CROSS__Kの日記

2012-06-07

『ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド』

どーにか読み切った。。面白いのは間違いないのだけれど、やっぱりその分心が擦り減る。。『近未来仮想ゲームとしてのファンタジー』という題材ながら、その実最も印象的なのは少なくともこの巻は思った以上に奇を衒わずに直球で描かれた少年少女、主人公とヒロインの恋と愛だったなと思う。おかげでいい年こいてる自分は読んでて存分に心が擦り減るわけですが。


一歩引いた視点で視るとキリトアスナの恋愛については1巻の中で関係を急いて進めてしまっている感もあるのだけれど(それを言ったらこの巻でゲームのクリアまでが描かれてしまっている部分にも通じるけど)、それはもしかしてこの作品の刊行までの経緯も関係しているのかなと思ったりも。
ただ、一方でこの作品の場合、異世界で出逢って一緒に戦ったことがキリトアスナにとっては時間の濃密さを深めているんだろうなとも受け取れる。『近未来仮想ゲーム』が舞台でありながら、その真剣さが重みを持つことこそがこの作品の要であると思うのだけど、生死が絡むからこそその世界で出逢った相手との間に築いた感情にも重みが伴うのよね、きっと。


それをある面では面白いと言い、ある面では心すり減らしながら読んでるのが今の自分です。憧れよりも自分に対してぐっさり刺さる部分の方が大きいのを自覚しながら。何度も言うけれど、その時代に一生物の恋愛が出来るってことは稀有かもしれないけれど、だからこそ羨むよ。ううん、ただ羨むだけならまだいいのだけれど、そこから更にもう一歩踏み込んでその時代に何も足掻かなかった自分を自覚させられると、それをひどく引き摺る破目になる。


ちなみに同じ河原礫さんの作品でも『アクセル・ワールド』だと、こういう鬱屈とした感情、言い換えると生来のコンプレックスそのものがデュエルアバターを生み出す際の鋳型になっていて、それに抗う物語ことが根っこの部分でテーマになっているので自分でも馴染みやすいってのはあるよなと思う。


あぁ、それにしても余談になるけどここ最近の即売会の会場でキリトアスナの本を見かける率が上がってる理由は何となく分かる気がする。この巻だけで判断するのは尚早なのかもしれないけれど、逆に言えばこの巻だけでもド直球だものなぁとは思うもの。可愛くて綺麗で一途な姉さん女房と不器用だけど彼女に対する気持ちに嘘はつかなかった男の子。戦場では互いが互いを守るパートナーの新婚さん。。


しかし2巻以降はどうなっているんだろう。ゲームがクリアされてしまうのは終盤なんとなく予想もしたけれど、それではこの後に続いている巻はどの時間軸の話なのだろう。ここから先はこのキリトアスナの物語を正史の結末としてそれまでの2年間の話が綴られるのかな。まだまだ登場していないキャラクターも多いだろうし、そこが気になる。アニメ放送開始までにもう少し読み進められるかな。。

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