統営女児殺害:被害者の家族、容疑者の前科知らなかった?

容疑者、2005年に性的暴行事件を起こし服役

成人対象の事件のため、個人情報公開制度の対象から除外

被害者家族は3年前に引っ越し

 殺害されたハン・アルムさんが住んでいた慶尚南道統営市山陽邑チュンチョン村の住民たちは22日、性的暴行事件で服役し出所したキム・ジョムドク容疑者について「いつまた事件を起こすか分からないため、恐れていた」と話した。2005年、村に住む62歳の女性を強姦(ごうかん)しようとして失敗し、女性を石で殴打したキム容疑者は、09年に出所した後、チュンチョン村に隣接するシンボン村で暮らしていた。

 チュンチョン村のある住民(79)は「数年前にも田んぼでタニシを捕っていたおばあさんを強姦しようとして失敗し、殴りつけた事件で刑務所に行ったが、全く変わらなかった」と話した。一方、キム容疑者の自宅近くで会った別の住民は「刑務所を出所した後は静かにしているように見えたが、また事件を起こすのではないかと心配していた。結局、また大きな事件を起こしてしまった」と語った。

 だが、住民たちは「アルムさんの家族は3年前に引っ越してきたため、キム・ジョムドクが起こした性的暴行事件のことを知らず、そのため警戒していなかったのかもしれない」と話した。

 キム容疑者は、成人(19歳以上)に対する性的暴行事件で検挙されたため、個人情報公開制度の対象には含まれていなかった。性的暴行特例法の附則第2項によると、個人情報公開の対象となる性犯罪者は「法の施行後初めて有罪判決が確定した者」と定めている。つまり、同法が改正された昨年4月以降に裁判所で有罪判決が確定した性犯罪者なら、犯行の時期とは関係なく個人情報が公開される。だが、キム容疑者は同法が改正される前の05年に判決が確定したため、個人情報の公開対象から除外されていた。

 児童や未成年者を対象とした性犯罪は規定が異なる。10年7月に施行された、児童・未成年者を対象とする性犯罪者の個人情報公開制度は、10年1月1日以降に性犯罪を犯した者を対象としている。

権慶勲(クォン・ギョンフン)記者
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