草加市の市立中学校で、2年生の男子生徒が同級生から飛び降りを強要され、けがをした問題を受け、生徒が通っていた中学校で21日、全校生徒の保護者を対象にした緊急の説明会があった。学校側の説明に納得する保護者もいたが、一部は不満を漏らした。
保護者に説明するのは初めてで、非公式で開かれた。全校生徒633人に対し、保護者約400人が出席した。校長によると、一連の経過を明らかにしたうえ、質疑を含めて約1時間半にわたって行った。18人が質問したという。
保護者は「もっと早く開くべきではかったのか」「校長の認識が甘かったのではないか」「いじめをなくすにはどんな方法があるのか」「他にもいじめがあったのではないか」などと発言。校長は「現在はまだ解決されていない状態。もっときちんとしてから報告したかった」「全教職員が親身になって子どもたちの状態を把握する努力をしたい」などと答えたという。
保護者たちの感想は分かれた。
1年生の男子の母親は「今回の問題がいじめなのかどうかは分からない。学校の説明はきちんとしていた。飛び降りは昔からあったようで、学校側が知らなかっただけみたいだ」と振り返った。
2年生の娘を持つ60歳代の男性は「学校側にいじめの認識が元々なかったことが問題。説明には具体策がなく、不安だ」。また、別の男性は「学校は分かっちゃいない。いじめを分からない人間が何人いても、解決にはならない」と吐き捨てるようにつぶやいた。
■男子生徒の母親「謝罪ではない」
生徒の母親は21日、朝日新聞の取材に応じ、「(学校側は)『謝罪した』と話しているが、約束なしに突然訪問してきただけ。謝罪ではない。子供はけがをして入院し、精神的に参っている。今は受け入れる余裕はない」と学校側の対応を批判した。また、1年生の時からトイレで殴られるなど、「繰り返しいじめられていた」と話した。(原裕司)