裁判員裁判の量刑評議のあり方について司法研修所が報告書
裁判員裁判の量刑評議のあり方について、最高裁判所に設置された司法研修所が報告書をまとめ、死刑事件について、「重大な問題こそ、国民の意見を反映させることが必要」などと指摘した。
報告書は、裁判員裁判を担当した裁判官などでまとめられ、世界的に死刑廃止国が増加する一方、日本はオウム真理教による一連の事件を転機に「厳罰化」の傾向にあるとしている。
そのうえで、死刑を求刑された事件について、裁判員が判断するのは極めて困難であるものの、重大な問題こそ国民の意見を反映させることが必要で、裁判員自身も過去の事実を理解して意見を明確に述べることが求められるとしている。
性犯罪事件などで、裁判官と裁判員で量刑判断が異なることについては「裁判員の意見が反映され、制度の趣旨に合致する」とした一方、裁判員の疑問について、裁判官が適切に説明できるかが公正な刑を決めるのに大切なことだと指摘した。
報告書は今後、現場の裁判官の指針になる見通し。