JMAと博報堂コンサルティングが2012年3月に共同で行った調査では、現在のマーケティング組織や機能に関する問題意識で、第一に挙げられたのが組織構成上の課題であった。
「ブランドマーケティングの一気通貫型の組織および機能がない」(食品会社)という声に代表されるが、
といった、問題点が指摘されている。
縦割り組織の壁とは、従来、新商品を開発する時や新規事業を立ち上げる時などに問題として提起されていた。新商品や新規事業などのように、ある一定期間の取り組みであっても壁を超えるハードルは高いが、マーケティングに関しては永続的に機能し続ける必要がある。以前、某企業のCMOから、「横断型のタスクフォースをまわすのは正直疲れる。毎日が戦いだ」との話を伺った。氏は大変強力なリーダーシップをお持ちの方であるが、強力な個人が引っ張っていくにしても、マーケティングを横串として機能させ続けるには、企業における「マーケティング組織の位置づけ」、もしくは「マーケティング機能の認識」を抜本的に見直すことが必要だ。
企業として、組織的にマーケティングに取り組むために不可欠な論点は、経営とマーケティングとの関係性強化であろう。
「経営/事業責任者との共通言語がない、理解がない、リソース不足」とのITサービス会社の役員の声に頷かれる方は多いだろう。また、根源的な問題として、「マーケティングが職能として認められているかどうかがあいまいであり、マーケティング人材の育成やローテーションが組織的に行えていない」(食品会社)、「マーケティング自体をマネジメントし、質的向上を図る体制が構築できていない」(消費財メーカー)といったマーケティング自体の存在意義であり、マーケティング機能というよりも、マーケティング自体のマネジメントの必要性も改めて指摘すべき課題である。組織の壁の前に、企業経営におけるマーケティングの位置づけそのものが部分的に留まっているという経営者認識の壁があると言えそうだ。
Copyright© 2012 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
2012年7月21日
2012年7月20日
2012年7月20日
2012年7月20日