【要請文】東京でのレンジャー訓練中止を

2012-05-25
【要請文】
東京・板橋、練馬区での陸上自衛隊レンジャー訓練市街地行進の中止を求める請願書


田中防衛大臣殿

2012年5月22日
日本平和委員会
東京平和委員会

 練馬駐屯地(東京・練馬区)に配備されている陸上自衛隊第1普通科連隊は、6月12日朝8時30分~12時、東京・板橋区の荒川戸田緑地から練馬駐屯地までの約7キロの市街地でレンジャー訓練における行進訓練を実施することを、両区に通知している。
 通知された実施計画の概要によれば、30人の隊員が小銃及び銃剣を携帯し、迷彩作業服を着て顔料を塗布し、東富士演習場からヘリコプターで荒川戸田緑地に降着したあと、2列の隊列を編成して徒歩行進訓練を実施するとしている。
 防衛省は、この訓練が約3カ月に及ぶレンジャー教育訓練のうち、基礎訓練の後に行われる「行動訓練」の一環であることを認めている(5月21日の田村智子参議院議員へのレクチャーで)。
 陸上幕僚監部作成の「レンジャー教育の参考(案)」(昭和50年4月)によれば、「行動訓練」とは、「レンジャー教育の主体をなすものであり、各種状況における潜入・襲撃・伏撃離脱などの要領を体得するとともに強靭な体力及び不屈の気力を練成することを目的とする」ものである。それは選抜された隊員を極限状況においこみ、その中でも戦闘任務を遂行できるよう鍛え上げることを目的としている。だからこそ、この訓練は死亡事故もふくむ事故を多発させている。事実、前記文書には、「レンジャー教育は、危険な科目を含み、かつ体力・気力の限界においても実施する場合が多く、過去に多くの事故を発生している。特に行動訓練においては疲労、睡眠不足及び飢餓の著しい中にあって、実践的に実施するため、人命にかかわる事故を生ずる恐れがある」と明記されている。訓練課目には、「格闘」「地図判読」「破壊」「水路潜入」「空地協同」「生存技術」「山地潜入」などもふくまれている。
 このような過酷な戦闘訓練を受けて心身共に極限状況においこまれた兵隊たちが、銃や銃剣をもち迷彩を顔面にまで塗布し、通勤通学時間帯から買い物客でにぎわう正午にかけて、工場や家屋、商店が立ち並び、保育園や学校、公園、病院、老人施設なども多数ある人口密集地で行進訓練を行おうというのが、今回の計画である。それは普通の市民感覚では到底考えられない常軌を逸した計画であり、市民に大きな不安や衝撃を与えるとともに、不測の事故の危険をもたらすものである。
 これだけの人口密集地店でのレンジャー市街地行進訓練は、全国的にも例のない異常な計画である。このようなことを許せば、全国のどんな市街地でも、レンジャー訓練など、実践的戦闘訓練が大手を振ってくりかえされることになりかねない。
 そしてこうした首都東京での異常な計画が、政府が「動的防衛力」の名で自衛隊のアメリカの戦争への参戦体制を強め、自衛隊を「国防軍」とするなどの憲法改悪の動きが強まるもとですすめられていることを、私たちは強く危惧するものである。
 私たちは、以上のような点から、以下のことを求めるものである。

1、今回の人口密集地、商店街でのレンジャー訓練市街地行進計画を中止すること。
2、全国でのレンジャー訓練市街地行進訓練の実施状況を明らかにすること。今回のような人口密集地・商店街での同様の訓練が行われた事例が全国に存在するのか、具体的に明らかにされたい。
3、今回の訓練について、該当する板橋区、練馬区には通知のみがされているが、本来なら、実施にあたり、該当自治体や町内会の了解が必要ではないのか。該当自治体や町内会が計画の中止や変更を求めた場合には、それに従うのが当然と考えるが、いかがか。回答されたい。

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【要請文】東京・板橋、練馬区での陸上自衛隊レンジャー訓練市街地行進の中止を求める請願書田中防衛大臣殿2012年5月22日日本平和委員会東京平和委員会 練馬駐屯地(東京・練馬区)

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