東方幻想郷 (天叢雲)
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二次ファンで書いていたものを東方一本にしたものです。序盤はかなり欝な展開が多くなりそうなので注意を。
其ノ壱
・・・俺、何かしたのか・・・。
ただ、毎日を無駄に過ごして、学校に通ったりしていただけなのになぜ・・・。
俺は殺された。
原因は親友だと思っていた奴に学校の屋上から突き落とされて即死。
ふわふわと身体が軽くなる感覚を感じると何かに引っ張られる感覚を感じた。
『ほっほぉ・・・これはまた面白い魂を見つけたの。どれ、妾がそなたの魂を救ってやろうではないか・・・』
そんな声を聞くと、俺は迫りくる暖かさと安心感に身を委ねた。
◆
「・・・きゅ?」
気が付いたらどっかの森で寝ていた。
・・・え? ナニコレ? なんかのドッキリかなんかか?
なんか地面はフサフサするし、周りを見ても木だけじゃなくて岩やらがあったりする。
俺は混乱していると、フサフサしていた地面がモゾリと動き、下を見てみた。
「・・・きゅっ?(白い毛布?)」
『おぉ。目覚めたか。我が息子よ』
「きゅきゅっ!?(な、なんだ!? 頭に声がっ!?)」
『これこれ。慌てるでない。妾はここじゃ。上を見上げるとよいぞ』
頭に響く声に従い、上を・・・上を・・・ゑ゛?
上を見上げると、そこには大きな、それはもう大きな狐の顔が見えた。
こちらをじっと見詰めており、微妙に見える後ろを見れば、二本の長い白い尻尾がユラユラと揺らいでいた。
・・・・・・ば、化け狐だぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
『誰が化け狐じゃ馬鹿息子よ。妾はそなたの母親なのだぞ?』
「きゅきゅっ!(というか! あんた俺が何を言いたいかわかんのか!?)」
『当たり前じゃ。妾はそなたの母親であり、あらゆる妖狐の頂点に立つ“天狐”ぞ?』
・・・お、おいおいおいおいおいおい! いまなんて言った?
“天狐”・・・? 嘘だろおい。伝承でしか語られないような神獣がなんでいるんだよっ!?
“天狐(てんこ)”
神獣の一体であり、狐が神格化した姿。
狐が千年生きると天狐になると言われており、尾の数は九本とも、四本とも言われている。
強力な神通力を持つとされ、千里眼で遠くまで見れるという規格外な狐である。
さらに天狐が二千年が過ぎ、3000歳になると、天狐から“空狐(くうこ)”になる。
空狐はあらゆる神通力を操り、妖力を操る力は天狐を超えると言われている。
追伸としては、天狐は妖狐の最上位とされ、空狐は二番目であり、そのまま気狐、野狐と下がる。
つまりは天狐はスゲーということである。
「きゅっきゅ〜?(あの〜? ちょーっと聞いてもいいですか?)」
『む? なんじゃ』
「きゅっ?(尻尾、四本ですか?)」
『妾か? 四本ではなく、十二本あるの』
ナ、ナンダッテー!!
十二本なんて・・・どんだけ生きてる上になんで増えてるんだよっ!?
普通は九本から四本、空狐で尻尾が無くなって神になるんじゃねーのかよ!?
『む。博識じゃの、そなたは。普通はそうなのだが、妾は全ての狐の祖での。つまりは妾は世界で初めての狐で天狐なのじゃよ。妖力も神力も有り余るほどあるわけじゃ』
「・・・・・・」
『後は、妾は生を受けてから七億を越えた頃じゃな。今年で七億百十二万七千二百十歳じゃ』
もうババアを通り越して生きた木乃伊(ミイラ)だな。この狐様。
『・・・・・・消してやろうかえ?』
「きゅ(さーせんした)」
母上の尻尾から黒い炎が出たので満足に動かせない身体で土下座した。
カモ君もビックリなチビ狐の土下座である。
・・・・・・ん? なんで俺、狐に?
『おぉ! すっかり忘れておったの! 今から説明するからの?』
「きゅ(お願いします母上)」
母上の説明によれば、こんな感じ。
最近は暇じゃのー。なんかないかのー。
↓
そうじゃ。新しい命を創ろう!
↓
ただ単に創るだけじゃ面白くないからとことん強くしちゃえ☆
↓
母上の膨大な妖力と神力、昔にいた人間の死体から霊力を抜き取って合成!
↓
器が完成。次に魂をどうかしよう!
↓
夢渡りをしている最中に死んだ俺の魂を発見、器にシュートッ!
↓
現在に至る。
『というわけなのじゃ。む? なぜそんなにうちひしがれてるのじゃ?』
てめーのせいだクソ狐。
・・・転生(?)できたのはいいが、これはないだろ・・・。
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