嵐でも来てくれれば……砂嵐に乗じて逃げれるし、痕跡は砂の中に隠れる。残留魔力は魔力を使わなければ発生しない。それにここの砂嵐は、磁気を含んでる事もあれば魔力素に対して強い影響力を発揮して自然のAMFになるのにな……
     
     男は八方塞がりの脱出は神任せと言った状態に頭痛を覚えながらもガジェットを破壊して行く。だが、彼は気付いてなかった……
     さっきまで、何も無かった空に雲が出始め、ガジェットの爆発で掻き消される前にあった砂地に風で描かれた波紋が有った事に……
     5分もしない内に男は、この周辺に集まってたガジェットを全て破壊すると、この遺跡に来る時に使ったSUVに乗り込んだ。それから、イグニッションキーを回し、エンジンが掛かると、サイドブレーキを下ろし、シフトギアを叩き込んでアクセルを一気に奥まで蹴り込む。すると、4つタイヤが砂を噛みながら回転し出し、砂を巻き上げながら遺跡から離れて行くのだった。


     その頃……盗掘者ガジェットの戦闘を監視してた観測班は戦闘の様子を全て記録して居た。

     「ガジェット全滅確認!! 対象は車両に乗って逃走を開始しました!! 方向は東に向かってます!」

     観測班はサーチャー越しに映る盗掘屋の男が移動してる方向を現場に急行してるフェイト・テスタロッサ執務官と彼女が率いる武装隊に念話通信で伝える。

     『他に生命反応は有りますか?』

     「いいえ、有りません……現場に残ってるのはガジェットの残骸だけです。尚、容疑者は質量兵器で武装してると思われます!」

     報告者はフェイト執務官へ簡潔に報告を述べる。

     『ありがとう……(質量兵器を使ってたからAMF圏内に入っててもガジェットを破壊出来たんだ……取り敢えず、ガジェットに襲われてた人が無事で良かった。けど、犯罪は見過ごせない!)』

     フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは現場から逃亡した盗掘者を追跡する為に飛行速度を上げる事を伝えると、武装隊の面々は了解の意を表して同じ様に飛行速度を上げるのだった。

     砂漠の柔らかい砂をSUVに装着された太くて黒いタイヤが巻き上げ、船が海の水や波を掻き分けるかの様にSUVは地面に敷き詰められた砂を掻き分けて突き進んで行く。SUVのエンジンは空の上から照り付ける日光と日光で温められた空気、そして、エンジン自体が発生させる高熱によってエンジンブロック内部のシリンダーとピストンが悲鳴を挙げる。だが、盗掘者は、そんな悲鳴を気にする事無くSUVが限界を迎えようとして壊れる事よりも自分が管理局員に逮捕、送検され、刑務所に行くと言う事の方を恐れていた。
     やはり。と言うべきか……チラッと天井とフロントガラスに取り付けられたバックミラーに目を遣ると、管理局の制服を着た空戦魔導士がミラーに僅かに移ると同時に、拡声器で増幅された様な叫び声が聴こえて来た。

     『そこの車両!! 止まりなさい!!』

     『こちらは時空管理局です! 速やかに車を止めて、こちらの指示に従いなさい!! 繰り返します!! こちらは時空管理局です。速やかに車を止めて、こちらの指示に従いなさい!! 』




    この後の展開は……逃げ切ってアグスタのオークションに出展して金貰ってウハウハの後に聖王のゆりかごが眠るって情報を得て盗掘しに行こうとしたらスカ山の先約があったつう話ー

    でもって、ガジェットと魔導士は308口径のバトルライフルで撃てば良いと思うの……

  • 2012年 07月18日 (水) 00時42分

コメント

流石に防塵処理はしてますよ……話の中では

防塵フィルター使ってても、砂は入ってくるよなぁ。と、思ったり

取り敢えず、これの続き書いたら、アットノベルに晒します
投稿者:幽霊  [ 2012年 07月19日 (木) 17時26分 ]
砂の細かさにもよりますけど、
砂が細かいとラジェーターやエアコン等空調周りに溜まります。
映画等でFuck!エアコンが気かねえじゃねえか!←エアコン周りに砂が入って目詰まりしている。

砂が大きいとフロントガラスに傷が大量に付きます(フロントガラスの質にもよりますけど)

結論は防塵のされていない車で砂漠はセンスの良い自殺だと思いますね。
投稿者:JAS39C  [ 2012年 07月19日 (木) 17時13分 ]
ボアアップした弾丸か……それはマニアックになりそうだからNGで。

このシチュだと、砂漠でエンジンをガンガンに回したエンジン熱で冷却水がお湯状態になるオイルも温まって冷却効果低下、ラジエターやエアフィルターに砂詰まってエンジンブロー確定ですかな?
投稿者:幽霊  [ 2012年 07月19日 (木) 13時21分 ]
12,7×43mm弾何かも効果的だと思いますよ。

ゆりかごは第7艦隊がいれば余裕でしょうね。

最後は核攻撃をすれば良いのだから。
投稿者:JAS39C  [ 2012年 07月18日 (水) 08時06分 ]
コメントの書き込みはログインが必要です。