警察は23日、性犯罪を犯す恐れがあるとみられる2万人以上を対象に、一斉点検を実施すると発表した。また警察は済州オルレ(トレッキングコース)をはじめとする全国の主要な海水浴場や遊園地など、夏に全国から多くの観光客が集まる地域での警戒を強化することも発表した。ここ数日の間に慶尚南道統営市や済州道などで児童や女性が性犯罪の犠牲になるなど、悲惨な事件が相次いで発生したことが今回の特別点検のきっかけとなった。
警察はこれまで1-3カ月に1回ずつ「性犯罪予備軍」を対象に管理を行ってきた。しかしこれは「登録された住所に住んでいるか」「最近の動向はどうか」などについて、周辺住民から聞き取りを行う程度だったため「形だけの管理」といった非難が相次いでいた。そのためこの機会に改めて「特別点検」を実施する運びとなった。
実際に点検対象となるのは性犯罪の前科者が中心で、具体的には▲5年以上の実刑を受けてから15年過ぎていない者▲3年以上の実刑を受けてから10年過ぎていない者▲5年以内に性犯罪で3回以上立件された者-となっている。
警察は、警察署や交番勤務の警察官を現場に投入し、来月31日までおよそ40日間にわたり点検を行うという。警察はさらに、未解決となっている性犯罪事件の解決に向けて一層の努力を傾け、児童や女性が失踪するなどの事件が再び発生した場合には、凶悪犯罪に準ずるものとして初期段階から捜査本部と専門の捜査班を編成することにした。
済州オルレなど主要な観光地については防犯診断を実施し、各地域の実情に合わせた犯罪予防対策、検挙対策を取りまとめる。特に夏のバカンスシーズンに入ることから、観光地の周辺地域など死角になりやすい場所には機動隊やパトロール隊、警察官、地域住民による防犯組織などを総動員し、警戒を強化する方針だ。