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【プロ野球】震災から500日 畠山が故郷弾2012年7月24日 紙面から ◇マツダオールスターゲーム2012<第3戦> 全パ6−2全セ
故郷の歓声に後押しされたヤクルト・畠山の打球が右翼スタンドに吸い込まれると、この夜一番の大熱狂となった。岩手県花巻市出身。みんなが期待していたホームランを持ち前のフルスイングで放った。ご当地のヒーローは夢心地でダイヤモンドを1周した。 「方向が方向だったので、届くかどうか半信半疑でしたが、岩手の声援が一押ししてくれました」。4回先頭の第2打席。塩見の初球を引っ張ったホームラン性の打球は左翼ポール際へのファウルで、大歓声の後にため息が。「もう1回、スタンドを沸かせようと切り替えた」。5球目外角高め直球を今度は右方向にぶち込んだ。 舞台の県営岩手は原点の場所。専大北上高時代に3年連続で夏の岩手県大会決勝を戦っている。「うれし涙も悔し涙もいっぱい流した。そんな思い出がある球場で打てたのはうれしい」。全セ監督の中日・高木監督からは「きょうはフルで行くぞ」と声を掛けられ、気持ちが高ぶった。スターぞろいの顔触れで『4番・一塁』に起用され、自分がファンに見せられるものは何か自問自答。全球フルスイングを胸に誓った。 「腰が抜けそうになったスイングもあった。いつもより120%の力で振った」。ファウルも空振りも含め4打席、入魂の全13スイング。2安打1本塁打で敢闘選手賞を手にした。スタンドに呼んだ実家の畠山ファミリー7人、そして岩手の人々に、最後まで力を出し切る姿を見せた。 若手時代は練習嫌いで有名で、長い2軍暮らしで心が折れた時期もあった。今やセの4番として凱旋(がいせん)して放った恩返し弾。「とにかく特別な思いで臨んだ。地元へのメッセージ? 届くように打ったと思います」。東日本大震災から、ちょうど500日。復興はまだまだ道半ば。挫折も知る苦労人がフルスイングに込めたメッセージは、しっかり届いたはずだ。 (中谷秀樹) PR情報
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