2006-03-11 執着すること卑のごとく
都会のオタクと田舎のオタク
私は田舎のオタクである。そうに違いない。そんな田舎の私にとって、以下のテキストは他人事ではなく、日々の実感に即したものだと思う。
文化と差別、そして「おたくと新人類」 - ARTIFACT@ハテナ系
1997年頃からは、インターネットやniftyserveのお陰で、私も上京してオフ会に出たり東京で買い物をする事が出来るようになった。東京で、各分野オタク文化の最先端を取り込んでいる人達から話を聞き、コンテンツを教えて貰ってちょっと遅く導入する。それと、都会では様々な人と遭えるので、目新しい文化や価値観に触れる機会を得ることも出来る*1。こんな事は昔は出来なかったし、今自分が能動的にオタクやっていられるのも、情報網・交通網の発達のお陰だとは思う。
それでも、首都圏−地方の格差は今でも厳然と存在している。田舎でオタクをやっていて首都圏のオタクに近いコンテンツ摂取をしようと思うと、余計な努力を余儀なくされる。モノや人が東京に集中しているという事や、上京するにはかなりのコストを覚悟しなければならない事が、大きな壁となって立ちはだかる。私はこの壁に負けそうになるけれど、やはりオタオタしていたいので定期的に上京せざるを得ない。
- 都会のオタクにcatch upする為に遭遇する、田舎のオタクの壁
・コンテンツの壁。Amazonや通販が普及したとはいえ、田舎でアクセス可能なオタクコンテンツには限りがある。同人レベルになるとこの傾向は顕著で、田舎では殆ど手に入れる事が出来ないと思う。少なくとも私は、「東方」も「月姫」も「ひぐらし」も、全部東京で購入するかオフ会で譲って頂かなければならなかった。他にも、旧いゲームの入手やマイナーな作品にアクセス出来る利便性は都会のほうがずっと上。そういやコミケ参拝も、都会の人が羨ましいと思うことしきり。
・人の壁。同人やる為に人と組んだり、希望する人を探したりする事は田舎ではほぼ不可能。田舎ではオタク仲間を選ぶ事は出来ない。都会ではオタク仲間を選ぶ事が出来る。あと、達人達の芸に触れる機会が少ないというのもかなり痛い。例えばシューティングゲームの世界ではそれが顕著で、人材は大都市に集中している。このため、都会の水準についていくのは田舎のオタクにはかなりしんどいものがある。まぁ、シューティングゲームの場合、上手い人がいないならいないで嬉しい事もあるからいいのかもしれないけど(先をみないで、ほぼ自分だけで攻略していく楽しさが田舎では保証される)。
・情報の壁。上記の人・モノの壁の帰結として、都会のオタク達のほうが新しくて有益な情報を必要なだけ持っている可能性が高い。いや、都会のオタク全員がそうだというつもりはないけれども、必要な情報を持った人間が都会にいるのは確かだと思う。どのコンテンツが面白いとか、どのコンテンツが流行りそうだとか、そういう情報は田舎に閉じこもっているとなかなか回って来ない。インターネットや2chなど普及したと言っても、然るべき人から直接聞く話には及ばない。それに、秋葉原や中野などに自分の足で行かなければ気付かない事はいっぱいあるし。
・距離の壁。そして一番根っこにあるのは距離の壁。どこでもドアがあれば、それこそ毎週東京行くんだけど、そんなの夢物語。実際の私は、上京するために往復3〜4時間の時間的コストと、一万円強の金銭的コストを余儀なくされている。もちろん体力だって使うだろう。距離の壁があるからこそ、人・モノ・情報の壁を克服するのはしんどく、特に社会人オタクにとっては重大な試練として立ちはだかっている。正直、この仕事をしながらオタクをやり続ける自信が無い。いつか私は、自分が望むようなオタクでいられなくなるのかもしれない。
都会には都会で色々問題も多く、例えば子育てなんかには全く向いていないとは思うけれど、オタクとして活動するにはとても向いている空間のように見えて羨ましくもある。オタクだけでなく、その他の文化活動についても同じことが言える。文化活動に関する限り、田舎者は都会者に比べて如何ともしがたいハンディを背負っている。オフ会に赴き、秋葉原を歩き、コミケを参拝する事を通して、そのハンディを幾らか緩和されているとは思うけど、それでも(私などは)色々な点で追いつきづらいと感じている。
*1:対照的に、田舎ではオタク集団もファッションも読書とかも比較的均一な気がする、あくまで都会に比べての話だが。選択肢が少ないせいなのか?あるいは「地域」というのはそういうモノであって、それが共通基盤・共通理解を下支えしているのか?
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