政府事故調:双葉病院「患者置き去り」は事実と反する
毎日新聞 2012年07月23日 13時58分(最終更新 07月23日 16時21分)
14日午前、自衛隊が患者34人と隣接する老人保健施設の利用者98人を避難させ、残る患者全員も15日午前9時から16日午前0時半に救出した。避難先の県立いわき光洋高(いわき市)に運ばれた患者も十分な医療を受けられなかった。双葉病院によると、昨年3月末までに患者40人、老健施設利用者10人の計50人が死亡。当時、治療した双葉病院の男性医師は「避難してほっとしたのに運ばれてきた患者が死んでいく。絶望的で、この世の終わりに思えた」と話す。
同じ20キロ圏内でも12日に避難を終えた病院もあり、報告書は「双葉病院の入院患者の救出が大きく遅れ、搬送先が遠方の高校の体育館とされるなど、不適切と言わざるを得ない事態」と指弾。このような事態が生じた理由は、「避難の担当部署が複数の班にまたがり、県庁内で共有されなかった」と指摘した。