短編を掲載して感想の方で似た作品があるのですが元ネタなどはありますか?
と言う質問を頂きましてその似ている作品を拝見しました。
自分の短編よりも前に連載をしておられまして、正直お気に入り数も多く、自分で読んでいて凄く面白いと感じられました。
ですが、自分の作品はその作品のパクリではありません。
オマージュでもありません。
れっきとしたオリジナルです。
それが嫌でしたら、今すぐバックボタンを押してください。
嫌でない人のみ作品を読むことをオススメします。
読んで批判を言われてもどちらも良いことはありませんから。
バージンロード。
女の子なら誰もが一度は夢見る通り道。
結婚。
故に愛を正式に認める場。
大人になるための儀式。
今、一組のカップルがゆっくりと誰もいないバージンロードを歩いていた。
「神と証人の目の前で新郎は新婦を妻にめとり、今日から将来にむけて、良き時も、悪しき時も、富めるときも、貧しきときも、病める時も、健やかなる時も、生命ある限り、あなただけをだけを愛することを、誓いマスカ?」
最後の語尾が異様に気になったのだが二人はそれを気にせず牧師に『誓う』。
「はい。いつ、いかなるときも新婦を愛することを誓います」
「はい。いつ、いかなるときも新郎を愛することを誓います」
「では、誓いのキスを……」
ゆっくりと新郎は顔を近づけていき、新婦の唇に自分の唇を重ねようとした瞬間。
誰もいないに何処からかBGMが流れる。
誰もいないに何処からか拍手喝采が起こる。
静まり返る教会に歩み寄る一人の影、後ろにある大きな扉が盛大に開いた。
「お、お兄ちゃんから離れなさい! この泥棒猫!」
金色の艶やかな髪色をした少女は新婦に向かって怒鳴り散らして、二人の元へ近づいてくる。
「誰が泥棒猫よ、アナタはだからいつまで経ってもブラコンなのよ!!」
銀色の輝く髪質をした女性は少女に向かって反論をし、そちらへと歩み寄っていく。
新郎は、またか……と頭を掻きながら上でニコニコと微笑んでいる神父さんに愛想笑いをする。
距離の合った二人の間は段々と縮まって行き、何時の間にか新婦の服装もウェディングドレスから代わり映えの無いオシャレなドレスへと姿を変えていく。
妹の手に握られているのは、一本の剣。
彼女の両手に握られているのは、二丁の銃。
「泥棒猫がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「このブラコンがぁぁぁぁぁぁ!!」
二人が争っている模様を日常風景として見ている新郎。
ここは現実世界ではない。
むろん、この結婚も正式な儀式ではない。
しかし、この夫婦は互いに好きになっていた。
そう、『ANGEL ENGAGE ONLINE』。略称、AEO。
仮想空間、VRMMO内での話である。
「今日も月が綺麗だな……」
*
結婚。
仮想空間内で出来るプレイヤー同士の結婚はあまりいい物ではない。
まず財産の共有。夫婦、互い別の物は全て同じアイテム箱に収容されどちらでも好きな時に使用可能になる。
現実内でも彼女のいない人達は、ゲームの世界で結婚をするのだがその道はつらく困難である。
結婚をする条件、現実世界では役所へ行き婚姻届を貰って必要事項を書いて提出すれば受理される。例えお互いの同意が無しでも可能になってしまう。
しかし、このAEOの世界では少々困難で幾つかの条件があり最後の一つが最大の難関――――――『天ゆく誓いの塔』の最上階に存在するボスを倒したドロップのアイテムでしか手に入らない『誓いの指輪』俗に現実世界では結婚指輪という代物。
これを嵌めた途端、互いの表示画面に結婚受理のメールが送信され初めて二人は公式に認められた夫婦となるのだ。
AEOの現在の総プレイ数は三十万ちょっと。対してこの中での夫婦数はなんと驚きの百組、二百人しか存在していない。公式ではない数を合計したり、重婚の数を合わせても恐らく五百人にも満たないであろう。
それくらい無謀な賭けの対象――――仮想空間内の結婚。
そんな無謀な挑戦を今、クリアした一組のカップルがいる。
AEO内屈指のプレイヤー、人呼んで『夜想曲』――――コウ。
AEO内屈指のプレイヤー、人呼んで『双炎の月姫』――――ルナ。
そんな二人は仕留めた『天ゆく誓いの塔』のボスを倒し終え、一段落していた。一段落しているのは、コウだけでルナは目を血走らせながら必死に何かを探している模様。
数分も経つとボロボロになりながら床の砂をかき分けて光る一つの指輪を見つけた。
「み、見つけた。コウくん、合ったわよ誓いの指輪!!」
「キタ――――――――――――――――――――――――――!!」
大声で叫んだかと思えば、コウはルナの方に走って行き、ルナはコウに抱きしめられる準備をするために目をゆっくりと閉じた。
が、しかし何時になっても抱きしめられる感覚のないルナはゆっくりと片目から開けていき周囲にコウが居ないのを確認する。
「あー、すげー綺麗だな。やっぱり地上から二百メートルも離れてると夜空の景色も変わって来るんだよな。俺、ここに来た甲斐あったわ」
ボスを倒したため外壁の脱走防止のシャッターがあがり、綺麗な夜空の星々が塔全域に広がっていく。そんな景色を見ながら天井の無い(最初はあったが、戦闘中に破壊)塔の最上階の床にゆっくりと腰を降ろした。
「ん? どうしたルナ、丁度いいからしばらくの間この景色見てようぜ。夜空ってやっぱ最高だよな」
「…………コ、コウくん?」
明らかに趣旨を忘れているコウに対して、怒りゲージが満タンのルナは優しく微笑ましくコウに声を掛ける。ゆっくりと近づいて行き、そしてコウの隣に腰を降ろした。
「もう嫌、コウはすぐ本題を忘れるから」
「忘れてないよ」
夜空を見ながら片手に握っている指輪をそっとルナの前に差し出した。
誓いの指輪。
ルナがGETした指輪と形質も形状も全て同じの同質のアイテム。
このために二人は苦労して百二十七階も駆け上がって来たのだ。
「どうした? ルナ」
「……だ、だってコウくん」
半泣きになりながらルナは自分の指輪を強く握りしめる。コウは指輪を持たない手でルナの涙を拭い取った。
「夜空ってさ、綺麗だよな」
「え?」
「あの星々の光は実は何千年前の光で、この地球に来るまでに何千年掛かって俺達にこうして穏やかな心をくれる。お前だってそうだ、きっと俺はお前だから、ルナだからここまで来れたんだよ。きっと」
互いの指輪を互いの人差し指に差し込む。
先ほどまで半泣きだったルナの表情も自然と明るくなっていった。
「私、仮想空間だけどコウくんを愛しているよ」
「俺――――――」
激しく、岩石が崩れ落ちる音が聞こえる。段々と近づいて行き、夜空を見つめる二人の元に一人の少女がやって来た。
「はぁ……はぁ……はぁ……流石に百二十七階を一人で来るのは困難だった」
AEO内時期最強ギルドマスター、人呼んで『蒼天なる星屑』――――ステラ。
「ス、テラ……?」
「お、お兄ちゃん! 早くそんな泥棒猫から離れて私と結婚しよう!!」
「何言ってるの、私とコウくんが最初に攻略したのよ。その権利はアナタには無いわ!」
「ふん、勝手に抜け駆けするアナタがいけないんだからね! その権利は無効よ、むこー」
「うふふ、冗談は休み休み言ったらどうかしらステラさん? そんなこと言っていると底なし沼で有名なカラプトピックの全長四十二メートルのカラプト沼に叩き落とすわよ?」
「ルナさんこそ、そんな舐めたこと言っていると飛行アビリティーで地上七千メートルから落としてあげるよ」
バチバチ、ビリビリ。
互いの視線から多大なるほどの殺気が感じられる。
流石のコウもこの言い争いには慣れてきた頃であるが、何分この二人が本気をだせば恐らく数十分でここら一帯は全て火の嵐になるだろう。そして運営からIDを剥奪されて最終的にはAEOに永遠ログインが出来ない状況になってしまう事この上なかった。
「どうやら口で言い争っていても何も解決しない様ね」
「はっ、はなからわかっていたよその位。私達みたいなSSランク者には殺し合いが一番モットーなんだよ」
互いに自分の最強の武器を取り出す。
丁寧に磨き上げられた外装、最高速度は秒速千メートルを軽く越し、最強改造されたその二丁の拳銃はコウですら若干危機感を覚えるほどの代物――――天地天命、空絶白狐。
「ふん、まだそのみみっちい銃使ってたの? これじゃ相手にならないよ」
「身の程を知りなさい、この腐れ『ピー』が」
ルナの言動に流石のゲーム内での規制がかかる。
この状態(放送禁止用語、故にコウでも言わない事)のルナはコウでも止められない。
「アナタのそのか細い剣なんて足で踏んづけただけで折れそうね」
「ぬぐぐ、その言葉そっくり返してあげるよ!」
刃先が一直線になっている直刀。故にリーチが長く、それ故にステラの攻撃速度と合わせればかなりの攻撃となる。コウですら戦いたくない代物――――天蒼、繭。
「そろそろ覚悟は出来たかしら?」
「そのままそっくり返してあげるよ、おばさん」
ブチッ! と今の発言で完全に堪忍袋の緒が切れたルナは表情を森の中にいる怪しいおばあさんのような顔をしながらステラを絶命させるといい、駆け抜けて行った。
銃声と剣の弾く音が交互に聞こえる最中、ゆっくりと壊れた壁に寄りかかり夜空を見るコウ。
「今日も月が綺麗だな……」
これから語るのは幾数ヶ月前の話。
昔はこんなにうまく言った話ではなかった。
ルナとも結婚相手ではなかったし、ステラともこんなに仲の良い家族ではなかった。
そんな話はさて置いて、ゆっくりとコーヒー片手に空を見上げたコウ。
短編二作を書きましてついに連載です。
ここで注意点。
過去編は基本的に三人称。
現在進行形の話は一人称となりますご注意ください。
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