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【社会】加害者母と間違われネット中傷、脅迫被害も2012年7月23日 10時24分 大津市立皇子山(おうじやま)中の男子生徒が飛び降り自殺した事件で、いじめたとされる同級生の母親と間違われ、インターネットで中傷され脅迫状も受けた大津市の女性(65)が本紙の取材に応じ、「相手の顔は見えず声も聞こえないだけに、よけいに恐怖を感じる」と打ち明けた。 ネットの書き込みを知ったのは今月8日。「大変なことになっている」との親族の電話でパソコンを開くと、自分のフルネームと会長を務める女性団体の名称がネットの掲示板にあふれていた。「人殺し」「クズ人間」などの言葉も並ぶ。「足腰が震えて立っていられなかった」 女性に中学生の子どもはいないし、事件の中学校とは別学区に住む。いじめたとされる同級生と同姓で、その親がある団体の会長らしいというだけで間違われたようだ。「なぜ私が、と思うだけで何も手につかなかった」 翌朝には、この女性団体を担当する市役所の部署にも抗議電話が殺到。市役所や自宅などに「人殺しの母親」「顔に濃硫酸をぶっかける」と手紙やはがきが届いた。 警察へ行き「ネットから誤った情報や書き込みを消してほしい」と訴えるが、削除は自分でやるしかないと説明された。「どうしたら消せるのか、それしか頭になかった」。総務省の相談センターへ電話したり、大津地方法務局人権擁護課に出向いた。「削除すると、再びネット上で反応する場合もある」との法務局の助言で様子を見ることにした。 「電話が少なくなり、いったんは大丈夫と思っても、新たな手紙が来ると再び恐怖が襲ってくる」。今も夜の外出を控え、「1人で家にいると怖くて、ドアに突っかい棒をしている」とおびえた表情で話す。 女性は20日にあった女性団体の会合で体験を語り、「ネット情報の危うさを子どもにしっかり教えたい。いいかげんな書き込みは大変な被害を巻き起こすことを理解してほしい」と呼び掛けた。 脅迫電話を録音し手紙やはがきも一緒に大津署に被害届を提出。脅迫容疑などで捜査している。 ネット中傷に詳しい、神戸大大学院の森井昌克教授(情報通信工学)は「手続きを取って調べれば、誰が書いたのかは必ず分かる。ネット世界に匿名性はあり得ないことを皆が自覚し、書き込みに責任を問えるような法整備などの対策が必要だ」と指摘している。 (中日新聞) PR情報
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