フクシマウォッチ:山口知事選、世論調査で反原発派候補が健闘


日本の地方選挙で再び原発推進派と反原発派の候補者が相まみえる。福島第1原発事故から現在までに行われた選挙はいずれも原発推進派が勝利したが、29日に行われる山口県知事選は、反原発派の間でとりわけ注目を集める選挙の1つとなっている。申し分ない経歴の新人候補がそろったことと、最近の世論調査で、わずかながら反原発派候補勝利の見込みが示されたためだ。

European Pressphoto Agency
7月、都内の首相官邸前で行われた反原発デモ

最近の世論調査によると、4人の無所属新人候補で先頭に立つのは元国土交通審議官で原発支持の山本繁太郎氏。それを僅差で追うのは、日本で最も著名な反原発派候補の1人で、選挙戦で勢いに乗る飯田哲也氏。だが、有権者の約半数はまだ投票態度を決めかねており、結果は依然予断を許さない状況だ。

山口県知事選は、政策見直しを迫られている原発問題に関する有権者の意見を見極めるための、いわば最新のリトマス試験とみられている。原発は、物議を醸している消費税増税よりもさらに国民の意見が割れるトピックだ。山口県知事選で原発問題に一段と注目が集まっている背景には、懸案となっている中国電力上関原発(山口県上関町)の建設計画がある。

福島第1原発事故後はいずれの地方選挙でも、各候補者の原発に対する姿勢に厳しい視線が注がれてきた。今月初めに行われた鹿児島県知事選では、原発再稼働を支持する現職の伊藤祐一郎氏が圧勝した。だが、ほかの選挙で勝利した原発支持派候補と同じく、伊藤氏も実績や知名度、選挙慣れした陣営など現職ならではの利点を武器に戦うことができた。昨年9月の上関市長選挙でも、原発推進派の現職候補が難なく勝利している。

山口県は長年「保守王国」と呼ばれ、自民党にとって頼れる右寄りの選挙区となっている。だが、原発という重要問題と4人の候補が争う選挙戦での飯田氏の台頭により、県の政治体制に変化が訪れる可能性がある。残る2人の候補は、前民主党衆院議員の高邑勉氏と元県職員の三輪茂之氏。

山本氏は自民と公明両党の推薦を受けており、当初からレースをリードしている。読売新聞の世論調査によると、山本氏は両党の支持層から強力な支持を得ており、自民党支持層の70%が山本氏に投票する意向を示している。

朝日新聞の世論調査では、山本氏がやはり先行しているものの、脱原発を訴える飯田氏が民主党支持層と無党派層の共感を得ており、それぞれの40%が飯田氏を支持するとしている。

だが同調査によると、有権者の約半数は投票態度を明らかにしておらず、情勢は変わる可能性もある。

いずれの調査も正確な支持者数や許容誤差は公表されていない。朝日の調査は電話による999人の有効回答を基にしている。読売の調査は対象人数は公表されていない。

だが恐らく両世論調査で明らかになった最も有意な数字は、朝日の世論調査の約71%という数字だろう。これは、上関原発建設に「反対」と回答した人の割合だ。

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    • 三重県の方にも味方が増えているようで、嬉しいです。流石に海洋発電100万Kwを100億円では作れないですが、5000億円は懸かりません。でも費用見積もりを出すのは、御法度です。(笑)「それは経営の企業秘密であってキミの関知するべきことではない!」って声が聞こえます。それはともかく…。
       いちど悪魔の契約書にサインしてしまうと、これは必ず実行されます。2・30年の快楽の後には20000年の地獄が待っているのです。伊方原発を見てください。40年経っても廃炉にはできません。原発で出した放射能廃棄物の行き場が無いのです。あのとき彼は「2・3年プールに浸けておけば大丈夫。何とか成る!?それより、いわしの人権の方が面倒だ!!」と云いました。これから伊方原発は発電量を徐々に減らして、2万年の長きに渡って地獄の契約に苦しみます。これが悪魔の契約です。まだ間に合うのなら、原発に近寄らないことです!!

    • おなじ出力100万キロの発電所を建設するなら、仮に100億の波力や地熱よりも、5000億の原発でしょう。
      で、このかかった費用は全額電力料金に転嫁されます。つまり原発が増えれば増えるほど電気量気は
      値上げされていきます。一般の企業は設備投資費をなるだけ抑えていかに利益を上げるか考えますが、
      電力会社は違う。とにかく高額な発電所をタクサン作り、あとは消費者に値段を転嫁するだけだから、
      まさにぼろ儲け。こんなカラクリで関連会社にお金がわったっていく。東芝の会長が0%15%非現実的なんて
      言ってるのは東芝自身が原発製造メーカーだからだ。だって高額の原発つくってもらわんと困るよね。
      そして三菱も同類。我々はこれら利権集団による電力利権の餌食にされてる事を民衆はいいかげん
      認識してほしいのだが・・・・・。

    • 原発を推進するもっとも大きな理由、癌のような最低最悪いや極悪醜悪な政府の電力政策による電力会社の
      地域独占・送発一体・電力会社特有の極悪会計総括原価方式だからだ。
      上記の三つを完全に破壊すれば、原発を作ろうなんて言う愚か者カンパニーはいなくなります。
      そしてまともなカンパニーが新規参入してまともな自然エネルギーを生産する発電所を建設し始めます。
      そして地産地消も増えてくるでしょう。波力なんかはまさにうってつけ。日本は海に囲まれてるので、
      どこでも発電できますし、波がまったくなくなるなんてことは内海でもない限りありえません。
      こういった大電力発電可能な自然エネルギー系は原発推進派にとっては邪魔な存在です。
      なにせ、高額な原発つくったほうが利益が上がるなんて極めてふざけた会計なんで、電力会社は。
      安くて大電力よりも高額な原発のほうが利益が上がる仕組みですから。

    • 悪の軍団ショッカーですか!?(笑)悪魔の手先ゼニクレージの原発推進派も、心の底は、苦しいのです。彼等はただ「ゼニ」が欲しかっただけで、鉄腕アトムの腹の中に「悪魔の原子炉」が入っていたなんて、夢にも思わなかったんです…。彼等は…。夢のエネルギーは太陽エネルギーだと教わったのです…。誰だってゼニクレージになんか成りたくない!!
       でもそのとき…。全てを知っている悪魔は、薄ら笑いを浮かべながら無邪気な子供たちを冷たく眺めていたんです。悪魔の契約書を懐に隠して…。正義のヒーロー!仮面ライダー!機動刑事ジバン!特捜ロボ/ジャンパーソン!正義の心を持つ男!たちに期待しています。今ここで「脱原発!自然エネルギー!!」を封殺したら、次のチャンスは、また20年後です。もうその時には(自分は)パワーを失っています。












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