ボクシングを取材して30年ちょっと。驚くことも多かったが、今月2日に行われた、大橋ジムによるアマ7冠・井上尚弥(19)の獲得記者会見にも驚きだった。大橋秀行会長は「彼は怪物。ボクシングで必要なセンスのすべてを備えている」と絶賛。そして10日の公開プロテストでは、日本ライトフライ級王者黒田雅之(川崎新田)との3回のスパーリングで、強打とスピード、コンビネーションを披露、会場を沸かせた。
日本人による世界王座獲得最短記録は井岡一翔の7戦目だが、大橋会長は「井上は6戦目で取ります」と強気だ。プロデビューもA級8回戦を予定。これは五輪代表からプロ入りして世界王座に就いた元WBCスーパーバンタム級王者ロイヤル小林(国際)、元WBAスーパーライト級王者平仲明信(沖縄)以来になる。相手には日本ランカーを予定している。
将来は複数階級制覇を目指し、ミニマムからスーパーバンタムまでを目標にする。大橋会長は「その時は“怪物”から“モンスター”になります」と期待する。デビューが待ち遠しい。 (格闘技評論家)
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