韓国の市中銀行は昨年1年間で39兆3000億ウォン(約2兆7000億円)の金利収益を上げた。金利収益以外の利益は8兆3000億ウォン(約5600億円)のため、銀行がいかに金利収益に依存しているかが分かる。
銀行が不当に金利を上乗せすることで、高収益を上げている実態が監査院の調べで明らかになった。少額融資だから、返済期限を延長するからといったさまざまな理由で上乗せされた金利は、3年間で20兆4000億ウォン(約1兆3800億円)に上った。負担増の内訳は企業が16兆6000億ウォン(約1兆1300億円)、家庭が3兆8000億ウォン(約2600億円)だった。
監査院によると、市中銀行による加算金利は、金融危機以前(2003年1月-08年9月)には平均1.73%だったが、金融危機以降(08年10月-11年12月)には2.57%に達した。このほか、銀行の支店長による裁量で加算される「専決金利」でも3年間で1兆550億ウォン(約710億円)の利益を上げていた。
しかし、そうした実態を監督すべき金融委員会と金融監督院はしかるべき役割を果たしていなかった。銀行は監査院の指摘に対し「金融危機以降、不渡りリスクが高まったことや、さまざまなリスク費用を計算に入れず、一方的に誇張して算出したものだ」と反発している。市中銀行幹部は「加算金利のうち大きな割合を占めるのはリスクプレミアム、流動性プレミアムだ。世界的な金融危機で不渡りリスクが高まったほか、長期・短期の金利差が拡大したことによるコストが反映され、加算金利が上昇したものだ」と主張した。
■学歴による差別
監査院は銀行が金利を決定するプロセスのうち、時代にそぐわない点を指摘し、是正を要求した。監査院に摘発されたA銀行は、融資審査で学歴に最も高い配点(54点)を行う独自の信用評価モデルを使用している。修士・博士号取得者には54点満点を与える一方、高卒以下には13点しか与えない内容だ。学歴が低いと、所得水準や資産規模とは無関係で融資を断られたり、高い金利を適用されたりする。
実際にこの銀行は、最近4年間に信用度が低いという理由で4万4368件の新規融資を拒否した。このうち、学歴を理由とする拒否が32%に当たる1万4138件、融資申込額にして1241億ウォン(約84億円)に達した。