ロンドン五輪で近代5種競技の代表となった男女3選手が13日、都内で会見を行った。韓国では、東日本大震災で地元茨城・下妻の練習場が被災し、拠点を釜山に移した黒須成美選手（20）に注目が集まっている。韓国の複数のメディアが20日、報じた。
韓国メディアは、「日本の近代5種の選手、『韓国の助けでオリンピック出場』」などと題し、大地震で訓練所を失った日本選手が、韓国の助けを借りて、ロンドン五輪出場資格を獲得したことが、話題になっていると伝えた。近代5種競技は、フェンシング、水泳、馬術、ランニング、射撃を争う。
黒須選手は、近代5種の世界大会出場経験のある父の影響で、中学2年生の時からこの種目の選手となり、日本の最強選手に成長したと紹介。しかし、昨年3月の東日本大震災で茨城県の家の近くの射撃と乗馬訓練場を利用することができなくなった。日本の近代5種の選手の中で自衛隊員でないのは黒須選手だけで、民間人が自衛隊の訓練場を利用することができなかったとその状況を説明。
そんな中、父親と選手時代から親交の深かった朴正七（パク・ジョンチル）近代5種連盟釜山支部の専務理事（40）の助けを借りて、昨年4月、釜山に訓練地を移した。
日本人の若い女性の韓国生活は容易ではなく、言葉が通じない中で大変な訓練を消化する日々が続いた。たくさんの涙を流したが、オリンピックへの出場チケットを無事に手に入れることができたと伝えられている。
朴専務理事は、「なぜ、ライバルである日本の選手を助けるのか」といった抗議も受けたことを明らかにしつつ、両国の不人気種目の選手たちの善戦を期待しているという。（編集担当：李信恵・山口幸治）