「畳の上の格闘技」と称される競技かるたの二つの全国大会に、兵庫県立龍野高校の百人一首部が出場する。人気コミックの影響で若い世代にもその魅力が浸透し注目を集める伝統競技。試合形式の練習で集中力と瞬発力に磨きをかけている。
同部は1996年に同好会として発足し、部員は男女12人。滋賀県で28日に開幕する「全国高校百人一首かるた選手権大会」には県代表校として出場。8月9日に富山県で始まる「全国高校総合文化祭」には兵庫チームの一員として5人が名を連ねる。
上の句の何文字目までを聞けば取り札が確定するか、その「決まり字」を覚えるのに始まり、札の位置の記憶力、音への反応速度など頭脳戦とスポーツ的な要素が楽しめるのが人気の秘密という。
3年の大久保和敬君(17)はコミックを読んで興味を持った一人。試合を見学し「考え尽くされたすばやい動きに魅せられた」。10カ月で初段に昇進するなど成長が著しい。
部内最高の3段を持つ1年の鹿島夕希君(15)は小学5年で大会に参加したのが競技を知ったきっかけ。地域のかるた会で練習を重ねてきた。「札を早く取れたら楽しい。負けても勉強になる。この夏で4段を狙いたい」と意気込む。
3年生にとって最後の大会だけに、部長の井上美華さん(18)は「きょうだいのように仲の良いチーム。決勝トーナメントに進出し、練習してきたことを大舞台で発揮したい」と健闘を誓う。(松本茂祥)
(2012/07/26 09:15)
Copyright© 2011 神戸新聞社 All Rights Reserved.