憂楽帳:很好(ヘンハオ)

毎日新聞 2012年07月24日 西部夕刊

 博多・中洲の盛り場の外れで偶然入ったラーメン屋さん。「つけ麺」にした。「塩、みそ、しょうゆとありますが」。「塩を」。「塩が人気あります」。店を取り仕切る若い男性は、調子よく言うと、カウンターの隅に座った女性客と話しはじめた。二人は互いに中国語だった。

 最近、福岡の街でも中国語が耳に入る。クルーズ船の寄港も増え、天神地区での買い物に駆け回る中国人観光客のバイタリティーあふれる姿も目立つ。福岡市によると、中国籍の外国人登録者数は5月末で1万2384人で、10年前の1・5倍以上の伸び。大陸に近い国際都市・福岡の進化は次のステージに入ったかのようだ。

 さて、中国語が飛び交うラーメン店で、私も話したくなった。約30年前、第2外国語で習ったはずだが、頭に浮かぶのは「人民日報」とか、使えない単語ばかり。やっと「很好(とてもよい)」が浮かび、食べ終わって席を立つ際、彼に献上した。「よく知ってますね」。調子よく日本語で返され、話は終わった。わずか1往復。かえって自分の国際化の貧しさを感じ、寂しい気分で店を出た。【下薗和仁】

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