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更新日:
2012年7月23日

かだ便り

日々の出来事の中で感じたことを私自身の言葉で皆さんにお伝えしていきたいと思っています。
お読みいただいたご感想やご提案はどうぞ「知事への手紙」 でお寄せください。

嘉田由紀子

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 平成24年(2012年)7月18日(水曜日)

朝から知事室でいくつかの協議を済ませた後、全国知事会議が開かれる香川県高松市へ向かう。

高松までは、新幹線とJR線を乗り継いで約2時間。今日は「アートの島」として名高い直島のまちづくりについて、現地視察をさせていただきました。高松から船で直島へ。まず、安藤忠雄氏の設計による「地中美術館」を見学。自然公園である直島に高い建物がつくれないということで、土の中に隠しこんだ美術館を安藤氏が企画。モネの睡蓮など3つの作品展示を最初から計画し、土中にコンクリートうちっぱなしの建屋を埋め込み、作品の上からは自然光で演出する、という企画。いずれの空間も見事に演出されて感動的な場面でした。その後、島の集落に残る古民家などを改築し、建物そのものを作品とする「家プロジェクト」の現場を見せていただきました。古民家を修築し、水が張られた座敷に光る文字が浮かびあがる空間など意表を突く意外な美しさです。最後に、福祉施設に移動し、瀬戸内国際芸術祭の総合ディレクター、北川フラムさんのお話を伺いながら、直島小学校の子どもたちと陶芸の作品づくりに挑戦しました。島のあちこちに草間彌生さんなどによるオブジェが点在して、島の風景に溶け込み美しい。

SANAAの妹島さん、西沢さんの「海の駅、なおしま」の建物も直線的であえてか細く表現されたのか、すっきりしています。

安藤さんなどすでに確立した建築・美術家が表現する島の南端部のアート空間と、旧集落の空いた民家を活かした表現。最初によそから運び込んだ美術の世界と旧集落をつなぐ仕組みなど、時間をかけた統一的戦略がいかに可能となったのか、プロジェクトを中心になって進めてこられたKさんに伺いました。直島は教育企画会社であるベネッセが1980年代に子どもの生きる力を育むためのキャンプ地として買い求め、1992年のちょうど7月にベネッセハウスミュージアムが開館し、泊まれる美術館として発信しはじめてからちょうど20年。年間50万人もの人たちがこの島を訪れる、そのうち2割は外国人、特にフランス人とアメリカ人が多いという。今日も何組も海外からの方たちにお会いしました。その秘訣のひとつはKさんはじめ主要メンバーが一貫して責任をもって挑戦してきたその人事配置にありそうです。民間企業としての自由度もあります。滋賀県として、今後「美の滋賀」をどう発信していくのか、琵琶湖は瀬戸内海にまさるとも劣らない自然の力があります。おおいに参考となる視察でした。(かだ)

 平成24年(2012年)7月17日(火曜日)

午前中、6月に新たに就任された、西日本高速道路株式会社の山中会長、石塚社長が挨拶にお見えになる。今後進められる新名神高速道路の大津〜城陽間の建設に関して意見交換。県としても地元説明などご協力させていただくことをお約束しました。

その後、定例記者会見に臨む。「小沢新党」や、全国で順次開催されている国のエネルギー・環境会議の意見聴取会、いじめ問題などに関してのご質問にお答えする。

お昼前、甲賀市長、同市議会議長、同市教育委員会教育長が来訪。県立高等学校再編に係る信楽高等学校の在り方について、具体的な提言をいただく。特に「陶器の里」として長い歴史を持つ信楽で、「地域という校舎で育つ」子どもたちを県内だけでなく県外からも受け入れ、地域として宿舎などを提供し、地元の伝統工芸士などを学校に派遣するなど、まさに「学社連携」で高校生を育てていきたいという大変前向きなご提案をいただきました。

午後、明日から出席する香川県での全国知事会議、来週の皇太子殿下行啓の件の事前打合せや、旧RD最終処分場の二次対策などについて内部協議。

夕方、京都信用金庫の小倉滋賀本部長が就任挨拶のため来訪される。(かだ)

 平成24年(2012年)7月16日(月曜日)

今日は、終日、外部リンク県立安土城考古博物館開館20周年を記念した、湖上フォーラム「天智天皇・信長の大船 そしてうみのこ」に出席。

会場は、琵琶湖汽船さんの「ビアンカ」船内。朝10時に大津港を出港し、琵琶湖一周クルーズを楽しみながらのフォーラムとなりました。

私からは「琵琶湖曼荼羅―今だから琵琶湖 人と自然の絆の再生に向けて―」と題してのオープニング講演をさせていただく。琵琶湖盆地は水の小宇宙、山の上の一滴の雨水が森をぬけ、川を流れ、田を潤し、琵琶湖へ到達する間にいかに多様な水神の姿となっているか。その行き着く先が「天台薬師の池」ともいわれる琵琶湖であり、琵琶湖からの「湖中出現の薬師如来」が人びとの信仰の対象となる。白洲正子さんが、なぜ近江に惹かれたのかなどを含め、外来信仰である仏教を、基層の神観念に習合させることで、神と仏が住まう近江が生まれてきたストーリーを語らせてもらいました。あわせて、近江の風水が、いわば琵琶湖モデルといった形で、東叡山寛永寺を比叡山、不忍池を琵琶湖、弁天様を竹生島の弁財天、赤坂山王さんを日吉神社に見立てた江戸幕府初期の江戸の町づくりの基層となったことなども紹介しました。

その後、県内の各地の博物館学芸員が、「船」を共通テーマに、それぞれの知識と経験を基に見事な深まりのあるわくわくする発表をしてくださいました。

県内外から130名を超える参加者があり、近江、琵琶湖の語りつくせない物語を秘めた神秘の水景と、奥深い歴史・文化を知っていただく、大変良い機会になったことと思います。空がぬけるように青く、山並みも美しかったです。すばらしい企画を考案し、実現してくださった関係者の皆さんに感謝します。(かだ)

 平成24年(2012年)7月15日(日曜日)

「もったいない(M)・おかげさま(O)・ほどほどに(H)」をテーマにしたミニコミ誌「MOH通信」の誌上対談を旧大津公会堂でおこなう。「滋賀県の新しい産業と持続可能な暮らし」をテーマに、文化人類学者の辻信一さん、新江州株式会社の森建司会長と意見交換。進行は滋賀県立大学の上田洋平研究員が務めてくださいました。今、若い人たちがこれまで見捨てられていた農山漁村や昔ながらの町に戻りつつある。人びとの願いと思いを都会へかりたててきた一方的な向都離村のベクトルがあきらかにかわりつつある。そんな若い人たちのエネルギーを滋賀県各地のコミュニティや中小企業等がいかに受け止め、新たな挑戦をしているかを具体的に話し合いました。内発的発展といえる未来にむけた新しい地域成長のモデルについて、思う存分、お互いにぶつけあうことができ、大変楽しい対談でした。

その後、情報の提供と参加者による対話を重ねながら、県民の皆さんに各自のご意見を形成していただき、その声をお伺いする「滋賀の未来のカタチ 県民対話−対話型アンケート−」へ。県政世論調査は1回限りの意見を調べる調査で、なぜある人たちがある意見をもっているのかをなかなか掘り下げられません。今、人びとのニーズも多様化し、効果的な政策を生み出すにはかなり深い背景分析が必要となります。そこで、「討論型世論調査」の考え方を下敷きに、駒澤大学の柳瀬昇准教授にご指導いただいて、滋賀県独自に「対話型アンケート」を工夫しました。まず最初のアンケートは300名を超える県政モニターにお尋ねしました。その中から本日は希望者73名にお集まりいただき、第2回目のアンケートをお願い。その上でグループ討議をして、専門家のお話をうかがい、3回目のアンケートを行って、その間にひとりひとりの意見がどう変ったかを分析するものです。今日は、専門家として、関西学院大学の林宜嗣教授と、立命館大学の村上弘教授のおふたりに参加いただき、関西広域連合や道州制についての意見をぶつけていただきました。大変刺激的で、参考になりました。今後の分析結果をみて、政策への反映も考えていきたいです。(かだ)

 平成24年(2012年)7月14日(土曜日)

公務はありませんでした。(かだ)

 平成24年(2012年)7月13日(金曜日)

午前中、7月27日から開かれるロンドンオリンピックの陸上競技女子棒高跳に出場予定の我孫子智美選手が、母校である光泉高校の恩師で現在も専任コーチをされている田尻先生や、現在の所属先である滋賀レイクスターズの坂井代表などといっしょに訪問くださり、激励会を開きました。先月9日の日本選手権では日本新記録の4m40cmを見事に跳躍し、ロンドンの切符を手にされました。選手権で使われた実際のポールをもってきてくださり、その使い方を教えていただきました。これまでの大会での汗がしみこんだポールをさわらせてもらい感激しました。ロンドンには、しなり方や長さなどが異なる8本のポールをもちこんで競技に臨まれるということです。

午後から、第2回滋賀県節電対策会議に出席。関西電力株式会社滋賀支店から、今後の電力需給の見通しについて情報提供いただくともに、今夏の節電目標の見直しについて県から報告を行う。その後、各事業所での節電対策について、JR西日本などの取組を紹介いただき、情報交換を行う。この会議の今後のあり方をはじめ、原子力エネルギーへの姿勢や中長期的エネルギーのあり方などについて、様々な重要なご意見をいただき、大変参考になりました。

夕方、県立高校の生徒が傷害容疑などで警察に逮捕されたというニュースがはいり、教育長などと緊急に協議を行う。(かだ)

 平成24年(2012年)7月12日(木曜日)

午前中は資料整理など。

午後から、「近畿母子生活支援施設研究大会」の開会式に出席。開催県の知事として祝辞を述べさせていただく。近畿2府4県の母子生活支援施設の関係職員や母子福祉・児童施設に関連する行政職員約100人が参加され、今日と明日の2日間、施設運営についての取組や研究発表、情報交換などをしていただきます。

その後、県庁に戻り、8月29日から開催される「ロンドン2012パラリンピック競技大会」にセーリング競技の日本代表として滋賀県から出場される西山克哉選手にお越しいただく。西山選手は、湖南市在住で、セーリング競技歴わずか1年半での日本代表入りをされました。大会でのご活躍を期待し、激励の言葉を送らせてもらいました。

夕方から「医療福祉・在宅看取りの地域創造会議」の第9回ワーキンググループ会議に出席。昨年8月に、県内の医療福祉関係者等が滋賀県の医療福祉・在宅看取りについて、それぞれの現場で考え、実践していく「自覚者の集まり」として民間主導で設置していただき、これまで8回のワーキングで議論を重ねていただきました。今日は、「医療と介護の連携」「死生観」「人材育成」の3点についてグループにわかれて議論し、来月25日の総会にむけて論点整理をしました。医師、保健師、介護ヘルパー、民間介護団体や行政など、地道に活動する実践家の言葉や経験に教えていただくことが多いです。(かだ)

 平成24年(2012年)7月11日(水曜日)

県議会本会議に出席。6月19日に開会した6月定例会の最終日でしたが、提案したすべての議案について、議決いただきました。(かだ)

 平成24年(2012年)7月10日(火曜日)

午前中、定例記者会見。私からは、知恵だし汗かきプロジェクトの「フクロウ先生の森・守塾」と、7月15日に予定している「関西広域連合における国の出先機関改革への取り組み」と「滋賀県の将来のあり方」に関する対話型アンケートの実施についてお知らせする。「フクロウ先生の森・守塾」は、県民の皆さんに土石流の恐ろしさと健全な森林によるダム機能を模型により視覚的に理解してもらう取組。対話型アンケートは、討論型世論調査の手法を参考に県民の皆さんの意向をお聞きする新しい取組。

会見での質問としては、大飯3号機がフル稼働して節電目標を「10%以上」に引き下げたことについてのコメントのほか、大津市の中学2年生が自殺した問題にかかわり、昨日、「大津市内の中学校に爆弾を仕掛けた」という脅迫状が届いたことについての感想を求められ、大変憂慮していることをお伝えする。

午後から、県庁本館の正面玄関前にて、滋賀日産自動車株式会社代表取締役社長の大江伸夫さんから電気自動車リーフを寄贈いただく。環境配慮型車両の売り上げ高の一部を、車として寄付いただくものです。フル充電で200キロの走行距離があり、また車体デザインも爽やかです。公用車として活用させてもらいます。

その後、イオンリテール株式会社の皆さまにお越しいただき、イオン株式会社と県との包括的連携協定の取組について報告いただく。「たんぼのこ体験事業」により県内小学生が育てたお米約2610キロをイオンの物流網を利用し、東日本大震災の被災地である福島県の小学校へ届けていただくなど、様々な連携事業をこの1年間で実施していただきました。(かだ)

 平成24年(2012年)7月9日(月曜日)

朝から滋賀県PTA連絡協議会の役員の皆さんの訪問をお受けし、今年度の目標や事業内容をご説明いただきました。

その後、6月29日に株式会社JTB西日本代表取締役社長に就任された高橋広行さんが来訪される。観光ブランド「ビワイチ」の取組など、引き続き連携・協力をお願いしました。

昼前に、長浜市議会議長であり、滋賀県立長浜北高等学校同窓会の会長でもある吉田豊さんら同窓会の皆さんに訪問いただき、「滋賀県立高等学校再編計画に関する要望」をお受けする。

午後からは、滋賀県たばこ商業協同組合連合会の皆さんから「がん対策推進基本計画に対する要望」をお受けする。

その後、今夏の節電目標の改定について記者会見を行う。大飯3号機がフル稼働したことを受け、政府が7月10日からの節電目標を15%以上から10%以上に引き下げたことを受けて、関西広域連合についても同日から「平成22年度比で10%以上」に改定したことによるもの。ただ、電力需給が厳しいことに変わりはなく、計画停電を避けるためにも県民の皆さんによる節電の取組を引き続き進めていただくようお願いしました。(かだ)

 平成24年(2012年)7月8日(日曜日)

午前中、びわ湖放送の番組「豊かさのものさし〜湖国の宝さがし〜」の収録。子どもたちが、滋賀県の自然、食、伝統などの現場訪問の体験を通して「本当の豊かさとは何か」を考える番組で、このたび最終回を迎えます。番組で様々な体験をしてきた子どもたちから質問を受けました。谷川俊太郎さんの、「宝ものは、みんなの足元にあるのだよ」という詩を下敷きとして、それぞれの子どもさんの発見の裏にひそんでいる歴史的、文化的、自然的意味について、いろいろ説明をさせてもらいました。子どもたちとの会話は、質問自体が新鮮で、心をひろげることができる時間でうれしかったです。

午後からびわ湖ホールへ。今日から13日(金曜日)までの日程で開催される先進陸水海洋学会日本大会(ASLO)に出席。淡水、海洋に関する学術的課題や環境問題を扱う世界最大の学会で、77年間の歴史の中で、アジアで開催されるのは今回、この滋賀・琵琶湖がはじめてです。

開会式に先立ち行われた公開シンポジウムでは、「湖と人間との関わりをいかに再生するか」について講演をさせていただきました。琵琶湖の昭和30年代とその後の開発による変化、それと対応させてアフリカ、マラウイ湖辺の今の電気もガスも水道もない暮らしぶりを比較しながら、水道のような「遠い水」が導入された後でも、井戸水や湧き水などの「近い水」を使い続けられることが、災害などへの対抗力を担保し、同時に身近に生き物とのふれあいや人との協力関係も保つことができて、新しい幸せを発見できるのではないか、と提案させてもらいました。

夕方からは開会式に出席。世界各地から1000名以上の方が琵琶湖におこしくださったことに対しての歓迎とお礼とともに、温暖化や外来魚問題など、グローバルな課題にも直面している琵琶湖こそ、ASLOの学術大会の場にふさわしく、実りある学会となるよう、滋賀県としても応援する、というメッセージを出させてもらいました。

会場では、主催側のブルーの法被姿の方にまじって、オレンジ色の法被姿のボランティアの方たちが、通訳やエクスカーションの案内などで活躍くださいました。このあと、金曜日まで1週間あまりの会議です。大津界隈で海外からの参加者の姿をみられたら、声をかけていただくなど、琵琶湖での大会をもりあげていただきたいと思います。(かだ)

 平成24年(2012年)7月7日(土曜日)

午前、甲賀市信楽町で行われた信楽高原鐵道開業25周年記念式典に出席。来賓としてお祝いのご挨拶をさせていただいた後、平成3年5月14日の列車事故の後、社長として、また、顧問として被害に遭われた方がたへの補償交渉などにご尽力いただいた北川啓一顧問に感謝状をお渡しする。

午後、彦根市に移動。基本構想の内容を広報するとともに、県民参加の舞台として計画した「滋賀の未来戦略フォーラム」に参加。「リスク社会を生きる知恵・滋賀の底力を希望に変える」をテーマに、「住み心地日本一」の滋賀の実現のためにはどのように行動していけばいいのか、会場の皆さんとも意見を交わしながら考えていこうというものです。

まず、開会の挨拶として、私から基本構想のポイントを説明する。

その後、「希望学」をライフワークとしてご活躍されている東京大学の玄田有史教授に「希望のチカラ」と題した基調講演をいただく。語り部として、見事な説得力ある講演でした。希望とは、「目的が何であるかを決めて」「それを実現するために」「行動する」「思い、気持ち」という命題を提示いただき、滋賀県として「住み心地日本一」を実現するためには、県民それぞれが、自らの意思で希望をつなぐ行動にでることが重要だ、とアドバイスをいただく。

休憩をはさんで、「しが外国籍住民支援ネットワーク」の野口喜代美さんのコーディネイトで、玄田さん、私に会場の方がたも交え、ディスカッションを行いました。県の8つのプロジェクトの中から、子育てや、雇用、リスク対応としての原子力災害、流域治水などをとりあげ、政策説明を行いながら、玄田さんからのコメントをいただく。会場からは、「節電ピークカット」の運動をしているという方から「適電」のすすめについてご発言いただいたり、アートの力の重要性をご指摘いただいたりと、数名の方から積極的なご意見をいただきました。(かだ)

 平成24年(2012年)7月6日(金曜日)

知事室にて、基本構想の進行管理などについての協議と、原子力発電についての取材を新聞社から受ける。

夕方、大津市の中学2年生が自殺した問題についての記者会見を行う。「自殺の練習をさせられていた」などの内容を含む学校側の調査結果が公表されていなかったことが報道され、県内や全国から一斉に厳しい批判の意見をいただいています。まる二日間で100通近い声をいただき、「県として説明してほしい」「大津市に指導してほしい」などの意見が多くありました。県としての今後の対応について、県教育委員会や子ども青少年局などと協議し、夕方に記者会見。これまでの県内での課題もふくめ、県民の皆さんの間での不安を緩和し、今後二度と同じような痛ましい問題が起きないように再発を防止するための方策を検討する県としての対策チームを来週にもつくることを表明。

越市長はこの1月に就任してから、就任前に起きたことではあるが、この自殺問題に心を痛め、3月の卒業式では当該中学校に自らでかけて、「自分もいじめを受けたことがある」と告白をして、市長としてこのような問題に正面から取り組んでいく、と表明していた。そのような中での今回の大きな社会的批判であるが、大津市としては専門家を中心に、教育委員会ではなく、市長部局に調査委員会を発足させるなどの対策を示された。

「子育てしやすい滋賀県に」とこれまで様々な子育て支援施策を打ち出してきた中での今回の事案は、県としても重く受け止めています。大津市を支援することも含めて、責任ある見通しを示すことが、信頼回復につながると思い、今日の記者会見としました。このあと、週末の動きも注視していきたいと思います。(かだ)

 平成24年(2012年)7月5日(木曜日)

大津市内のホテルで開催された、自衛隊近畿地区募集会議であいさつ。近畿各府県で、新たな自衛隊員を募集する仕事にあたっておられる皆さんにお集まりいただきました。

夕方、中国湖南省の于来山常務副省長ご一行が視察にお見えになり、歓迎のご挨拶。成人病センター、立命館守山高校、JAおうみ冨士などを視察いただき、琵琶湖上での船によるご見学も楽しんでいただきました。この5月に湖南省を訪問した際の歓迎へのお礼と、来年の友好協定30周年にむけての協力もお願いしました。

夜はNHK大津放送局での生放送「おうみ発スペシャル・原発〜滋賀はどう向き合うべきか〜」に出演。昨年の3月以来の原発に関する県の政策、特に4月以降の大飯原発再稼動にかかわる経過などを、ドキュメント風にくわしくまとめていただきました。デジタル放送の双方向通信を活用した視聴者へのアンケートを取るなど、新しい試みの特番です。リアルタイムでの視聴者からの反応は以下のとおりでした。

  • 質問1「大飯原発の運転再開について」
    賛成17%、やや賛成16%、やや反対17%、反対50%
  • 質問2「これまでの大飯原発をめぐる滋賀県の一連の対応について」
    評価する32%、やや評価する36%、あまり評価しない18%、評価しない14%
  • 質問3「あなたは原発事故に備えていますか」
    備えている7%、備えていない85%、わからない8%
  • 質問4「将来、日本の原発は?」
    増やすべき4%、現状維持6%、減らすべき21%、なくすべき69%

(かだ)

 平成24年(2012年)7月4日(水曜日)

公務はありませんでした。(かだ)

 平成24年(2012年)7月3日(火曜日)

朝から緊急節電対策本部員会議。県庁は15%節電目標の堅持、関西広域連合としては、大飯3号機稼動後は、15%から10%以上に目標を下げる。大飯4号機が再稼動してからも、計画停電を避けるため、また、節電ライフスタイルを定着させるために10%を堅持する、ただし産業活動に対しては無理のない程度の協力を求める、ということを確認する。

その後、映画「るろうに剣心」の大友啓史監督にお越しいただく。昨年の8月から11月にかけて、三井寺や安楽律院、八幡堀など、県内各地で物語の主要なシーンの撮影を行われたそうです。大友監督からは、「滋賀県の大地の力が私の想像力をかきたててくれた」「土地に力があるので、演じる人も力を発揮できた」「生活感ある風景が、私の思いを受け止めてくれた」「白洲正子さんのいう、ホンモノがある滋賀県をたくさん発見した」など、大変心強い言葉をいただきました。滋賀県人として、滋賀の風土、景観、そして大地の力に感謝したいと思います。劇場公開は8月25日からの予定です。夏休みの後半、家庭の節電のためにも、涼しい映画館での映画鑑賞はいかがでしょうか。

午後はコラボ滋賀で、県内の起業家の皆さんとの「座ぶとん会議」。 県では平成13年に「県立テクノファクトリー」を整備したのを皮切りに、平成14〜16年にかけて「米原SOHOビジネスオフィス」「草津SOHOビジネスオフィス」「コラボしが21インキュベーション」を整備してきました。この組織を活用して、数多くの起業家が育ってくれています。滋賀県産業支援プラザでは、起業家の皆さんがどのような思いを持って創業や起業に踏み切れたのか、その原動力になったものは何なのか、などについて起業者14名の生の声をまとめ、『近江の起業者ものがたり』として最近発刊しました。

今回はそのうち13名の方たちにお集まりいただき、「起業という生き方」について、2時間近くにわたりじっくり語り合いをさせてもらいました。住民の皆さんの価値観が多様化し、ニーズも複雑になっている時代、行政や大企業では目配りができないビジネスや社会的サービスがたくさんあります。そのニーズを発掘し、滋賀県ならではの、自然、歴史、研究、産業の蓄積などを活かして起業され、ものづくりから、介護支援、発達障害支援、アート発信など、実に多彩な業種があることに、改めて驚きました。それぞれの人生の出来事のなかで、社会的ニーズにこたえるためにいかに知恵をだし、工夫をしてきたのか、ぜひとも、『近江の起業者ものがたり』を読んでいただきたいと思いました。

夕方、滋賀エコ・エコノミープロジェクトの「しが低炭素リーダー賞」を受賞された12の企業・団体の皆さんとの交流会に出席しました。省エネパネルの製造、太陽光パネルチェックシステムの開発など、CO2削減にむけて、多様な企業努力があることに、改めて感銘を受けました。おりしも、7月1日から、再生可能エネルギー全量買取法が施行されたことを追い風に、これまでの「滋賀エコ・エコノミープロジェクト」がさらに大きな動きとなりそうです。

滋賀の底力を感じることができる交流会でした。(かだ)

 平成24年(2012年)7月2日(月曜日)

今日から夏季の節電要請期間が始まるのにあわせ、大津駅前で関西電力の方がたと一緒に啓発活動を行う。滋賀レイクスターズから、バスケットの藤原隆充選手と本多純平選手、そして棒高跳びでロンドンオリンピックに出場が決まっている我孫子智美選手も参加して下さいました。皆さん、早朝からのご協力、ありがとうございました。

その後、職員向けの知事談話として、エネルギー転換について話す

県議会は一般質問の最終日でした。6人が質問に立たれ、主な質問項目は「元職員の再就職について」「ドクターヘリの運航計画について」「医師確保について」「県政経営に対する姿勢について」「原発とエネルギー問題について」などでした。(かだ)

 平成24年(2012年)7月1日(日曜日)

ふるさと観光大使の西川貴教さんと一緒に、早朝の長浜港を県の漁業取締船「あらわし」で出発。尾上漁港で行われる31回目の「びわ湖の日」の清掃活動に参加するためです。途中で竹生島の周囲を視察し、カワウ問題や今の漁業の問題、葛篭尾崎沖合いの水中遺跡などについて、西川さんとお話ししました。尾上漁港では、挨拶などの行事のあと、清掃活動に参加し、西川さんと一緒に汗を流しました。西川さんのびわ湖の日行事参加は3年目です。堅田、能登川、そして今年の尾上。ご多忙のところご参加いただいたこと、また「あらわし」での移動中もTwitterで琵琶湖の現状を発信してくださっていて、ありがたく思います。

その後、長浜ドームで「スペシャルスポーツカーニバル」の開会式に出席。知的障害のある選手の皆さん、500名以上の方が県内各地から集まっていただきました。今日一日、元気に力いっぱい楽しんでください、と挨拶を申し上げました。

午後には大津に戻り、市内のギャラリーで映像作家・中島省三さんの作品を見せていただく。1980年に完成した「俺の見た琵琶湖1980」などなつかしいフィルム作品や、湖岸の変遷を写した空中写真なども見せていただきました。琵琶湖総合開発真っ只中のあの時代、中島さんたちの「これ以上、琵琶湖の自然を壊さないで」という声にもっと耳を傾けていたら、ここまで問題は深刻にはならなかったのでは、と反省することしきりです。私自身は琵琶湖研究所の研究員として、無力ながらももっと声を上げられたのでは、と反省します。せめて、固有種の生存条件に配慮しての開発方法があったはずです。映像の中に、なつかしい滋賀大学の故鈴木紀雄さんの、若き時代のお姿もお見受けしました。(かだ)

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