東京大空襲訴訟:2審も原告敗訴…東京高裁、救済請求棄却
毎日新聞 2012年04月25日 20時41分(最終更新 04月25日 23時44分)
東京大空襲の被害者・遺族ら計113人が、戦後の救済措置を怠ったなどとして国に総額12億4300万円の賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(鈴木健太裁判長)は25日、原告側敗訴とした1審判決(09年12月)を支持し、控訴を棄却した。原告側は上告する方針。
原告側は、国が51年のサンフランシスコ平和条約締結にあたって米国への賠償請求権を放棄したのは国民の保護義務違反と主張していた。高裁は「戦争状態を最終的に終了させ、平和条約の目的を達成するためにやむを得なかった。救済措置を講ずるか否かは立法府の裁量的判断に委ねられる」と退けた。
また原告側は、旧軍人軍属や広島・長崎の被爆者、沖縄戦被害者が補償を受けているのに、空襲被害者に救済がないのは憲法の「法の下の平等」に反する差別と訴えた。高裁は「不公平感を感じることは心情的には理解ができる」としつつ「援護を受けていない戦争被害者の被害の原因、態様、程度はさまざまで、合理的な理由なく差別されているということは困難」と述べた。