茜のフォーカルジストニア&脳動脈奇形(AVM)の記録

内科医の傍ら大好きなピアノをフルパワーで続行。鍵盤楽器奏者の指の障害『局所性ジストニア(Focal Dystonia)』と、その精査過程で偶然発見された全く無症状の『脳動脈奇形(AVM)』。この二つの別々の疾患を正面から体当たりしちゃってみる試み。2011年2月より開始。


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こんにちわ。
最近多少まめに更新しております♪


毎年恒例というかジストニアになる前から、私にとって1年で一番の「ピアノを続けるモチベーション」になっている、国際アマチュアピアノコンクール(日墺文化協会主催)に、今年も出ています。
例年、このシーズンに行われています。
本選が紀尾井ホール(大)なのですが、私にとってどの会場にも代え難い魅力をもったホールで、ここで弾きたいあまりに、毎年出ています。


昨年は、冬にジストニア発症で、まだこの時期は思いっきり手の調子が良くなかったので・・・・
5月頃までまったく「出れる見通し」すらなく、5月半ばころになって少し軽快してきたかな?という気がしてきたので、ダメ元で、しかもいつもより更に安全な選曲で(もともと私はかなり安全志向の選曲しかしませんけど・・・)臨んだところ、何故かそれでもファイナルまで通過してしまい、結局自身4度目となる紀尾井のステージを踏むことが出来ました。


今年は去年に比べたら随分マシな状態に戻っているので、もう最初から出るつもりで、1年かけて、どういう曲なら出来そうか考えて参りまして、そしていよいよ本番がやってきます。
先週第1次予選が杉並公会堂で行われていました。前年度ファイナリストは一次予選免除のため、私は聞く側にまわっておりましたが、結局自分が出るA部門の一次予選は全員聞いちゃった・・・
まあ、プロの音大生さんのコンクールだと自分が弾いたらチャッチャと帰るんでしょうけど、我々のアマチュアのコンクールはあっという間にあちこちでお友達の輪になってしまうので、何年か出てると、もうプログラムのそこらじゅう知り合いだらけで、結局全員聞くことになっちゃいまして、これがなんとも楽しいのです。


そしていよいよ今度の日曜日22日が第二次予選。私も弾いて来ます。
課題曲にバッハとかあるんですよー。(汗)


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さて、アマコンの一次予選のときの印象に残ったエピソードを1つ。

実は、エントリー者のなかに、この5月に手を故障したばかりの旧友がおりました。もう15年以上のつきあいになる長い友人です。
まだこれから鑑別診断中のはずなので何とも言えないのですが、もしかしたら局所性ジストニアなのかもしれないな、ということで、いろいろ相談を受けておりました。

ぜったいに無理をしないように、直前まで、無理だと思ったら棄権を、と話していました。
コンクールは、棄権しても誰にも迷惑はかかりません。
自分のお財布は(参加費ムダになるから)痛むけど、ただそれだけです。
だから、弾きたい気持ちに引きずられて無理をしてはいけません。
とくに、彼女の場合は、私の去年の状態(発症2月→アマコン7月で、間が5ヶ月空いている)に比べて、発症からの期間が短い。モロにまだ急性期です。状態も不安定ですし、私のその時期は練習などまったく出来ない状態でした。5分弾くともう腕も掌も指も変な感触だったので・・・。

舞台袖まで行っても、棄権すると思ったら勇気ある決断を、と、再三話しておりました。

しかし、彼女はそれでもステージに出ました。

弾き始めて、客席にいる私はもう、手が大丈夫かとハラハラして、心臓がバクバク、足がガクガクしておりましたが、途中から、
「え?」「え?」「え~~~~~!?!?!?」
・・・・となってしまいました。

知り合って15年以上になりますが、そして何度も彼女の演奏を聞いてきましたが。
いつもクールで、スタイリッシュで、そしてそれが何よりの魅力であった彼女の演奏スタイルですが、それが一変して、いまだかつて聞いた事が無い、まるで魂抜き取られそうな、深く深くどこまでも沈潜するような音楽が、そこに在ったからなのです。

手の状態を心配していた私は、そんなことはふっ飛んで忘れてしまい、いつしか、そこにある音楽そのものに引きずり込まれていました。

演奏が終わったとき、別の意味で、足がガクガク震えて、涙があふれた。
というか、もう、涙がでたどころか、涙腺決壊、号泣状態。・・・いや、もうほんと、あんな瞬間に立ち会えることは想定していなかったのです。



     神様は、こういう人からなぜ、手の自由を奪うのだろう?・・・・・


だけど、意地悪で気まぐれなどっかの神様が指の自由を奪うことができても、心まで奪うことはできないのだ、という証明ではないかと思いました。
あのような瞬間に立ち会えたこと、本当に素晴らしいことだと思いました。
一生に何度と遭遇できない、感動的なステージだったと思います。


意地悪な神様は多少でも後悔してくれているのでしょうか?
そんな彼女も一次予選、通過しています。
来週は同じ土俵で弾くことになります。
もう結果なんかどうでもいいですよね、こうなってきますと。


人生に、不必要なことは何もないんだな、と、あのとき本当に思いました。


もちろん、手の故障なんか、起こら無いにこしたことはないのです。それは当たり前です。
でも、そういうアクシデントが、誰かの身の上に起こる。起こってしまう。・・・それは、何かの転機であったり、啓示であったり、いままでのままでは到達しえなかった、なにか別次元への音楽的な高みへ、扉のようであるような気さえいたします。










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音楽家のジストニアに、精神的ストレスの関与が大きいということはよく知られています。
ちゃんとした文献としては草間律先生のところのHPにも紹介されている「音楽家のフォーカル・ジストニアの発症期間における 悪化要因としての “不安“」という文献が載ってますのでそちらのpdfファイルなんかを見ていただくと良いのですが。

・・・・まあ、そりゃそうですよね。
ジストニアうんぬんの問題を取っ払ったとしても、そもそも音楽家という生き物は、ステージに立つまでの準備をせねばならず、本番をうまくやらねばならず、そして場合に寄っては演奏で生計をたてねばならず。
音楽という極めて絶対的な評価の「無い」、しかも瞬間芸術というやり直しの効かないもので、こんなにストレスを背負うわけですから。
基本的に、音楽家なんてみーーーーんな、ストレス抱えてると思います。

(ストレス抱えていない俺様キャラの人も稀にいるかもしれませんが・・・w)

ジストニアの発症のトリガーに、実際に精神的ストレスがきっかけになってる人もいるようです。
「彼氏にふられた」とか。
「コンクールで大失敗した」とか。
「毎回試験のバッハで暗譜が飛ぶようになってきて、また今度試験でバッハがある!」とか。
最悪のケースあげると
「師事している先生を怒らせて破門になった(!)」とか。
まあ、いろいろあるでしょう。

まったく何のストレスも思い当たらない人もいるかもしれませんが、私がいままで出会った多くのジストニアの音楽家は、ほとんどが発症直前に何かしらの強いストレス体験を持っているなあとつくづく思います。

さらに、この病気・・・
発症後もストレスかかると何度か増悪があります。
特に発症してから半年ぐらいってほんと落ち着かなくて、私もなんどかびっくりするほどの再増悪がありました。
精神的ストレスかかったときもそうですし、ほかには風邪引いて寝込んだとか、私の場合はAVMの血管造影検査で入院になったときなんかもうそれはそれはびっくりするほど再増悪しました。


あと、これ、皆さんに一度聞いてみたいと思ってるのですが・・・・
大事な試験やコンクールの直前の「最後の5分」の練習のところで、いきなり運指思い出せなくなった経験ってありませんか?弾けど弾けど普段と違うめちゃめちゃな運指しか出て来なくて
「うそー、うそー、あと1分で家を出なきゃいけないんだけど!」
みたいなチョー焦りまくり体験!
音大生の方、アマチュアでもコンクールをがんがん受けていらっしゃるような方(私もですが)であれば、きっと分かってもらえると思いますが。
あれ、ぜったい、極度のストレスで脳に違う運指がインプットされちゃった、っていう感じだと思うんですよね。わたし的には、あれ、ぜったいジストニアと似てる何かの類似の現象だと思う!!!
(私の場合は、このように、本番直前にいつもの運指が出て来なくなった場合の回避の仕方はわかっているのですが、知りたい方はおっしゃってください。まあ、横道にそれちゃうのでここには書きません。ご要望があれば、レスに・・・。)

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私が発症して半年ぐらいの落ち着かない時期に気をつけていたことです。


(1)寝る
これ、最重要かもしれないと思ってます!!!
寝ないとダメです。
って、夜中の0時過ぎてブログ更新してる自分もどうかとは思いますが、寝るのは重要だと思うんですよね。今日、mixiのニュースに
『寝不足の脳は不快なものに反応、抑制利きにくい』
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=60918
っていうニュースが載ってたけど、寝不足は不快なものに過剰反応するようになっちゃって抑制効かなくなってしまうようです。怖い怖い!
ストレスが寝不足で増幅されてそうですよね。10のストレスを50ぐらいに感じて過敏に反応しちゃってたりすると本当に困ります。
やっぱ0時前に寝るようにしたほうがいいと思います。
私は急性期は11時に寝るように心がけていました。
まあ、私が発症した直後に、3.11の東日本大震災だったので、いつ避難しなきゃいけないかわからない余震が毎日酷い勢いだったので、とにかく寝ておけるうちに寝ておけ!みたいな気分でジストニアのことうんぬんじゃない別の意味で早く寝てた、っていう噂もありましたが。



(2)パソコンの使い過ぎ、マウスのクリックを減らす
そもそもOA機器は目にも脳にもストレス与える存在で、長時間使用は人体にはよろしくないと思います。
くわえて、あのマウスのクリックってやつがジストニアには最悪だと思います。
音大生の方はともかく、私が知っている周囲のアマチュアピアニストさんでジストニアにかかってる人は、ほぼ全員、本職のお仕事でかなり長時間パソコンに向き合っている方ばかりです。
なかには、この人、ピアノで発症したんじゃなくてパソコン操作で発症したんちゃうのか!?と疑いたくなるケースも・・・・
私は自分がジストニアになってまず最初にやったことは、職場のパソコン(電子カルテ)を、タッチパネル式にし、マウスをクリックボールに変えたことです。
これだけで、手の負担は相当違います。



皆さんも思い当たることがあったら、またご意見をどうぞ。



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今日はもう1つ。

普段このブログでさんざん悪口(!?)を書いてしまっている女子医大青山病院の酒井直隆先生の、ごくごく最近出版された著書を、池袋YAMAHAでゲットしましたので読んでみました。


解決!演奏家の手の悩み―ピアノの症例を中心に/ショパン

¥1,260
Amazon.co.jp



しかし、アマゾンでいまみたら、中古で5000円以上の値段ついてる・・・よくわからんなあ。
ま、それはさておき。

ジストニアから、五十肩から、腱鞘炎、はては火傷についてまで書いてある、なかなかコンパクトにまとまった良い本だと思いました。
(普段は悪口書いていますが、良いものは良いと書きますよ)
まあ、敢えて文句を言うとすれば、ジストニアをメインに研究されているわけですから、もう少しジストニアのページが多くても良かったのではないの?とは思いますが。
でも、なかなか良い本です。


59ページあたりのところが、肝というか、一番重要なことが書いてあるように思います。
音楽家のジストニアの全てが、難治ではなく、回復例が少なからずあるという下りです。
このように明文化していただいてすっきりする患者さんもいるのではないかと思いますが、私自身もここが一番気になる問題点です。


難治症例と回復症例の二群は、背景(年齢や発症からの期間)が違うようであると書かれていますが、これもまだ、もう少し検証が必要で、私自身は、『発症してから何をやったか』ということも含めて、もう少しデーター解析する必要を感じていますがいかがでしょうか?
酒井先生は”鍼灸は効かないのでやってもムダ”とおっしゃっているようですが、本当にそれ、ムダかどうかも検証したいですね。
鍼灸やマッサージなどの何らかの理学療法を「やった群」と「やらない群」とで、データー取るぐらいまでやったほうがいいように私は思ってます。


あと、興味深かったのは64ページのグラフマンの話で、彼がオクターブを1-3で取っていた(手が大きいので1-3でオクターブが掴めちゃってた)ことが発症のトリガーになっているのではないかとグラフマン自身が話しているということのようですが、これはいわゆる演奏するときの軸の問題でありまして、私が2011年3月26日の記事で話題にしたクイズおよびその解答;2011年4月22日の記事にも通じる問題と根底は同じであろうと思います。
1-3でオクターブを頻繁にとっていると、当然、手の軸は親指側になり、手関節尺屈の体制が増える結果になります。

私がこれまで出会った恩師(吉岡綾子先生、そして愛知のえにし治療院の中村先生ら)がしばしば、演奏時の手の軸が親指側にシフトして手関節尺屈が強くなることへの危機感を私に話されておられるのですが、手関節尺屈が強くなると、前腕伸筋群に無理なテンションかかるわけで、この状態で長く演奏をしているとそれをカバーするべくいろいろな運動の力性が崩れ、結果、不自然な運動が徐々に刷り込まれしまうのではないかと私は想像しています。
ブロフマンの言ってることは、あながち間違いではないのではないでしょうか?


音楽家ジストニアは、これも全身性ジストニアと同じで、脳の問題、脳の問題、、、、ということに今の所なってます。・・・・たしかに、『間違った運動回路』が脳に刷り込まれちゃったっていうのはその通りなんでしょう。
しかし、そのトリガー、つまり、発症の引き金になった問題はやっぱり末梢ではないのか?・・・脳(中枢)本体が悪いんじゃなく末梢の問題がトリガーになっているのではないかと私は想像してます。トリガーとなったのはきっと、こうしたちょっとした演奏のときの軸のズレや無理なテンションが負荷になって、それがトリガーになってるんじゃないですかね???


でも、この本、たしかになかなか良著です。
皆さんもぜひ。









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あまりにも更新を怠っているので、少しこまめに書いて行きたいと思います。


本名書いちゃってるので、もう職場のこととか書いても良いのかなと思っているのですが、私の診療しているクリニックは東京音大のすぐ近くにあります。
鬼子母神診療所
(豊島区雑司ヶ谷3-3-17  代表電話03-3984-6821)
http://www.myclinic.ne.jp/kishibojin/pc/free4.html


上記のページの上から2段目で出てる中村香織という医師がようするに私なのですが、ここにも少し音楽家対応の外来のことを書きましたが、実際、現時点では至近距離にある東京音大の学生さんからの花粉症対応の相談が非常に増えています。
もちろんこれも、本来はアレルギー性鼻炎の範疇で耳鼻科の担当領域なのでしょうが、特別な器具を使う治療などはなにも必要が無い訳で、お話を聞いて処方を選ぶだけですから、内科でちゃんと対応が可能な問題です。
ということで、耳鼻科に振らず、自分で見ていますが、とくに音大の学生さんなどは試験だったりコンクールだったりで実際演奏に支障がでる状況の方を、どうやって本番に支障が無いようにクリアさせるかということも含めて、自身も演奏する立場でありますから、考えて行こうとこの数年やっております。


で・・・・
そろそろ、というか、本格的にというか、ピアノ奏者をメインに想定した局所性ジストニアの相談の外来もやりたいなと思っています。
現状、音楽家の局所性ジストニアの新規の患者さんで、確定診断をしていただくためには、やはり日本で一番ジストニアの症例を多く見ているのは、女子医大青山病院の酒井先生
(http://www.clinic.musicmedjapan.com/)
の外来に行くのがベストだとは思うのですが、あちらも毎週木曜日しかやっていないうえに、どうやら大変混み合っているようすですので、



     1)酒井先生のところに受診に行こうか悩んでいるが、木曜日が仕事の都合などで
       受診が難しい。他の曜日に「酒井先生の前段階として」相談できる先生は
       いないか?
     2)酒井先生のところに受診に行き、実際にジストニアの確定診断をされたが、
       酒井先生の提唱するスケールをメトロノームで測定するリハビリをやる気に
       なれない、またはそれが実施できないほど症状がひどくて悩んでいる、または
       やってもなかなか改善しない。


などの状況の患者さんのご相談に乗りたいと思います。
ピアノ等鍵盤楽器奏者の方を最初はメインで診ようかと思いますが、状況を見て他の楽器の方もお断りせずに相談に乗れればと思います。


当院では私は火曜日、木曜日は夜18~20時という夜間外来枠がありますし、土曜日も隔週で診療にでております。大学病院とは違いますので、紹介状も不要です。
ただし、このような音楽家の局所性ジストニアのご相談の方は、じっくりお時間をとって(=1人30分は必要でしょう)お話を伺いたいので、ぜひ事前にお電話ください。(電話に出た看護師ないしは事務のものに「ジストニアの相談で予約を取りたい」とおっしゃってください。)
他の患者さんが比較的少なく空いているのは月曜午後や水曜午後ですが、それ以外の混み合っている時間枠でも基本的には全て対応いたしますので、あらかじめお電話いただいておけば、じっくり時間を空ける方向で考えたいと思います。


(全身性ジストニアなどの患者さんは大学病院等の神経内科へ受診されたほうがよろしいかと思いますので、あくまでも音楽家の局所性ジストニアの方、それもピアノ等鍵盤楽器奏者の方を中心にご相談を受けたいと考えています)







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しばらく更新してなかったので、ちょっと更新してみます。
てか、早く、イザベラ・カンピオン女史のジストニアのレッスンのことをまとめなさいよ、っていう噂もあるのですが。

さて。

ジストニアの皆さん、ご機嫌いかがですか?
調子はどうですか?(^^)


私の方は、「そこそこでやんす」という感じです。去年よりはぜんぜん良いです。
鍼灸も現在、月2回でほぼ定常状態になったかなという感じ。
1年間は月4で通ってましたけど・・・発症1年を過ぎた所でけっこう良くなったので鍼灸を月3にして、最近また月2にしました。それでもまあまあ現状維持です。


去年の今頃は、「ほんと、このまま弾けなくなっちまうのかなー」みたいな感じでした。1日の練習時間は30分未満とか、去年はそんなんでした。しかもリハビリに20分、曲をやるのは10分とかそんなんでしたね。で、去年はまだ、ちょっと風邪引いたりとか、寝込んだりとか、私の場合は去年の6月はAVMの血管造影で入院とかもしてたんで、そういう体力が少し落ちるようなことがあると、ジストニアも一気にガクーって悪くなって、「またかいっ・・・(泣)」みたいな狼狽とか失望とか自暴自棄とか、いろんなものがありました。


でも、1年たって振り返ってみて。
この病気はそうやって、「緩解」と「増悪」を繰り返すもんなんだな、と分かりました。
そういうものなんだ、と、気付いたかんじ。良くなったように見えたのに、また悪くなった!ということが少なからず何度かあって、でも、増悪したときに、いちいちあまり凹まない方がいいんだよな、って思います。


「あー、またきたかー、はいはい。」
ぐらいに思ってやり過ごした方がいいです。
ジストニアは、なんだか、よりナーバスになる人とか、朝から晩までジストニアのことばっかりに心が捕われている人のところに、余計にべた~っと貼付いてくるような気がします。


そういえば大昔の話でしたけど・・・
私が研修医で、まだ内科の全ジャンルをローテーションしていた頃。難病の疾患が多い膠原病グループの研修中に、先輩の医師たちがまことしやかに言っていたのですよ、
「彼氏がいる女の子の膠原病は良くなるよ」
って。
どういう意味かということを少し解説しますけど、膠原病は若い女性に多く発症する難病の総称ですが(SLEとか慢性関節リュウマチとか、いろいろ種類ありますが)、別に医学的根拠はないんですけど、なんとなく”お医者さんの経験的”に、恋人がいる女性患者さんのほうが病気が良くなる率が高い気がするよ、っていう話なんです。
医学的根拠は全然ないですよ?
経験的に、という、あくまでもそういうレベルの話です。
医学的な根拠もなければ統計もないので・・・
この、経験則的な語り継がれ話を、どこまで真に受けるか微妙ではあるのですが、とりあえず、そういう伝承が我々の世界にはありました。


さてさて。膠原病とは違いますけど、同じような”原因不明”の病気であるフォーカルジストニアというものになってみて自分も思ったのですが、病気である事とか、自分の病気のことに捕われ過ぎていて、24時間365日、そのことばーっかり考えているのは、あんまりよくないな、ということなんだろうな、って思ってます。


病気の事を忘れて、彼氏のことを考えてるぐらいの意識の「外向き」感があるほうが、病気は良くなるのだ、ということなのかな、って。
多分、ジストニアも、ちょっとそういう側面があるのかなと思います。
弾けない、弾けない、と、当初は落ち込んで、悩んで、そればっかりに意識が向いてしまいますが・・・
なんだかその意識の集中は逆効果でありまして、もしかすると、違う事を考えるとか、違う事をするほうが、最終的には良くなるような気がします。


私はなんとなくそんな気がしていたので、去年の症状が酷かった時期もできるだけ「指がうごかない」ということは反芻して考えたりしないようにしてました。
いや、正確にいうと、3.11の震災とその後の原発の問題があまりにも大きく、私はそちらに気が向いていて、むしろ自分の病気のことばかり考えている余裕もなかったのですよ。自分の指が動かない事ぐらい、被災した東北の人たちの苦しみや悩みに比べたら、ちっちゃいことだよな、っていう意識が常にありました。


なんにせよ、少し、自分の意識を外へ向けるといいかなーって思います。
弾けない事、自分が苦しいこと、そういう類いの意識は一旦、横へ置いて、ですね。
全然違う事、とか。
自分が苦しい事は、世間にとっては必ずしも大きな問題ではない事、とか。
ちょっと意識が外へ向くだけでも違う気がします。

 
私も、なった当初は、調べまくったし、この病気の実体を知りたいと必死でいろいろ読んだり調べたりしました。でも同時にどこか心の意識のなかで、そのことだけに24時間捕われてることがないようにしていたような気がします。
自分の意識が病気の事だけにどっぷり浸かっちゃわない方が良いっていう感じかな。
調べるし勉強はしてるんだけどね。スパッとどっかで切り替えたりしてた気がする。


そういえば、私、5月にスイスに行って来ました!
2010年に一度行っているので、人生2度目のスイスです。知人が何人か、あちらに住んでいるので、いろいろ教えてもらえます。
5月のスイスは最高でした。今回は、主にスイスでもローザンヌを中心にフランス語圏にいた時間が長いのですが、ローザンヌ近郊の10世紀から残っている世界遺産のワイン畑で撮った写真をアップして、今日のブログは終わりにします。
旅行に行くのも良い気晴らしですよ!
温泉でも良いと思います。
とにかくなんいせよ、ずっとジストニアの事ばっかり考えていない方が良い、と、私は本当に思います!






$茜のフォーカルジストニア&脳動脈奇形(AVM)の記録

$茜のフォーカルジストニア&脳動脈奇形(AVM)の記録



$茜のフォーカルジストニア&脳動脈奇形(AVM)の記録

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2月末にMRIを撮り直しました。

丁度、私のAVMが発覚して、1周年になったからです。
キリがいいので再撮影。
あまり変化はなさそうです。
近いうちに、脳外科の(関わった先生方のどなたかには)見ていただかねば、と思っていますが、とりあえず予約と私の仕事の予定の折り合いが~~・・・的なところでまだ伺えておりません。

とりあえず破裂せず、1年たったことに感謝はしています。
年間4%ぐらいで破裂するリスクを抱えているわけなので、毎年毎年96%側に入るのはそれはそれなりに大変だと思います。

と同時に・・・・
やはりどこかでは、この状態のままではいられないのかなという思いも、してはいます。
老化して血管自体も(そのままであっても)破れたりしやすくなっていくでしょうし、職場の状況を考えても、私が中間管理職でいられるうちのほうがまだ、
「オペなので1ヶ月休ませてください」
を、言いやすいかもしれない(自分が職場のトップだったら言いにくいし・・・)、とか考えてしまいます。また。親の問題についても、いまはまだうちの親は両方とも元気ですし、私が入院して開頭のオペだ、っていうことになればそれなりに協力はしてもらえるけど、これが10年後だった場合は、親も具合が悪くなってそうだし、協力をあおげないかも。

・・・・という切実な、アラフォー(←この手の言葉嫌いですが)独身女性としては悩みもあったりなんかして。
ううーん、やっぱり、早めに手術しちゃったほうがいいのかなあ、とも悩みます。


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とりあえず、来年も夏はコンペ色々考えています。

私にとっては「続ける」ためのモチベーションなので・・・
別に成績の出る出ないはどうでもいいことなのですが。
去年みたいに、ジストニアの状態がまだ最悪でも、本選残れて紀尾井の大ホールで弾けるということも起こりうるわけだし・・・人生、何があるかわからん。(苦笑)

手の状態は、正直な所、まだ6割改善という感じで止まっていて、全快とは言えません。
でもまあ、無理をせず、やれる範囲で、というのが良いかなと。
よく、ジストニアになると「完全撤収」してしまう方を見かけますが・・・
急性期はそのほうがもちろん完全に休んだほうがいいですけど、ある程度の時間が過ぎて慢性期に入って来たら、あんまり弾かないでいてもこの病気は解決にならないと私は思ってるので、弾きながら模索した方がいいと思ってます。

最近思うのですが・・・
ジストニアになった人は、いままで得意としていたレパートリーからは「敢えて離れる」ことをしてみてもいいかなって思います。
私はジストニアになる直前は、ハイドンとかモーツァルトみたいな軽快系古典派か、あるいはF.クープランやスカルラッティみたいな繊細系バロックを主要レパートリーにしておりました。近現代とかも割と細い系を選んでたと思うし・・・

いままでと同じような系ばかりで行くと奏法が変わり切っていないうちは、手に負荷がかかるような気がします。だから、ここはあえて、いままで弾いたことがないような系や、あまり手をださない系の曲にあえて行ってみた方がいいような気がします。

私は大学6年の最後の年に、大学のピアノサークルの演奏会でショパンの2番のソナタを弾いて失敗して以来、ショパンは二度と弾くまいと封印して17年程経ちました。
でも、ちょっと今年は弾いてみようかなと思って引っ張りだしてみると、実にこれが、手に新鮮というかここ数年弾いてないパターンの動きだな~って、思ったりして、ジストニアの不具合を感じずに弾けたりしてなかなかGood。

ちなみに、古典派ですが、ジストニアの人はモーツァルトみたいな長いスケール系の頻発する曲は結構辛いと感じる人が多いようです。
でもこれが、ハイドン、とくに初期のハイドンなんか選ぶと、スケールの長さが全然違いますのでジストニアの苦痛を感じずに結構弾けちゃったりします。
「どうしても古典を選ばなきゃいけない」
状況に立たされている方、モーツァルトは避けて、ハイドン初期とか如何でしょう?





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【重要情報】
私が知らなかっただけかもしれませんがお知らせいたします。
なお、mixiの私が管理してるコミュ『ジストニアのピアノ奏者の会』にも同じ文章アップしちゃったので、重複して読まれちゃった方、ごめんなさい。


えっと、2月14日頃?から確定申告始まります。
学生さんは関係ないけど、少なくとも職業音楽家の方は自営業扱いだったりして間違いなく確定申告に行かれることと思います。


鍼灸の先生から、伺って私も今年初めて知ったのですが、鍼灸も年間の累積費用で領収書だせば、確定申告の医療費控除の対象になることを聞きました!(ぜんぜん知らなかったです!)
ジストニアの治療を目的に鍼灸を受けられてる方、是非、税制上の医療費控除を受けてください!
これが『健康保険適応外の鍼灸治療』でも、それでも、ジストニアや四十肩など疾患の性質上、医学的に必要な鍼灸を受けた場合はちゃんと医療費控除対象なのです。


月に3~4回も鍼灸に通わなければならない方ですと、下手すると年間の鍼灸にかかった治療費が10万以上になっている可能性もあると思います。これらが医療費控除の扱いになりますと、かなり、かなり、かなり、莫大に金額違って来ます。


会社員の方などは、年末調整しちゃってて「どうしよう!」っていうケースもあると思いますが、とりあえず鍼灸院で領収書作ってもらって、税務署に相談しましょう。
年末調整後でも確定申告し直せるはずです。





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かなーり更新を怠っております・・・すみません。

12月に受けた、イザベラ・カンピオン女史の公開レッスンの内容をまとめてみようと思いつつ、12月があまりに職場やプライベードが殺人的に忙しくて、なかなか腰をすえて書く暇がなく。

でも、今月末までにはなんとかまとめてみます。

ということで、最近の近況。
12月中旬(カンピオン女史の公開レッスンのあと)に、突如として四十肩になってしまいました。
しかもジストニアとは反対側の左側。

自分のクリニックで診察中に(私の診察室は自分の左手側に患者さんが座るのですが)聴診器を伸ばそうとしたら突然、首筋というか鎖骨のあたりにビビビーーーーーーーーン!という痛みが来て。
で、左肩が上がらなくなりました。
上げようとすると首筋~鎖骨あたりに痛みが走るのです。

これはいわゆる四十肩なんだなーと思いまして。
しばらく安静→腕の体操など実施。
ピラティスは無理矢理行ってます。
行った方が、しかもセッション始まる30分前に行って、インストラクターさんにいろいろ相談にのってもらったり、ジムにあるグッズ(ボールとか)で身体ほぐしたほうが、肩が上がるようになるので。
無理矢理行ってます。

鍼灸の先生にももちろんお話しし、これまでジストニアの側の右中心に打っていたのですが左の背中や首にも打ってもらうことに。
あとは、脳外科の林先生のセカンドオピニオンクリニックが、アロママッサージも併設してるので、何度かやっていただいて・・・
いま、大分四十肩は改善してきてます。


不思議なことに、四十肩を発症してから、背中や首がガチガチになり、そうするとジストニアも悪くなるのよねー。反対側なのにさ。
まあ、6月に脳外科入院したときに、退院直後にめちゃ手の調子が悪くなったのを経験してるので、ジストニアっていうのはこうして何かのきっかけで、関係ない場所の不調に釣られていっしょに悪くなるもんなんだな、っていう「想定の範囲内」が私の中に出来てるので、あんまり驚かないけど。


ということで、年末年始はあんまりピアノ弾いてなかったです。
ま、忙しかったというのもあるんですけど。


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私自身は、横浜市立大学の酒井先生のジストニアの外来に、結局行けていないのですが(行く予定にしていたのだけど、震災のせいで休診になって、そのまんま・・・)なにやら、聞く所によりますと、女子医大で新規に「音楽家専門外来」を開設したらしく、そこの担当を酒井先生が始めたという話。


まだ、未確認情報を含んでいるのですが、実際に行った人からそのようなご指摘だったので、早急に調べたいと思いますが。(横市大の外来枠が残っているのかどうかも含めて)
しかし、私、AVMの件で脳外科外来には何度も行ってるし、9月まで少なくとも気付かなかった。
あそこの外来は2階にあるんだけど、脳外科外来と神経内科外来が同じエリアにあるので・・・


もしかしたら整形外科外来の方向に診察室があるのかも????
横浜市大まで遠くて困る、と思っていた方は女子医大にお問い合わせください。
私もちょっといまから調査します。


女子医大といえば、脳外科にはジストニアを定位脳手術やってらっしゃる平先生がお見えになる。
その同じ女子医大に外来枠をもうけた、ということになりますと、お二人で患者さんのやりとりをすることになるんでしょうか?(謎)
酒井先生のところには、おそらく日本で一番多いジストニアの症例が集まってるのは絶対に間違いないと思いますけれども。
そうすると、平先生のところで定位脳手術をうける患者さんが増えてくるのかな?


なにぶん、まだ調査中、調査中。



ただし・・・繰り返しになりますが、私自身は前々から、酒井先生のスケールをメトロノームで測るという手法は、リハビリというよりは「記録」にすぎないと思っていて、いままでこのブログでも、結構否定的見解を展開してしまっています。
理由:
(1)速度を測るだけでは「リハビリ」とは言えない。
(2)修正すべきフォームを確認しないまま今までの弾き方で何度もスケールを弾くことが手にかえって負担になる場合があるように思われる。
(3)精神的に落ち込んでいる時に更に精神的に落ち込んでしまう事例が私の周囲でも続出している。

とりあえず酒井先生のところに行くと、診断と同時に、このスケールの話が来るという意味では知識として知っておいていい方法の1つであるとは認識しています。
しかし、やはり(2)の引っかかりが私個人の気持ちのなかでは非常に大きく、私自身はまったくやっていません。
そのうち酒井先生から直々にうちのブログに苦情が来たら、直接(あくまで建設的に!)議論しようとは思っていますが、いまのところまだご本人からは苦情が来ておりません(苦笑)。


個人的には、「スケールが悪い」のではなくって・・・・
ただ「速度を測る」という行為ではなく、もっと指1本1本の巧緻動作を全て分解して作り直す必要を感じていることから、速度を測るのはリハビリがある程度進んだ「リハビリ後期」以降、あるいは軽症の方であれば、ある程度の効果が期待できるかもな・・・と思うのです。
そうじゃなくって、もっとずっとずっと症状が重い人、スケールをメトロノームで速度測るどころか、測ろうにもスケールが出来ないほど悪化させちゃった人を、なんとかできないのかな~と個人的には考えています。そういうメソッドの確立が待たれるかなと思っています。
(考えだすのはお医者さんではなく、ピアノ指導者の先生の誰かだろうな)



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