●ネットから妨害(ぼうがい)や泥棒(どろぼう)をするの
◇ののちゃん 先生、学校のホームページが見られなくなってるよ。これはサイバー攻撃(こうげき)に違いない!
◆藤原先生 校長先生がパソコンの操作(そうさ)を間違(まちが)っちゃったんだって。でも、サイバー攻撃なんて難(むずか)しいことばをよく知ってるわね。
◇のの ほんとはよくわかんないんだ。サイバーって何(なん)なの?
◆先生 インターネットの世界(せかい)のことね。ホームページや電子(でんし)メールもそうだけど、それだけじゃないの。今(いま)は身(み)のまわりのいろんなものがネットでつながってるでしょ。
◇のの お兄ちゃんもゲーム機(き)でネット対戦(たいせん)してるよ。
◆先生 銀行(ぎんこう)のお金の出し入れが、パソコンやスマートフォンでできちゃうのもそうね。銀行だけじゃなく、交通機関(こうつうきかん)や電力設備(でんりょくせつび)などもネットを利用して管理(かんり)されているから、攻撃を受(う)けると公共機関にも影響(えいきょう)が出るかも知れないの。
◇のの 攻撃って何(なに)をするの?
◆先生 ネットから大量(たいりょう)のデータを送(おく)りつけて、使(つか)えなくするのが一(ひと)つね。お店(みせ)に大勢(おおぜい)のお客(きゃく)さんが一度(いちど)に押(お)し寄(よ)せて、ぎゅうぎゅう詰(づ)めでどうにもならなくなる感(かん)じかな。コンピューターにウイルスを忍(しの)び込(こ)ませて乗(の)っ取(と)ったり、大事(だいじ)な情報(じょうほう)を盗(ぬす)んだりするという手もあるわ。
◇のの 犯人(はんにん)はどんな人(ひと)たちなの?
◆先生 面白半分(おもしろはんぶん)でやってる人や、中(なか)には国(くに)や会社(かいしゃ)の秘密(ひみつ)を盗み出したり、妨害工作(ぼうがいこうさく)をしたりする、スパイみたいな人もいるようよ。日本(にほん)でも国会(こっかい)や防衛関係(ぼうえいかんけい)の会社が、狙(ねら)い撃(う)ちされたってニュースがあったわね。
◇のの スパイ映画(えいが)みたいだね。
◆先生 ウイルスを使って核施設(かくしせつ)を誤作動(ごさどう)させる攻撃もあって、国と国の戦争(せんそう)のようなことまで起(お)きているらしいの。
◇のの 防(ふせ)ぐ方法(ほうほう)はあるの?
◆先生 攻撃を受けても大事な情報は盗み出されないような、二重三重(にじゅうさんじゅう)の仕組(しく)みが必要(ひつよう)ね。
◇のの 私(わたし)たちにも何かできる?
◆先生 まずはパソコンの安全対策(あんぜんたいさく)のために、ソフトのアップデートは必(かなら)ず反映(はんえい)させること。ウイルスや不正侵入(ふせいしんにゅう)の対策ソフトを使うことも大切(たいせつ)。パソコンがウイルスに感染(かんせん)すると、外から勝手(かって)に操作されて、攻撃に利用(りよう)されちゃうこともあるのよ。
◇のの 知らないうちに悪者(わるもの)の仲間(なかま)にされちゃうのはいやだな。
◆先生 そのためには、町(まち)の中で雰囲気(ふんいき)の悪い場所(ばしょ)には行(い)かないのと一緒(いっしょ)で、ネットでも怪(あや)しげなホームページには近寄(ちかよ)らない。パスワードは他人(たにん)に教(おし)えたりしない。そんなルールを守(まも)って使うことが大事ね。
◇のの お兄ちゃんがネットをよく使ってるから、教えてもらうよ。
◆先生 先生も、ショッピングをしたり友達(ともだち)と情報交換(こうかん)したり、ネットは毎日(まいにち)使(つか)ってるわ。ネットは上手(じょうず)に使えばすごく便利(べんり)なものだからね。
(取材協力=株式会社ラック・西本逸郎専務理事、構成=平和博)