おしえて586 投稿者 チョガタさん
法隆寺 五重塔の心柱は、なぜ西暦594年に伐採されたのがわかったのでしょう?修理の時に切った柱の年輪を調べたらわかったと言っていましたが、年輪は樹齢で、伐採をした年とは関係が無いような気がするんですけど。
乱気流さん

 生育環境(日照・寒暖・雨量・災害等)を反映して年ごとに年輪の幅に広狭の差が生じる性質を利用すれば、樹皮直下の白太(しらた)と呼ばれる最も外側の年輪部分まで測定可能である場合には、その年輪と既存の標準とする暦年の確立した年輪変動パターン(暦年標準パターン)とを照合することで、伐採年を特定することが可能とされています。暦年と年輪変動パターンの関係が確立されていて、樹齢が百年以上の場合には、原理的に年代誤差が生じないので、炭素14法等よりも精度が高いようです。

 これは年輪年代法(樹木年代法)と呼ばれ、日本では1980年代から−木材の利用が始まって以来現在に至るまで継続的に建造物に用いられている−スギ・ヒノキ・コウヤマキの三種に的を絞り、過去に遡って多くの地域・試料などの調査が重ねられ暦年との関係が研究された結果、現在では「スギ/約3300年間(紀元前1313年迄)」「ヒノキ/約2900年間(紀元前912年迄)」「コウヤマキ/約720年間(紀元後22〜741年)」の東北から九州までの暦年標準パターンが確立されているようです。

 法隆寺・五重塔の心柱の切取部(ヒノキ材)は1986年調査当時肉眼では分からなかった周縁部分が、今回のX線撮影で最大3.6cm確認されたことなどから、樹皮直下最外側の白太部分と判断されたことにより伐採年が「591年」から「594年」に訂正された様子です。

参考URL:INTERNETbungoぶんご会員ホームページ http://www.bungo.or.jp/usk_shikai/katudou/5jyuto0221.htm
GNLからこんにちは
http://www2u.biglobe.ne.jp/~gln/14/1428.htm
参考図書:平凡社『世界大百科事典』
gannacさん

  確かに、年輪からわかるのは、まず樹齢です。年輪を見て、あぁこの樹は500歳のときに切られたんだ、でもいつ切られたのかは分からないなぁ、と思ってしまいます。しかし、年輪はただ年を刻んでいるだけではありません。他にも、色々な情報が読み取れます。年輪をご覧になった事がある方なら分かると思いますが、輪の幅、形状は一定ではありません。それは、その樹が育った年の気候(降雨量等)が大きく関係しているからです。気候が良く、よく育った年は輪の幅が太く、逆に天候不良の年は狭くなったりします。また、同時代に生きた樹々は、同じ天候の下に育つため、年輪の形状も似通ってきます。 このことから、伐採した年が分かっている樹の年輪との比較検討により、年輪を見れば樹齢だけではなく、伐採年まで推測することが可能となります。
よりかさん

 年輪年代法…
 樹木の年輪は,樹皮と前年に形成された年輪との間に,毎年1層ずつ形成されます。その幅は,主に気候条件に左右され,広くなったり,狭くなったりします。20世紀初頭,この年輪の変動パターンに着目し,それを歴史の研究に利用する方法を考え出したのが,アメリカの天文学者ダグラス(1867〜1962)です。これは,ある年輪が今から何年前に形成されたものかを過去に遡って確定して行くものだそうです。
 年輪年代法においては,年代を割り出す際に基準となる暦年の確定した標準パターン(暦年標準パターン)を,過去に出来るだけ遡って作成することが最も重要です。 現在までに,ヒノキにおいては紀元前743年まで,スギでは紀元前651年まで,コウヤマキでは22〜741年の間の暦年標準パターンが作成されています。これらの年代範囲内であれば,年代の分からなかった木材の年輪が何時形成されたかを確定出来ます。
matsumotoさん

  それは年輪年代測定法といって、年輪の幅が気温・降水・日照時間などの気象条件によって変動するのを利用したものです。 年代ごとに指紋のように異なるその変動の特徴を波形で表し、年代が確かな現在の切り株の年輪と波形の合致するより古い年輪の木材を見つけ、順に波形をつないでいくことによって「標準変動パターン」というものを作ります。 目的の木の年輪をその「標準変動パターン」と照合することによって年代を判断します。
参考URL:読売新聞関西から「ものしりエース番外編」
http://osaka.yomiuri.co.jp/oldtopics/monosiri/ms0912.htm
くろぅさん

  年輪年代法という手法があります。その地方の気候などによって特定の植物(木)の年輪が一定のパターンを描くことを利用した年代特定の方法です。 この暦年標準パターンをできるだけ正確に、できるだけ過去に遡って作成することによってその調べる木材の伐採年が照合することによって決定されます。主に建築材として使用されるスギやヒノキについては紀元前600年以前のパターンまで決定されています。
Tsuneさん

  これは、放射性同位元素(炭素14)を用いているのだと思います。自然界には、一定の割合で、通常の炭素に加え、炭素14という放射能をを放つ炭素が含まれています。これには半減期といってその同位元素の核が減少していく時期が決まっており、それを測定することにより、何年前のものかということが分かります。一方植物は、生きているときには、この炭素14を吸収して、成長しますが、伐採された段階から、新たにこの炭素14を吸収することはなくなるわけです。したがって、年輪部分から、炭素の量と炭素14の割合を測定することにより、 伐採された年代を推定することが出来るのです。
参考URL:原子力環境監視センター
http://www.houshasen.tsuruga.fukui.jp/c3098280.html
参考URL:Welcome to tsunoda’s HomePage
http://club.pep.ne.jp/~tsunoda/riyou.htm
のんきさん

  伐採した年の決定は「年輪年代法」という科学的に証明する方法によって出された数値です。物質に含まれる炭素14((14C)の量を調べることによってどのくらいの時間が経過したかわかるそうです。生きている限り生物の体内の炭素14濃度は大気とほぼ同じで、生物が死ぬと外界との炭素の交換がなくなりますので、死んだ瞬間から炭素14の量が減りはじめ、半分になるまで5730年かかるそうです。 詳しい説明は次にありますので、ご覧下さい。
【進化論と創造論HPより「放射性炭素による年代測定の原理」】 http://www.meken.med.kyushu-u.ac.jp/~tosakai/carbonradio14.html
ビンタキングさん

  昔々(504年)、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。 二人には子供がいませんでした。 おばあさんは川へ洗濯に、おじいさんは寺へ心柱を切りに行きました。 おじいさんは寺で金色に光る心柱を見つけました。 おじいさんが心柱を切ると木の中から「木太郎」が生まれました。 木太郎はすくすく育ち、鬼退治なんかに行くこともなく子孫を残し、 今なおその心意気は芸能人の「きたろう」にうつり、家系図の初代木太郎が 西暦594年生まれだったので心柱を切ったのも594年だと分かったという話は 余りにも有名ですね。
yutaさん

  心の目で見れば何事も見えてくるんですよ、きっと・・
 年輪年代法というのはスゴいんですね〜 紀元前700年以前までのパターンを作ってるなんて、人間の意志の力というか執念の成果に圧倒される思いがしました。
 それから、今回もメチャメチャ悩んだのですが。今回のケース以外ではかなり使われているということで炭素14法も正答とさせていただきました。
正答者の方々です。本当にありがとうございました。
乱気流さん・よりかさん・matsumotoさん・Tsuneさん・のんきさん・くろぅさん・gannacさん・かっくん・yutaさん・てるりんさん・そくらちゃん・ビンタキングさん★・yutaさん★

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