No.445717

東方司神録

りょうかさん

東方の世界に転生した男が、自由気ままに暮らすお話。簡単に言うとね。
注 主人公はチートではありません。バグキャラです。もう俺TUEEEEとかじゃなくて能力使えば誰も勝てません。なので戦いで能力をあまり使いません。それが嫌な人はプラウザバックを。


第二説→http://www.tinami.com/view/446685

2012-07-04 20:01:41 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:636   閲覧ユーザー数:575

今の社会において、『神』とは一体どんな存在であろうか。

この質問を道行く人に投げかけてみれば、多様な答えが出てくるであろう。

 

例をあげてみよう。

日常的に崇めるべき存在、など。

困ったときなどの自分にとって都合のよいときにのみ祈る存在、とか。

自分の願いを叶えてくれる存在、と。

 

このような色々な答えが出てくるだろう。

だが、こういう答えも中には出てくるのではないか?

 

 

 

 

 

 

 

『神』なんて実際には存在せず、人の妄想だ。

妄想とはつまり、人の勝手な思い込みによってさもいるかのように言われている、ということ。

何を馬鹿な、と言う人もいれば。それもそうだな、と納得する人もいる。

まぁ、実際に会ったことがないのだから、それも仕方ないことだと思う。

 

 

ちなみに、この俺はどう思うのかというと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンジルシカナイデスヨネー」

 

「転生させてやると言っているだろう。ああ?いいから早く転生したい世界選べコラ」

 

さっそくですが、俺は見知らぬ神に脅されてます。

 

 

…どうしてこうなった。

あ、別に最初の語りは別にそんなに深い意味はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東方司神録

 

第一説 『神、転生させてやる』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八月二十九日。

正午の一番暑い時間帯と言っても過言ではない2時30分のことである。

 

「あち~」

 

日光が容赦なく照りつける炎天下のなか、俺は高校帰りに汗を滝のように流しながら近所のスーパーというなの楽園を目指して歩いていた。

もう八月の終わりだというのに、この暑さはどうかと俺は思う。

ずっと外へいれば干からびてしまいそうだ。

それならば行かなければいいじゃないか、と思う人がいるかも知れないが、実家を離れて絶賛一人暮らしエンジョイ!中の為その作戦を実行してしまえば今日の晩御飯は水と冷蔵庫の中に唯一あったネギというお世辞にも豪華どころか食事とも言えなくなる。

俺はどこぞのボカロとは違いネギが異常なほど好きじゃない。ネギをおかずに…水をレッツ食事なんて変なまねはできないっていうかしたくない。

ということで、俺はスーパーを学校帰りに行くことにしたのだ。

 

「全く、こんな馬鹿みたいに暑い日に外でマラソンやるのもどうかしてるよな。お陰でシャツがべとべとだっつーの。せめて予告くらいはしろよなー」

 

今日の6時間目に突然あったマラソンのことを愚痴りながら、俺はただ足を動かす。

そして、歩き出してから十分後、ようやく近所のスーパーに到着。

結構古いスーパーで自動ドアとか外観とかボロいんだが、なにせ値段が安い。

俺はこの状況から逃げるように走るスピードを速めていき、走る。

前の人がいつものように自動ドアを開け、

俺はいつものように前の人に続いて店内へと滑りこんでいくーーー

 

 

「…は?」

 

 

込もうとしたのだが、自動ドアがいつまでたっても反応しない。

具体的に言えば、普通、人が近づけば閉まろうとしていたのが開くのだが何故か開かない。

俺の現在地、扉の目の前。

勢いの方向、店内。

当然、そのままの勢いでどんどんと閉まって行っている自動ドアの部分へ。

そしてそのまま左右からくる自動ドアの衝撃によって意識を失った。

 

 

意識を失う瞬間、俺が思ったのは一つのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(神様、そりゃぁねーぜ)

 

自動ドアに挟まれて死んでしまう。

間違いなく人生最大の汚点の称号は免れなかった。

まぁ死んだから人生も何もないんだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目をさましてみると、そこは知らない天井。

いや、天井なんかではなくそこは真っ白な空間(・・・・・・)であった。

他には何もなく、ただ白い。

 

 

「生きて…なかった」

 

一瞬意識があることに安堵してそう思うが、同時に自分の体を見て落胆した。

色素が薄い。おそらく霊体か魂だけなのだろう。

 

「目が覚めたか」

 

俺は見知らぬ人の声に気づき、声のした方向を見る。

 

そこには、金髪の男が腕を組んで浮いていた。

思わず、は?という声が漏れる。

 

 

「神に対して『は?』とは失礼だな貴様。地獄へ送ってやろうか?生憎地獄には知り合いの閻魔がいるのでな、俺は貴様を意外と簡単に遅れるぞ?」

 

少し怒気を含みながら神様は自称神様は言う。

とりあえず失礼なことをしたみたいなので、すいませんと謝っておく。

 

「自称ではなく、神だ。それにとりあえず、ではなくちゃんと心から謝れ。それが礼儀というものだろう?それともなんだ、お前は命を救われた人に返事だけの礼をするのか?」

 

「つまり、貴方さまが私を助けてくれたんですか?」

 

「いや違う」

 

「違ぇのかよ!無駄に敬語使っちゃったよっ!」

 

勘違いした俺は間違って神に敬語を使ってしまった。なんという不覚。

ちなみに日本語は少しもおかしくないぞ。神に敬語なんて使うほうが間違ってる。

 

「…そういえばなんで俺は神に呼び出されてんだ?」

 

「敬意を払え。全く…それは俺の部下が間違ってお前を殺してしまったからだ」

 

「やっぱりかよ。とんでもねぇな神の部下」

 

俺のこの言葉を聞くと、神の表情が目に見えて驚きの顔へと変わった。

 

「なんだ、知っていたのか?」

 

「知っていたも何も。死因がおかしいだろ。何自動ドアに挟まれて圧死って、何処の馬鹿だよ」

 

あきらかに死ぬときからおかしいと思っていたさ。

何せ自動ドアだぜ?

しかもそれが都合よく(・・・・)反応せずに

都合よく(・・・・)一番の力を出して俺を押しつぶしたんだぜ?

しかも老朽化でヒビだらけで脆そうだった自動ドアが、だ。

な、おかしいだろ?

 

「んで?死んだことには変わりねぇからな。生き返らせてくれるのか?」

 

「肉体がない、無理だな。生き返るのはあきらめろ」

 

「じゃぁどうするんだよ。これじゃぁ俺の怒りがおさまらないぞ?じゃぁとりあえずそのミスした奴連れてきてくれ。上に輪っかついてたらはぎ取るし、羽ついてたら毟り取るから」

 

割に合わん。

こっちはミスで死んだというのに何もなしとは。

せめてそのミスした奴を苛めたい。そうすればおそらく少しは晴れる。

 

「本当は面倒くさいのだがな…仕方ないか。お前には転生してもらう、××××」

 

最後、おそらく俺の名前の部分だけがノイズがかかったみたいに聞こえなかった。

…そういえば俺は自分の名前を覚えていない。

どういうことだ?確かに死ぬ前はちゃんとした名前があったはず。じゃなくてあっただろ普通。

 

「おそらく死んだ影響だろう。まぁ、とにかくそんなことはどうでもいい」

 

自分のこと以外はどうでもいい、といったような具合で切り捨てる神。

あと普通に心を読むのはやめていただきたい。

 

「とにかく先ほども言ったようにお前には転生してもらう」

 

「うん」

 

「…」

 

「…」

 

そして、気まずい雰囲気が流れ、冒頭へ至る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで冒頭の質問に改めて答えよう。

俺は神は都合の良い時のみ信じる存在ね。

 

「転生したい世界ねぇ…そんなもん特にないが」

 

「欲がない奴だな…それじゃぁこうして決めるか」

 

神がピッといった具合に右手の人指し指を上に降ると、何もないところから『転生BOX』と書かれた箱が出てきた。

さすが神。これくらいはおてのもと…間違ったおてのものってわけね。

 

「この中にたくさんの世界が入っている。まぁその中の全部が小説やマンガやアニメの世界だから、まぁ運だめしとでも思って引いてみな。知ってる世界が出るといいな」

 

選ばせてくれないのね…と心の中で苦笑いをし、俺はBOXの中へと手を入れる。

そして、適当に球を一つつかむと、それを引っ張り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その球には、『東方project』と書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

「決まりだな。お前の転生する世界は『東方project』の世界だ」

 

「お、知ってる世界じゃねぇか」

 

このゲームはなかなか好きで、俺は出ている奴全てやったことがある。

…まぁやったことがあるだけでクリアはしてないところがミソだね。

だってEXボスが鬼畜すぎるんだもの。

 

「それじゃぁ、3つくらいならお前の願望をかなえてやろう」

 

「え、マジ?そんじゃぁ…」

 

俺は頭の中で少し願いを考えて、神へと言った。

 

「妖怪に合わず平和に暮らしたい、会ったとしても逃げれるくらいの素早さがほしい、あとはーーー」

 

「意外と願望の規模が小さいな…」

 

俺の願望を訊いて落胆したのかは知らないが、神がため息を吐く。

なんだ、悪いか。

 

「うるせぇ。俺は平和に暮らせればいいんだよ。平和に生きて、死ぬ。それが俺の望む人生だ。まぁ退屈はしないはずだろ。こんな生き方しても」

 

「退屈はしないが、面白みがないな」

 

「ほっとけ」

 

と一つは何にするかね。

…そうだ。

 

「餓死はやだからな。食べ物を創造する力で。頼むぞ、失敗したら恨む」

 

「あーあーわかったわかった。ほれじゃぁ行って来い」

 

半ば適当に神が承まった。

そう言って神が右手を振ると、俺の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ククク…」

 

男がいなくなった場所で、神は笑う。

 

「ずいぶん生意気な人間だったな。それに願いが後ろ向きとは…なかなか面白い奴だ」

 

そういうと神は右手を振る。

何もないところから、羽を生やし、頭の上に輪がある人間ではない『モノ』が現れた。

 

「お呼びですか」

 

「そうだ。あの男が出した願望を全て変更だ」

 

そして神は勝手に男の願望を変えた。

 

「さて、あいつはこれでどうやって『平和に』暮らすのか、楽しみだ」

 

まぁ無理だろうがな、と言うと神は高らかに笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が目覚めた時は、知らない天井ーーーーなんてことはなく、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

知らない景色であった。

それもそのはず、そこは真っ暗であった。

光一つ見えず、光一つ届かない。

そう、それはまるで、

 

「おいおい・・・『宇宙』からスタートなんて、冗談じゃねぇぞ」

 

そこは、まだ惑星、星、なにひとつ存在しない原初の宇宙であった。

 

 

 

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