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伊賀市長選に当選し、支持者から花束を受け取る内保博仁氏(右)=伊賀市土橋の事務所で 三重県伊賀市長選は9日、投開票され、無所属新人で前副市長の内保博仁氏(65)が、いずれも無所属新人の元市議長、安本美栄子氏(61)と元市職員、桐田昭彦氏(63)を破り、初当選した。投票率は56・23%だった。 内保氏は行財政改革推進など現市政の継承を掲げ、旧町村部を中心に支持を拡大。連合、農協などの推薦を受け、組織戦を展開した。 ○…「輝く伊賀市をつくりたい」-。無所属新人3人の争いとなった9日の伊賀市長選で、初当選を果たした前副市長の内保博仁氏(65)は、感激に顔を紅潮させながら力強く市政を担う決意を語った。 同市土橋の選挙事務所は、当選の一報に沸いた。大勢の支持者の「良かった」「やった」の歓声と拍手で包まれた。お祝いの花束を渡された内保氏は「皆さんの力で2代目伊賀市長当選をかなえていただきありがとうございます」と感無量の表情。「次の4年の重さを感じながら期待に精いっぱい、応えたい」と力強く抱負を語り万歳を繰り返した。 内保氏は旧阿山町長を務め、2004年の6市町村合併で誕生した伊賀市の助役、副市長として現市政を支え、選挙では手堅い行政手腕を前面に戦った。公約では上野市駅前再開発事業の推進、伊賀地域の総合病院の役割分担を掲げた。 連合や農協など400を超える団体の推薦を受け、大半の市議が応援するなど終始、選挙戦を優位に展開し、現市政の刷新を訴える安本美栄子氏(61)と桐田昭彦氏(63)を引き離した。投票率56・23%は前回を7・01ポイント上回った。 (平井良信) ◆実効性ある改革を 【解説】合併後4年間の市政運営の評価が問われた今回の選挙。今岡市政の継承を掲げた内保氏が市政担当のバトンを引き継ぐことで、市民は大きな変化を望まなかった、といえる。 今岡睦之市長の引退表明を受け、新人3人の選挙戦となったが、実際は内保氏に対して市政転換を訴えた安本、桐田両氏が争う構図だった。しかし、3氏とも掲げた政策に明確な違いを打ち出せず、56・23%の投票率に表れたように最後まで盛り上がりを欠いた。 市のまちづくりは今後、2016年を目標に市の将来像をまとめた総合計画に沿って進められる。助役時代に策定に携わった内保氏は「10年先の伊賀市を見てほしい」と有権者に再三訴えた。 しかし、一般会計だけで581億円の市債を抱え、行政の効率化が進まない現状では、遠い先ばかり見ていられない。市民は足元の負担増と行政サービスの後退を心配している。合併の真価が問われる今後4年間。実効力のある行財政改革が求められる。 (平井良信) ◇伊賀市長選確定得票 当 25,581 内保博仁65 無新<1> 12,680 安本美栄子61 無新 5,504 桐田昭彦63 無新
[記事全文] 【中日新聞】
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