つなぐ 希望の木
災難を乗り越えてきた木々を、都内に訪ねた。
【社会】存続危機の神奈川フィル 債務超過解消へ経営改革2012年7月25日 11時06分 財政難で存続が危ぶまれている神奈川フィルハーモニー管弦楽団。来年十一月の公益法人への移行期限までに、巨額の債務超過を解消しなければならず、人件費を大幅に減らすなど、厳しい経営改革を進めている。十七日には、スイスのローザンヌ国際バレエコンクールで優勝した和光高校三年で厚木市在住の菅井円加さんと共演。各地のコンサートでも支援を呼び掛けている。 (新開浩) 「このままでは、神奈川フィルはつぶれます」。楽団の「応援団長」として、寄付金などの協力を呼び掛けている黒岩祐治知事は、楽団消滅の危機を再三強調する。 公益法人に移行するには、約二億円の債務超過を解消し、純資産三百万円を確保することが条件。達成できなければ解散となる。 ただ、楽団の評価が低いわけではない。月刊誌「音楽の友」が昨年春に行った好きなオーケストラの読者投票で、神奈川フィルは十一位。ベストテンに迫る支持を得た。 それでも財政が厳しいのは、一九九〇年代の赤字経営が原因。八九年から九八年までの間に、楽団員の人件費が二億円以上増え、三億七千万円に達した半面、事業収入は二億円台で伸び悩んだ。八九年に五千二百万円だった債務超過額は、九九年には約十倍の五億円に膨れ上がった。 その後、二度の大幅給与カットを経て、昨年度の人件費は二億七千万円に圧縮。県内各地のホールを巡回して地元ファンを開拓し、事業収入を四億円台に乗せた。債務超過は約二億円に減らした。 楽団の専務として改革を進めた大石修治さんは「それでも、まだ自転車操業。これだけ債務超過が多いと、銀行も金を貸してくれない。薄氷を踏む思いで経営している」と、気を引き締める。 経営改善に加え、楽団は五億円を目標に、来年七月まで個人や自治体、企業からの寄付金を募っている。十五日現在、寄付金額は九千百万円。債務超過解消への道のりは、まだ険しい。 (東京新聞) PR情報
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