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事故から一ヶ月経った今、長期リスクはヨウ素ではなく、セシウムにかわる。セシウム137は半減期30年、セシウム134は半減期2年。チェルノブイリの例では年率5%くらいで放射能はゆっくりと下がり、だんだん減らなくなる。水で流されたりするところの実質半減期はもう少し短いが、急速には減らないというのは変わらない。つまり、
今、住めないと決めた所は、(今生きている人は)戻ることはできない。
森林など、土壌が移動しない地域では高度の汚染が継続するので、山菜や山のノイチゴ、キノコ、山の動物などが汚染される。湖や池など、水が移動しない所も同じ。そこでの魚は食用にすべきでない。森林の除染は今の所、実用的な方法がないので、こういう状態は数十年は続く。セシウムは周期表上カリウムと同じなので、カリウムと同じく全身に分布する。逆に言えば、ヨウ素のように、特定の臓器に集中することはない。
私に言わせれば、ICRPの好きな『放射線量の形而上学』は官僚がする時間と金の浪費。科学の人がすべきことは、セシウムの内部被曝を実験で検証することだと思う。とても汚い実験になるので、実験施設に嫌がられそうな実験ではある。ヨウ素131が甲状腺癌ばかり引き起こすように、核種の化学的性質の違いで結果が質的に異なるのは十分あり得ること。セシウムによる被曝は全くと言って分かっていない。全ての核種による線量(正しくは線量当量)を等価であると予め仮定して、線量の足し算かけ算ばかりにこだわるのは愚かだと思う。
原発事故が甲状腺癌をひきおこすことは明白であるが、チェルノブイリ事故ではそれ以外に怪しいものがある。白内障、先天性の奇形、種々の固形癌、若い女性の乳癌、循環器疾患、免疫系の異常、精神神経疾患など。これらは、統計的には被曝によると示せないが、少し増加しているという報告がある。もちろん、直接に放射能の影響ではないかもしれない。しかし、今回の原発事故でも、チェルノブイリと同様、極度に様々なストレスが長期に亘って加わることは予測されるのだから、その準備をすべきだ。ストレスからこようと、放射能からこようと、患者になってみれば同じ病気。だから、放射能だけに重点をおく対策は片手落ちだと思う。そのためにも、個人の被曝と健康状態を継続的に調べなくてはならない。
小林
2011/06/06 20:20
よくある間違いですが、被曝と被爆はちがいようです。今回の事例は被曝と思われます。もしくは被ばくとされると良いかもと思います。
buvery
2011/06/11 09:52
漢字、直しました。ありがとうございました。