殺気立った尋常でない集団がなだれこんできた時、新潟空港では、誰もが皆、最初は何が起こったかわからないでいた。
受付カウンターの女性が、戸惑いながらも反射的に電話に手を伸ばす。しかし、集団から飛び出した一人の男が女性の額に銃口を向け、92式自動拳銃の発射音と同時に、女性は真後ろに倒れた。それを合図に、カウンター内の空港職員が端から射殺される。
アサルトライフルの音が交錯する中、人々はやっと悲鳴を上げることができた。
走り出す人々の背中に、短機関銃の水平射撃が浴びせられる。パニックが極まる。すると人は、混乱の中で、最も規律あるように見えるものに、すがるしかなくなる。すなわち、号令と命令に。好むと好まざるとに関わらず、なすすべなく思考を放棄し、自分を支配者に明け渡す瞬間だ。
中国語はわからなくても、不思議と、何を命令されているかはわかるものだ。人々は揃って彼らの命令に従って両手を挙げ、血まみれの床に腹這いになる。
集団の一部が管制塔制圧に向かうのとすれ違いに、空港警備員が駆けつけるが、警備員が射殺され倒れる音を、人々は床につけた耳で聞くことになる。
空港外に出た人民解放軍のグループは、多数の通行人に目撃されてもかまわず、用意されていた民間車両と空港バスに分乗する。
平服の集団が火器を持っているのを目撃し、通報したり、ツイートしようとした通行人は、携帯電話がつながらず、スマートフォンの画面がいつの間にかハングル表記に変わっており、そこには画面変更のツールボタンが表示されていないことに気づく。日本の通信会社のサーバーが、なぜ日本に置かれずに韓国に設置されているのか、日本人が、その根本的な正否を問うよりも目先のサービスを享受することを優先して、疑念を追及しなかった結果でもある。中国の息のかかった韓国国内の工作員も、国防動員法発令と同時に、日本侵略のために素早く行動に移っていた。
新潟で起こっている事を誰にも知らせられず、誰にも事が知られないうちに、この時点でもう、沖縄にも侵略の手が伸びているのだった。
その頃、東京都心では、国防動員法で集結した在日中国人たちが、指示を待ちきれず、騒然とし始めていた。
駅前の交番から様子を見に近づいて来た警官を、中国人が多数で取り囲み、小競り合いの様相を呈している。凶器準備集合の疑いで応援を呼ぼうと、無線に呼びかけた警官の胸ぐらを誰かがつかんで、詰め寄った。その瞬間、火がついたかのように、中国人の集団は、手にした鉄パイプや中華包丁で警官に襲いかかった。
もともと彼らには秩序がない。あるとすれば、自ずと暴徒化するという秩序であろう。動員に応じた中国人男女はお国のためという免罪符を得、嬉々として商店のガラスを割り、火を放ち、土曜日の繁華街で逃げまどう人々に手当たり次第に殴りかかっては金品を奪い、路上で強姦を繰り返す。警官の死体は焼かれ、切り落とされた四肢がアスファルトの上に転がり、強姦された女性たちは吊されて、見せ物の数を競うために殺される。
これまで日本が免れ、どこか他の国で起こっていた出来事が、日本の身の上に巡ってきたのである。
この頃、沖縄周辺では、アメリカ軍も自衛隊も、相手が民間機、民間船ゆえに攻撃することができず、平服に身を包んだ中国人民解放軍が沖縄に上陸し、次々と市内に入り込んでゆくのを、阻止しきれずにいた。
海上では、日本の領海をまっすぐ突き進む中国漁船を制止しようとした海上保安庁の巡視船が、武装漁船から攻撃を受けて炎上しながら沈没する。しかし、これが、専守防衛の自衛隊が攻撃許可を待つことができる条件となり得るか、政府が沈黙している間に、日本の戦力は大陸側と沖縄側から挟み込まれ、南シナ海からも集結した中国船団に囲まれる形となる。
島国日本が自衛するには、やむなく身を切り捨ててゆくしかない。ゆえに、沖縄を放棄。
「沖縄放棄、沖縄放棄」のニュース速報がテレビ画面に流される。が、しかし、これは日本国民に向けた報道ではない。在日中国人に勝利を知らせるための速報である。日本の報道の現場を仕切る在日韓国人が中国に尻尾を振って、一切の情報をシャットアウトし、中国勝利のニュースだけを流し続ける。
中国の動きに最初に反応して行動に出たのはロシアだ。
ロシアは日本の北方領土に進軍。交戦の意図はない。先手必勝で、北方四島はロシア領土であると宣言をし、日本が中国になった際に国境線の主張をするためだ。ソビエト崩壊の際に、日本は北方領土について何の手も打たなかった。日本国民も、北方四島に無知だ。ロシアの実効支配の地に口出しをする資格は、日本にはない。ロシアの当然の言い分である。
北朝鮮は、中国が租借した羅津港に中国軍が進軍するのを警戒しつつも、それに乗じて韓国への攻撃を開始できるよう準備を整える。短期決戦なら核も使用する構えだ。
韓国は北朝鮮を牽制しつつ、中国の半島侵略に備えようとするものの、今日本に進軍すれば自分たちが日本を取れるのではないかという迷いもあり、政府の方針がすぐには定まらず、あちら立てればこちら立たずとなって動きがとれない。その間すでに、日本に在住する韓国人たちは中国の虎の威を借りた状態となっており、自分たちが日本を踏みつぶした気になって浮かれ、中国による日本侵略後の自分たちの身の振り方にまで思いが及ばないでいる。同胞を緊急に帰還させようとしても、徴兵しようとしても、韓国政府は在日韓国人を牽引することができない。
しかし、国防動員法が発令されても、動員に応じない中国人たちがいる。
地方の市町村ではもとより、紛れ込んだ工作員以外には、地域に溶けこんで日本の人として暮らす中国人に、日本と敵対する考えはない。安穏な暮らしを守りたいのだ。首都や大都市でも、商売優先で自分の利益が第一の在日中国人にとって、日本は自由な儲けを与えてくれる上、自国民よりも中国人韓国人を優遇してくれる国である。このまま馬鹿な日本であり続けて欲しい。日本が中国になって、自由を奪われ、儲けのピンはねをされては困るのだ。彼らは目と耳と口を閉じる。大陸の戦乱の世を生き抜いた中華の知恵は、現代に連綿と受け継がれ、面倒事に関わらないで自分の財産を守るために、大いに役に立つのだった。
日本人の中にも、目と耳と口を閉じる者はいる。力のある者に逆らって損をしたくない、正しい者を見殺しにしても自分だけは犠牲になりたくない。そういう日本人を制圧するのはたやすい。他国から侵略を受けた場合には抵抗しないと宣言している都市を始め、すでに中国と手を組んでいる首長たちは、市民に自宅待機を呼びかけて、市民を丸ごと中国に引き渡す準備にいそしんでいる。
しかし、立ち上がる日本人はいる。日本人と共に立ち上がる中国人もいる。日本人がそうするように、彼らも義憤のために立ち上がり、侵略に立ち向かう。日本で暮らす多種多様な人々が共に、中国からの侵略に立ち向かう。
在日韓国人だけは、その限りではない。この時点で、どちらの側からもはじき出され、在日韓国人は、昔話のコウモリ状態で右往左往することになる。侵略者にとって、反日だから仲間だと言ってすり寄ってくる半島人は目障りなだけであり、日本国内で結束を固めた者たちにとっては、ごね得と通名で日本に養ってもらいながら反日である半島人の狡さは穢らわしく、仲間にふさわしくないからだ。
日本人の中には、この時点でもまだ、立ち上がった同胞に対して、右翼であるとか軍国主義であると批判的な目を向けて、自分は口をぬぐっている者もいる。
しかし、もし、日本人が自分の国を思うことが即軍国主義であると考え、即戦争と結びつけ、その拒否感を持つことで自分が善人であることをアピールするならば、それはその人が、戦後の日本人がアメリカに調教され、アメリカに都合の良い歴史を刷り込まれ、そこに中国と韓国がつけ込んで日本を食い物にしてきた、その一連の呪縛に閉じこめられているからだ。
日本人は、メディアなどからの刷り込みと調教によって、日本人が自国を思うと、即、先の戦争を再来させ、アジア各国が日本に反発し日本人は嫌われる、と思い込んでいる。日本人は、中国と韓国以外のアジアの国々が、それぞれ、先の戦争で日本と日本人がしたことについてどのような感想と史観を持っているか、知らされていない。その点において、日本人は大きな誤解をし続けてきた。そのようにし向けられてきた。日本と日本人は、中国韓国以外の、互いに本当に結びつくべきアジア各国から、断絶させられてきたのだと言える。
日本人のこの誤解が解けるまで、命に代えて日本と日本人をこの世に遺した人々の役目は終わらない。
通信障害の隙を縫って、日本国内から発信された情報が、世界中に広まってゆく。徐々に動画もアップされ、世界中に衝撃が走る。
日本人が侵略者に立ち向かっている、そのことに世界中が衝撃を受ける。
あの日本人が、あの日本の市民が、日本に住む各国の人々と共に、中国に立ち向かっている。その衝撃が、世界を揺るがす。世界における日本と日本の人々が、どれほどの役割とインパクトを持って位置づけられていたのか、日本人だけが理解していない。
半島以外のアジア各国では、各地に市民が集まり、群衆はデモ隊となる。日本の軍国主義に対してではない。日本と一丸となって中国に対抗し、自国に入り込んだ中国人を押し出すためだ。
欧米の反応はアジア各国とは違い、先の戦争における日本への批判的な見方により、日本人が再び軍国主義に走らないようにとの懸念も相まって、そのために中国への批判が強まる。しかし、そのような識者の見解と市民感情は一致しない。欧米の市民の間では、これまでの中国と中国人の振る舞いによる鬱憤がたまっており、日本での動きをきっかけに堪忍袋の緒が切れる。中国人排斥、そして同様の理由で韓国人排斥の市民運動が各地で激しく展開される。
中国大陸では、これが最後のチャンスと見た少数民族の群衆と、民主化を訴える中国人群衆が、それぞれ打倒中国共産党に立ち上がる。
混乱の極みの中、そして神風は吹く。
神風篇に続く。
2012年07月16日
中国による日本侵略のシミュレーション・応戦篇
posted by 金の龍星新社 at 01:56| 生活
|