1. HOME>
  2. 製品>
  3. 導入事例>
  4. BIG-IP>
  5. さくらインターネット株式会社

導入事例( BIG-IP )

インターネットサービス事業

さくらインターネット株式会社

ユーザ企業:さくらインターネット株式会社

顧客ニーズにあわせ 革新的なサービス提供に励むさくらインターネットクライアントの端末データ自動バックアップサービスの構築で10Gbpsの最大スループットを持つBIG-IP 8400を選択

課題
  • 定時アクセス時に集中するアップロードトラフィックを確実に処理できる高速なネットワーク構築
  • ハードウェアとしての動作だけではなくサービスレベルでの健全性をチェックする高度な状態管理機能
解決策
  • 10Gbpsインターフェイス、大量の同時接続セッション処理が可能なBIG-IPの最上位機種で高いパフォーマンスを実現
  • デバイス、アプリケーション、コンテンツの正常性をチェック可能な高度なBIG-IPのモニタリング機能でエラー発生サーバを回避
  • さくらインターネット株式会社
    サービス開発室 室長
    岡林 聖矢 氏
  • さくらインターネット株式会社
    ゲームネットワーク運用室
    村上 勉 氏

携帯端末やPCといった個人が利用する端末に保存されるデータ量は年々増加し、そのバックアップニーズが高まっている。さくらインターネット株式会社(以下、さくらインターネット)では、このようなニーズに応えるべく端末側に保存されたデータをセンター側に吸い上げ、保存するバックアップサービスを展開している。ユーザが端末を利用しない深夜時間帯に、自動的にバックアッププログラムを介してデータをセンター側にあげるため、一定時間に集中するトラフィックをも確実に処理できる高スペックのシステム、かつ安全性が求められた。そのネットワークの要として、同社が選択したのがF5ネットワークス(以下、 F5)のBIG-IP 8400だ。

高度なヘルスチェック機能と10Gbpsインターフェイス顧客データを預かるサービスの信頼性に必要不可欠な条件を備えたBIG-IPの最上位機種

膨大なアップロードトラフィックに耐えうるシステム設計

さくらインターネットでは、ハウジングやホスティングといったサーバを預かる事業のほかに、ASPサービスへと事業展開を行なっている。その中で新たに展開しているサービスが、端末データのバックアップサービスだ。

ブロードバンドの普及や携帯端末やPCなどの機能が日に日に進化を遂げている現在、ユーザが自身の端末上に保存し使用するデータ量も非常に増加しており、かつその重要性も増している。

このような端末自体に保存されたファイルをオンラインで送信し、データセンターで保存しておくことで、端末のトラブルでデータ紛失した場合にも、重要なデータを復元させることができる。エージェントをインストールして端末側に保存されたデータを深夜などの時間帯に自動的にバックアップさせることで、ユーザ側はバックアップ処理などの手間を意識することなく貴重なデータは安全にデータセンター側に保存され、必要なときにデータセンターからファイルをダウンロードすることができるというサービスだ。

この新サービス構築にあたり、さくらインターネットでは将来的な拡張性も見据え、高速かつ高度な処理能力を備える専用のネットワークセグメントを作ることになった。まず課題となったのが、アクセスの集中する自動バックアップ時間帯の膨大なトラフィック処理だった。想定されるサービス利用者数は将来的に数十万人規模となるうえ、ユーザが端末を使用しない時間帯を選ぶため、エージェントによる自動バックアップは深夜の特定の時間帯に集中させざるを得ない。自動バックアップが行われる時間帯には膨大なデータ量とかなりの数の同時接続セッションが発生することになる。

「使用帯域の面でももちろん心配はありましたがそこは広帯域を誇る自社のバックボーンで10Gbpsの回線を2本用意しています。そして次の課題はサーバへの負荷を分散させるためのロードバランサの選択。第一に10Gbpsのインターフェイスを持っていることと、大量の同時接続セッションを処理するパフォーマンスの高さを重要視しました。エージェントの自動起動により集中するトラフィックを、確実にさばける高速なロードバランサの導入は、サービス実現の必須条件でした」

10Gbpsクラスのロードバランシングを求めるに至った経緯を、サービス開発室室長 岡林氏はそのように教えてくれた。

ネットワークの要となる製品だからこそ、基本機能の高さが重要

このような要件に基づき、既に他ネットワークでの同社へのBIG-IP導入実績のある三井情報株式会社(旧:ネクストコム株式会社)とともに、今回も新たなネットワークセグメントの要として選ばれたのは、BIG-IPシリーズ最上位機種の8400だった。最も重視された処理速度については、10Gbpsの光ポートを複数利用でき、同時接続セッション数も圧倒的な処理能力を備えている。さらにパフォーマンスの高さと併せて注目したのが、BIG-IPの高度なヘルスチェック機能だったという。システムの運用に携わる村上氏は、ヘルスチェックの重要性を次のように説明する。

「私たちがお預かりするデータは、万一の障害時にデータを復旧させるための貴重なバックアップデータです。そのため、サービスを提供する以上通信トラブルやサーバのトラブルによるロストは、万にひとつも許されません。BIG-IPのヘルスチェック機能は、サービスの応答を確認したり、指定されたURLのレスポンスをあらかじめ指定した値と比較するなど、サービスレベルでの健全性をチェックすることが可能でした。そのため、100%の可用性が求められるサービスの運用には必要不可欠な機能だと思っています」

また、同社では既に他のサービスでもBIG-IPの稼働実績が複数あり、運用や可用性の面でも不安を感じる点はなかったため、他ベンダーの機種と比較検討することもなくBIG-IPが選ばれたという。村上氏は選定時のBIG-IPの印象を次のように語ってくれた。

「運用しやすいGUIと安心できる可用性の高さ、そしてサービスレベルを維持するために欠かせないヘルスチェック機能の豊富さ。こうした、いわばロードバランサの基本的な機能が磨かれ、そこに最新の10Gbpsインターフェイスが組み合わされた、非常にバランスのいい製品だと思いました」

柔軟なL7レベルの制御で将来的なサービス拡張も容易に

実際のネットワーク構成ではBIG-IP 8400を2台設置し、アクティブ−スタンバイの冗長化構成とした。BIG-IP配下にWebサーバ群、ストレージ群が接続され、サービスを提供する。サービススタート当初は単一のネットワークセグメントのみをBIG-IP配下に配置するが、今後は異なるネットワークセグメントをも同じBIG-IP配下に配置し、サービスの横展開をしていきたいという。

「今後さらに今回構築したシステムを複製していくことで、サービスをさらに発展させ、横展開を図れないかと考えています。そのとき、BIG-IPであればiRule機能を利用してHTTPのステータスコードをみて振り分けるなど、柔軟に制御することができると考えています。将来の拡張予定にも対応していけるBIG-IPの持つ高いポテンシャルも非常に気に入っています」

異なるサービスを提供する複数のネットワークセグメントをBIG-IP配下に設置しても、BIG-IPのiRules機能で適切なネットワークに振り分けを行い容易な構成で拡張を実現できる。サービスの横展開が容易になれば、ASPサービス全体の費用対効果も大きく改善され、より高品質なサービス提供に向けた注力が可能になるだろう。今後のASPサービス発展にも、BIG-IPの持つ豊富な機能群が寄与できる部分は多そうだ。

お問い合わせ
http://www.f5networks.co.jp/inquiry/index.html

カテゴリー内ナビゲーション

製品-PRODUCT

このページのトップへ