牧太郎の大きな声では言えないが…:集団ネットいじめ?
毎日新聞 2012年07月24日 東京夕刊
「加害者親子共々逮捕してろう屋に入れとけよ。ああ、ついでに警察も一緒に入っとけ。そんで死ぬまで出てくんな」
聞くに堪えない文言が続く。
正義感の発露と思いたいが、これは“加害者”に対する集団「ネットいじめ」ではないか。
そればかりではない。自殺した中学2年に対しても侮蔑の言葉が出てくる。家庭を、学校を、地域を、中傷する。
匿名を盾にして集団で個人を辱める掲示板こそ、日常的に「いじめ」を繰り返す集団リンチではあるまいか?
この半世紀で、トゲトゲしい「物言い」が普通になった日本。
「いじめ」を憎む言葉が新しい「いじめ」を生む。第2、第3の自殺者が出なければいいのだが……。(専門編集委員)