何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
プロフィール
高木圭介
昭和44(1969)年6月4日、神奈川県川崎市生まれ。神奈川大学レスリング部を卒業後、1993年に東スポ入社。プロレス&格闘技、社会、レジャーなどを担当後、現在は特集部所属。 2006年10月、本紙携帯サイト「東スポ芸能」のスタートと同時に当コラムはスタート。2009年10月から晴れて、紙面でも連載開始。世の中の重箱の隅を愛する〝長期連載〟。
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355:銀河トリオの「でっぱつ」だ!
2012年05月18日

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         <2012年2月=東スポ携帯サイトより>


 2月22日、元フォーリーブスの北公次さんが亡くなった。享年63。

 1970年代を代表するアイドルグループ。現在42歳の私からすると、自分より少し上の世代のお姉さんたちが夢中になっていた記憶がある。

 パッと思い浮かぶ楽曲も「ブルドッグ」(この曲、有線の70年代歌謡曲のチャンネルで、やたらとかかっていた記憶がある)あたりなんだが、調べてみると「ブルドッグ」は、フォーリーブスの楽曲の中でも活動末期も末期のヒット曲なのだ。昭和42年デビューで解散が昭和53年だから、当時のアイドルグループとしては異例の活動期間の長さを誇ったことになる。

 フォーリーブス直撃世代よりもやや下。しかも男子である私からすると、フォーリーブスは「カリキュラマシーン」(昭和49年~、日本テレビ)に出演していたアイドルであり、あとは「でっぱつ」の歌を歌っていたグループとなる。

「でっぱつ」とは何か?

 それは70年代に東京12チャンネル、黄金の外国アニメ再放送枠だった「まんがキッドボックス」や「マンガのくに」の中で、何度となく再放送が繰り返された米国産アニメ「電子鳥人Uバード」(本放送は昭和46年、NET系)、さらにそのサブ番組である「銀河トリオ」の主題歌のことだ(当時の米国産アニメは、30分枠の冒頭と最後にメーン番組を放送し、間にサブの番組を挟んで放送する形式が多かった)。

 人気アイドルグループが、この手の番組の主題歌を歌うことが珍しかった当時、フォーリーブスは、その「電子鳥人Uバード」と「銀河トリオ」の両方の主題歌を歌っていた。このどちらも、妙に頭の片隅に引っかかる名曲なのだ。

 Uバードの主題歌は出だしの「♪ユーユーユー ユーユーユー Uバード~」の後に突然、「消えてもらいます」という不気味な台詞が入るのが、これが妙に耳に心地よかったりして、アニメの内容以上にインパクトがあったりする。

 そして問題は銀河トリオの主題歌に登場する「でっぱつ」だ。

「♪銀河銀河ギンギラギンギンギン~銀河トリオの出発だ」という能天気な歌詞なのだが、フォーリーブスは「出発」の部分を「しゅっぱつ」ではなく、「でっぱつ」と朗らかに歌っているのである。

 放送当時、歌詞の字幕にも「でっぱつ」とルビがふられていたから、決してフォーリーブスの面々が漢字を読み間違えたワケではない。

 出発を「でっぱつ」と読む。黎明期の和製ジャズメン発信による業界用語っぽい言い方だが、他ではあまり「でっぱつ」という読み方は聞いたことがない。相撲用語でもなさそうだし…。

 色々と調べてみると、「軍隊用語が起源」、「航空業界で浸透している出発とDepartureを引っ掛けた読み方」、「鉄道業界で出発と始発を聞き間違えないよう出発を〝でっぱつ〟と言うようにしている」など諸説が、まあ出てくる出てくる。

 われわれ新聞業界でも「朝刊」を普通に「ちょうかん」ではなく「あさかん」と呼ぶ習慣がある。これはまだパソコンどころかFAXもない時代、原稿を書き、電話にて原稿を読み上げて送信していた頃、単語の聞き間違えや混同を防ぐ意味で独自発達した読み方の名残だったりする。それと一緒なのか?

 それにしても、そんな謎が残る言葉を「分かりやすさこそが正義」とされる子供向けアニメの主題歌に採用してしまうセンスが素晴らしい。歌詞をメロディーに乗せるためならば「しゅっぱつ」でも「でっぱつ」でも一緒だというのに…。

 ちなみに銀河トリオの作詞者である島村葉二は、かの名曲「星に願いを」の日本語訳詩を担当した人物としても知られている。


ネタになる!!
えー!?異議あり!!





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