CROSS__Kの日記

2012-07-21

『ソードアート・オンライン〈5〉』舞台探訪

今日はちょうどSAOの5巻を読み終えた後でふと思い立って少しばかり舞台探訪をしてきました。
場所はキリトアスナのデートコースだった皇居の東御苑。・・・考えてみるとデートコースを巡るのってどうなのって気がしないでもないけど;、まぁそこを差っ引いても皇居は川原先生の作品だと重要な位置づけとなる場所なので今日歩いて回ってきて結構な感慨深さを得ることは出来ました。

とりあえずスマホで撮った写真であまり見栄えも良くないですが、簡単に写真を上げてきますね。


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まずは地下鉄大手町のC10出口。アスナが出てきたとこですね。


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でもって、そこから少し歩いた先が大手門。正直自分もアスナと同じく東御苑が一般開放されていることをこの作品を読むまで知りませんでした。


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作中で書かれた通り入口でプラスチックでできた入園票をもらいました。



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基本的に道順は決まってる中をたぶん2人が通ったと思われる経路で巡ってきたので、きっとこの風景を視てるはず。


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皇居がどういう意味で特別な場所なのかについて話をした後で登ったと思われる坂道。


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江戸城の本丸跡の芝生。2人が盛大にノロケてくれた場所(苦笑)
確かに広かったなぁ。あと、外国人観光客の人が多かったですね。それも国籍が様々で。


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最後も2人が辿った経路にならって平川門から出て帰りました。



今回はじめて皇居に入りましたけど、都心のど真ん中にあれだけ緑に包まれた空間がぽっかりと存在するってのは確かに特別な場所であるように思いました。まぁ自分が歩いてきたのは極一部でしょうけど、ここが東京の中心なんだなーっていう感慨はありましたね。それに加えて、SAOとAWの世界に照らして「ここが世界樹。。」とか「ここが帝城。。」みたいな感銘も勝手に受けてましたが。


ともあれ、そんなわけで思いつきで足を運んでみたけど、面白かったです。と同時にそう遠くない近くの場所でもまだまだ自分が知らなくて行ったことのない場所があるんだなーと思いもしました。作品の舞台探訪ってのはそういう場所を訪れるきっかけ担ってくれそうで面白いなとも。これからも行けそうな場所があったら行ってみたい。


最後におまけ

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アクセル・ワールドの方は寧ろ東や北側よりもここの方が馴染みが深い桜田門。ここに四神の朱雀が湧出するのかーとか、この門が『ジ・インフィニティ』で破壊されたのかーとか、そんな感慨に耽っておりました(苦笑)

『ソードアート・オンライン〈5〉ファントム・バレット』

4巻まででアインクラッドとそこから続くアルヴヘイムでの物語に1つの区切りがついたSAOの新展開は前巻ラストで種から芽吹いた新たなVRMMOの世界を舞台とした事件にまつわる物語。正直キリトSAOをクリアした『英雄』として、ただVRゲームがらみの問題に引っ張り出されるだけならば、それは4巻のあの結末の後に続く話として少々無粋というか、少し寂しいなと思っていたのだけど、その杞憂を良い意味で乗り越えてくれたと思います。


まず印象的だったのはアスナを救い出して本当の意味で現実に帰還したキリトたちのやり取り。ちょっと読んでて意外でもあったんですが、図らずもキリトたちがVRMMOの世界から現実に帰還したからこそ彼らのやり取りに妙な現実感があるというか、寧ろほぼ等身大の、それこそこの現在から視て地続きの少し先の未来で普通に生きてる、そんな印象が強かったんですよね。
キリト自身が冒頭の菊岡氏とのやり取りでそう語ったようにVRMMOの世界が持つゲームとしての一面の本質である”劣等感と優越感”がより現実の生々しい温度に根ざしてるってことを改めて提示されたこともその理由になってると思います。それからやっぱりアスナを救い出したことで現実世界でもデートを重ねてるんだなーってこともその気持ちを強める一因になってますね。


勿論、気がついたらそうやって思考の逃げ場を断たれて囲い込まれるような印象を前にすると、1巻があれだけぐっさり刺さった自分としては思うところがあるわけですが、そうやって会話してる2人の基点があのSAOの世界にあると思うと、不思議と感慨深い想いも湧いてくるのが正直なところなんですよね。きっと2人にとっての”今”は誇らしげな時間であっていい、大切な時間であってほしいっていう、そんな気持ち。いや、個人的には正直キリトに対して「アスナが帰還した後で直葉の気持ちに対して答えてあげたのかぁ!?」と思わないでもなかったけど、でもよくよく考えると4巻のラストの彼女の独白を思い返すにそこはまだ保留のままの方が良いような気がしなくもない。。いやたぶん、シリカもリズベットもまだまだキリトのこと狙ってそうですしね!(苦笑)


それにしてもキリトアスナのデートの場所がまさか皇居とは思わなかったなぁ。というか、先に読んでた『アクセル・ワールド』で皇居=帝城が通常不可侵の最高難度ダンジョンとしてあれだけ特別視されてる理由をキリトの口から聞くことになろうとは。東京の中心である皇居がどのような意味で世界から隔離された場所なのかが実感できました。そうか、皇居はALOの世界樹みたいなものなのか。そりゃ特別な場所であるはずだよなぁ(てゆか、確か世界樹の地下のヨツンヘイムの四方にあるダンジョンを超強いモンスターが護ってるってのもAWとの繋がりなのかな、やっぱり)。


あと、それからもう一つ。AW関連の話として、まさか『アインクラッド』の「イン」が『インカーネイト』の「イン」だとは思いませんでした。SAOとAWの世界はリンクしてるのではなく平行世界のようなものだとAW原作10巻のあとがきで読んだけど、確かにSAOの世界にはAWの心意システムのようなある意味での”自由度”はそぐわない気がします。けれど、現実と仮想世界の境界を描き続けていく以上、そしてキリトアスナがそれを望む以上、この作品でも何らかの形で2つの世界の互いに凌駕し合う接点がこれからも描かれていくんだろうなぁと。そんな予感はします。


さて、今度は話を仮想世界の方に向けて。今作における仮想世界側の舞台となる新たなVRMMO≪ガンゲイル・オンライン≫は銃と鋼の世界ってことでキリトはどうするのかと思ったら、光の剣で銃弾掻っ捌いて接近戦勝負というちょっと笑ってしまうくらいの、でもこれまでの彼の戦い方を考えると実に彼らしくて納得のいく無双っぷりを見せてくれて面白い(苦笑) しかもアバターは女子と見間違える容姿だし、つくづくやってくれるなぁ。そりゃ気がついたら新ヒロインのシノンも心の内側にするりと入り込まれちゃうよ。最初に登場した時のかなり強張った印象と比べると、キリトと話してる時は正直名前が出るまで彼女本人なのか確証が持てなかったくらい、態度が和らいで女の子らしさ出てたものなぁ。てゆか、少女とアンチマテリアルライフルって組み合わせも良いけど、ホットパンツは更に素敵ですね(地味に混じる本音)。


今回の仮想世界の事件の発端である≪死銃≫はそのネーミングセンスの安直さはともかく、その銃で撃たれることが現実世界での死に繋がるという部分もSAOを彷彿と・・・させはするけど、それでもやはりどこか現実世界寄りの無粋な感情の賜物。勿論ヒロインたちにそれが向けられるのは避けてほしいけど。正直序盤ではそんな印象ばかりが強かったんですが、それを終盤で一気に詰めてきましたね。「ここで出てくるか、ラフコフ!」って感じで。
SAO1巻の中で名前は出てきたけど、エピソードまでは深くは突っ込まれていなかった≪殺人≫ギルドSAOの世界でたった一人、けれども明確な悪意を伴った殺意をキリトに向けたあの男。キリトにしてみればはっきりと自覚した上で命を奪った相手。勿論キリトの行為は正しかったと思うけど、今回のエピソードはキリトにとってその感情を手繰り寄せるもの。
SAOの持つデスゲームとしての”痛み”の反面。自分自身の命が掛かってるってことだけでなく、PKすれば相手が死ぬということ。自覚を伴って相手を倒すというのは明確な殺意を晒すのと同じであること。なんと言うか、ここまで読んできて、この『ファントム・バレット』もまた確かにSAO正史たるあの1巻の続編なんだなぁと実感できた気がします。キリトたちがいればそれだけでSAOの続編にはなるのかもしれないけれど、テーマの面でもそれが伴ってるのが分かったことで俄然続きが気になるようになりました。今回のヒロインであるシノンはキリトにとってかつての恐怖を共有できるかもしれない相手ということになるのですね。


そんなわけで続きが楽しみ。次巻は直葉本人の登場はあるのかなぁ(最後に漏れる本音)。

2012-07-14

『ソードアート・オンライン〈4〉フェアリィ・ダンス』

ようやく意識がアルヴヘイムから現実に還ってきました。あぁ、、、最高に面白かった!!そして声を大にして云おう。リーファ/直葉が可愛過ぎる・・・!!!


この巻のあとがきで川原先生がデスゲームという仕掛けが無くてもMMOをプレイしたいと思えるような楽しさを物語として再現できないか、ということがこの『フェアリィ・ダンス』編の大きなテーマだったと書かれてますが、その試みは大きく成功しているということを今の自分の気持ちが裏付けていると思います(苦笑)
1巻ではある意味構成が変則的だったせいで実感する暇がなかった部分、あるいは描かれなかった部分。誰かと一緒に初めて見る世界で旅をして、共に戦って、目に移る光景に万感を抱いて。本当にMMOをやってみたいと思えるような”世界の広がり”を目の当たりにしました。それこそキリトと同じ視点で。そしてこのALOの世界で、彼の隣にはいつも”彼女”がいた。だから自分にとってこの作品を読んで感じたALOの世界の魅力には彼女の輝きが傍らにあったことを言わずにはいられません。奇しくも彼女が作中で語った≪アインクラッド≫での記憶を持たないことの代わりに彼女だけが得たアルヴヘイムの世界でキリトと出逢い一緒に旅をした記憶が特別なのと同じように。


前巻や、この巻だとヨツンヘイムで一緒に旅をしてる辺りで特にそう感じたけれど、リーファのキリトとのやり取りはリアルでの直葉の時よりも茶目っ気が増してたりして、その辺からも「あぁ本当に楽しんでいるんだなぁ」と。そんなふうに思えるんだよなぁ。リーファがキリトに惹かれていく気持ちの裏に直葉が現実世界で和人を諦めようとする想いが無意識にあることは予期していたけれど、でも突きつけられた現実は彼女を前に進ませてくれたように思う。どうあっても、いずれはきっと事実を知ることになっていたと思うし(てっきりALOの中でアスナの姿を見て気づくのかな?と思っていたけれど、現実はそれよりも早かった)。てゆかですね、とかく自分の気持ちが止められなくてキリトに『告白』してしまう彼女が魅力的に過ぎた。その懊悩と切なさはたぶん彼女を一歩前へ進ませてくれると思う。彼女の内に芽生えた『萌え出たばかりの新緑のような儚さ』はきっといつか枝を伸ばし、葉を広げ、咲き誇って実を結ぶ。


それからそれから、言わずにいられないので書いておくけど、リーファに「キリト君」って呼ばれるのって物凄くくすぐったいと思うんですが!現実世界で『兄妹』であることを加味した上で考えると。キリトの正体を知った上でなお彼をALOの世界で「キリト君」と呼ぶのは彼女の区切りであり矜持なのだろうな。
そしてもう一点。ラストでキリトが彼女を新たなアインクラッドへ誘う時の台詞がもうね、格好良過ぎた。このシリーズを読んでて一番、というかたぶん初めて心底から「こりゃ惚れるわ」となんか実感まで伴って納得してしまった。まるで1巻でアインクラッドが75層までしか攻略できなかったことさえもがこの時のためにあったかのようだよ。



と、ここまでリーファの魅力を語ることにしか意識を割いてない気がするのだけれど、でもまぁこの作品の感想を書く上でそこは言わずにはいられなかった(苦笑) その一方でこの作品が持つMMOの楽しさを物語として描くという大きなテーマはきっと1,2巻から視たSAOの物語の一つの結末としても大きな意味合いを持つものだったんだろうなぁと思う。だって、この巻のラストではあんなにもキリトの前には彼が培ってきた絆、仲間たち、大切な人が共にいるのだから。だから読んでいてすごく満ち足りた気持ちになることが出来た。


自分は物語を読んでいて「その物語の登場人物たちの先を知りたい、彼らがこれから歩んでいく未来を視たい」と思うことが多々あるけれど、この『フェアリィ・ダンス』編は丸々2巻掛けて描かれた1巻のエピローグでもあるのですよね。そのラストで”世界”はこんなにも拓かれた。そういった意味でも込み上げてくる万感がありました。


1巻の感想で自分は「奇を衒わずに直球で描かれた少年少女、主人公とヒロインの恋」が何よりも印象的だったと書いたけれど、正にこの巻もまたそのキリトアスナの物語、あの浮遊する城の世界で出逢って恋に落ちた少年と少女の物語の結末として、そしてそこから帰還して本当の意味で始まっていく和人と明日奈の物語の始まりとしてすごく象徴的に描かれていたなと思います。ALOの中でもそうだったけど、それ以上に2人の現実世界での”再会”は。
それを前にして劣等感を感じなかったかと言えば完全に否定はしないけれど、けれどもそれを抱えたままでそれでもなお現実を前へ向けて歩んでゆける姿に対して抱くのは眩しさや憧れと呼ぶものであり、その感情は自分の中では特別な位置を作品に占めさせるものなのです。


あーそれにしてもキリトアスナ、和人と明日奈の物語はド直球だよなぁ。何あの学園生活でのやり取り。。と唸ったり悶えたりさせられたところでお弁当の中身がかつてSAOで一緒に食べたハンバーガーと同じであるというポイントを押えてくるのがずるいくらい上手い。その裏で一度現実世界での姿を見てみたいと思っていたシリカとリズベットが面白い協定張ってるのもずるい(苦笑) やってくれるなぁ。おかげですっごく感慨深くなってしまうじゃないですか。


そしてそんなアスナさん不動の正ヒロインたる物語の裏で、確実にこの『フェアリィ・ダンス』編のヒロインとしてリーファ/直葉がラストを特別な想いと共に描いてもらえたのも非常に嬉しかったです。いや、もうアスナと並ぶもう一人のヒロインとしての立ち位置じゃないですか(贔屓目)。可愛いなぁ、もう。



あー、それにしても本当に面白かった。物語を読み終えた時にこんなにも万感が込み上げてくるとは。SAOの物語としてこれで本当の意味で一旦一つの区切りがついたのだろうけど、これから先もまだまだ続いてるシリーズの中でキリトたちがどんな物語を見せてくれるのか、彼ら彼女らにすごく好感を持ったからこそ楽しみだなぁ。

2012-07-08

『ソードアート・オンライン〈3〉フェアリィ・ダンス』

この巻からは新展開。思えばかつてこの巻の表紙を見た時にこの新キャラは誰だろう?と思ったものだけど、それがこうしてSAO以外のゲームの世界へと繋がっていくとはなぁ。ただ現実世界へと帰還したというだけでなく、とても”世界が拓けた”感じがあって良いなぁ。キリトが進む道はアスナへと繋がっていて、未だ囚われ続ける明日奈もまたキリトと深い部分で通じ合っているのがなんとなくSAOを戦い抜いた2人にとってとても誇らしく貴いことのように思えます。この巻のラストで歩み出したアスナの姿を見てそんな印象を強く感じました。たぶんこの印象が強まっているのはアニメ視た影響だろうなぁ。本編ではアスナはまだ未登場だけど、OPで共に戦って歩んでいく姿を見てるとそんな胸の高鳴りを覚えてしまう。


一方で新ヒロインとなる直葉=リーファがまた魅力的で参るよなぁ。キリトに妹がいるって話は前からされてたし、先に読んだ『アクセル・ワールド』10巻の両作品のクロスオーバーで直葉の名前も知ってはいたけれど、それがこんなストイックと思わせながらも内心真っ直ぐな想いを抱えた女の子だったとは。


現実世界で和人との距離感に悩む直葉が奇しくも同じゲームを通して、今度はSAOと違って現実世界の顔が分からないからこそ、お互いのリアルを知らずに兄妹ではない関係を築いていくのが面白いなぁと思うし、共に戦い旅をする中でキリトに対して胸の高鳴りを覚えていくリーファの姿が魅力的だなと思う。彼女はキリトが和人であることを知ることになるのかってことも気になるけど、仮に知らないままでもリーファはリーファとしてキリトとの想いの行く末を視たくなるような。
んーなんだろう、現実での直葉が描かれた上でリーファの姿を見ていると、彼女が心の奥底に秘めてる気持ちが露わになっているような感じがするんだよなぁ。作中でも言われてるように大胆さ五割増しで、キリトに対しても兄妹としてではなく仲間として屈託なく笑い合って、それでいて胸の内には高鳴る気持ちを抱えているって言う一面がとても可愛いなと思う。てゆか、直葉のゲーム内の化身たる姿として空を自在に翔ける妖精の羽を持った剣士というのはとても映えるよなぁ。


キリトは最強でヒロインとのフラグ立てまくりなのは相変わらずだけど、SAOで得た経験がただの強さって意味だけでなく、ただアスナを救い出すために、VRMMOという”現実”を『生きる』ために、そしてパーティーメンバーを誰も殺させないために戦う姿には揶揄ややっかみ、劣等感を超えた主人公としての魅力を感じられるようになってきた気がします。
最初に書いたアスナとの間にある繋がりに対して感じる胸の高鳴り、その裏にある彼の抱えた痛みと昂揚感を合わせたところにあるのがたぶんこの作品の正の面の魅力の捉え方なんだろうなと、なんとなく思う。今までは負の部分で捉えてしまいがちだったけれど。いや、今もその部分は否定しないって言うか、個人的にはそういう自分の負の部分に裏打ちされてるからこそ強い魅力が羨望へと裏返っていくのも確かなんですけどね。とまれ、そんな自分の変化が読んでて少し新鮮に思えたりもしました。


・・・でも正直直葉/リーファがすごく魅力的なので彼女と和人/キリトの関係がどうなるのか気になるなぁ。ユイに浮気するなって怒られそうだけど(苦笑)でも、直葉としては踏み込みきれなくても、リーファとしては一歩踏み込んだ結末もあり得るんじゃないかって気がしなくもない。いや、リーファが踏み込んだら直葉もまた彼女の性格から考えて踏み込むのかな。そこはまだ分からない。勿論キリトの隣はずっと特等席なのは分かった上で。


この巻が次巻に続く内容になっているのは読んでる途中で「あーこれはこの巻じゃ終わらないな」と思ったし、先に次の巻の表紙を見ちゃったことで「あーやっぱり続くんだよね」と思ったけれど、今は純粋にこのALOの結末が楽しみだなぁ。今回はゲームの世界でも現実世界でも明確に倒すべき相手がいるから、目指すべき場所=アスナのいる場所が分かっているから純粋に読んでて昂揚感を覚える。続きが楽しみ。

2012-07-01

『ソードアート・オンライン〈2〉アインクラッド』

あの1巻からどう続くのかと思っていたけど、2巻目は時間を遡って描かれる短編集だった。しっかし・・・キリトさんすっげぇ。いや、やっぱりこれは言っとかざるを得ない気がする。圧倒的な強さと素朴な少年の性格、そして少女に間違われることもあるという顔立ち。本人の性格、生い立ちが為している部分もあるだろうとは言え、少しばかり天賦の才の配分に恵まれていることへのやっかみを避けざるは得ないだろうて。どれだけのヒロインに想われて彼女たちを泣かせるんだ、彼は。


世界がデスゲームになった時に選べる生き方には本人の資質次第で限りがあるだろうけど、結果として強さを磨き続けることを選んだことが今の彼に繋がるのかぁ(それはアスナにも言えることだけど)。なんとなく、自分がその時それを選べるかってのは夢想しちゃうよね、と。いやー、やっぱ『アクセル・ワールド』のハルの方が近しさを覚えてしまう自分としては。それが劣等感と言うもの。

キリトに対してはいろいろ思うことはあるんだけど、中でも特に驚いたのは



>「俺は、ここで悪事を働くプレイヤーは、現実世界でも腹の底から腐った奴なんだと思ってる」



って台詞が出てきたこと。これを読んだ時つくづく『アクセル・ワールド』とは違うんだなぁと思ってしまった。だって、『アクセル・ワールド』は”その感情”こそが出発点じゃないですか。一概に悪事と括ってしまうと語弊があるだろうけど、押し隠してた本当の自分の負の部分を浚ってアバター鋳型にするのがブレイン・バースト。そこを出発地点とした上でどう戦い、抗うのかってことがあちらの作品のテーマなのに対して、こちらは主人公がこの台詞を吐いてしまうんだなぁっていうような感慨は正直ありました。


ただ、この巻を最後まで読むと、もしかしたらそれは視点の違いによるのかもしれないと思わせる構成にもなっているのですよね。キリトがかつて犯した自身の罪に対する意識を知る『赤鼻のトナカイ』は今までで一番キリトが身近に思えた気がします。その罪の意識と自分への罰を求める行動は最強の彼が見せる負の部分であり、何よりもの人間らしさ。バランスがプラスに寄り過ぎている気もするけれど、でもこのエピソードで彼が見せた負の痛みは彼を≪黒の剣士キリトたらしめるものなんだろうなって。


その痛みは彼だけのものだったけど、今はきっとアスナと分かち合えてる部分もあるのだろうな。だからキリトの扉を熱烈アタックでこじ開けたアスナは特別なんだろうな。そしてそんな彼女もまたキリトと生き方が噛み合って彼に惹かれてる。そんなとーっても稀有で幸運かもしれない出逢いを1巻では目の当たりにしたのだなぁという感慨を改めて抱いたり。


キリトの過去も踏まえた上で全体を見てみると、アスナ以外のヒロインとの関係もただやっかみだけで終わらせるには礼を失しているように思えてくるのも確かではあって。サチの特別さは言うまでもないけど(正直あの最後のメッセージは胸を打たれた。。良い娘だったんだなって)、シリカにしてもリズベットにしてもあのSAOの世界で出逢って恋して別れたキリトへの感情は1巻で既に彼とアスナの結末を視ているという変則構成を前にしてもやっぱ素直に鮮やかだなーと思うところはある気がします。


元々、これは『アクセル・ワールド』もそうなんだけど、作中の登場人物の言動は傍から視た時にただのネトゲ中毒者の戯言と揶揄される可能性を持っていて、それを跳ね除けるのはそこに言うなれば”痛み(AWで言えばそのままの意味の痛覚や費やされる時間・記憶、SAOで言えばやはり命が掛かっているということ)”があるからだと思うのだけど、少なくとも自分はこの作品に対してもその揶揄の視点を跳ね除けるだけの感情の発露とその魅力を感じています。いや、そこにハルユキがブレインバーストでインストールした時に視た夢のような空を求める憧れ=劣等感が混じっているのは否定しませんけど。


巻末の予告によると、次巻の舞台は現実世界!?このままずっと過去のエピソードの積み重ねだけでは世界に閉塞感が出てきてしまう気がするなぁと思っていたけど、いったいどうなるのか。やっぱりキリトアスナの再会が描かれるのか。その辺りは気になるなぁ。それにアスナ以外にもSAOで出逢ってる人物はいるだろうし。


あと、それからもう一点。この巻読んでて思ったけど、これアニメ化される時、どういう構成で描かれるんだろうなぁ。原作の順番そのままで行くと、エピソードのぶつ切り感が否めなくなってしまう気がするのだけど。時系列ごと組み直されたりするのかな。。そのアニメも放送開始まであと一週間か。

2012-06-07

日記の利用頻度を上げよう。。

ふと思い立って、これからはツイッターだけでなくこっちの日記ももう少し活用していくことにしました。ツイッターの手軽さとTLの親しみやすさゆえに長めの呟きを投稿する機会のすべてをTLからこちらに移すのは正直慣れの問題もあって難しいかもしれませんが、もうちょいブログの利用率を上げてこっちと折半して行けるようにしようと思います。

そんなわけでまずは手始めに感想を一本TLから移植。

『ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド』

どーにか読み切った。。面白いのは間違いないのだけれど、やっぱりその分心が擦り減る。。『近未来仮想ゲームとしてのファンタジー』という題材ながら、その実最も印象的なのは少なくともこの巻は思った以上に奇を衒わずに直球で描かれた少年少女、主人公とヒロインの恋と愛だったなと思う。おかげでいい年こいてる自分は読んでて存分に心が擦り減るわけですが。


一歩引いた視点で視るとキリトアスナの恋愛については1巻の中で関係を急いて進めてしまっている感もあるのだけれど(それを言ったらこの巻でゲームのクリアまでが描かれてしまっている部分にも通じるけど)、それはもしかしてこの作品の刊行までの経緯も関係しているのかなと思ったりも。
ただ、一方でこの作品の場合、異世界で出逢って一緒に戦ったことがキリトアスナにとっては時間の濃密さを深めているんだろうなとも受け取れる。『近未来仮想ゲーム』が舞台でありながら、その真剣さが重みを持つことこそがこの作品の要であると思うのだけど、生死が絡むからこそその世界で出逢った相手との間に築いた感情にも重みが伴うのよね、きっと。


それをある面では面白いと言い、ある面では心すり減らしながら読んでるのが今の自分です。憧れよりも自分に対してぐっさり刺さる部分の方が大きいのを自覚しながら。何度も言うけれど、その時代に一生物の恋愛が出来るってことは稀有かもしれないけれど、だからこそ羨むよ。ううん、ただ羨むだけならまだいいのだけれど、そこから更にもう一歩踏み込んでその時代に何も足掻かなかった自分を自覚させられると、それをひどく引き摺る破目になる。


ちなみに同じ河原礫さんの作品でも『アクセル・ワールド』だと、こういう鬱屈とした感情、言い換えると生来のコンプレックスそのものがデュエルアバターを生み出す際の鋳型になっていて、それに抗う物語ことが根っこの部分でテーマになっているので自分でも馴染みやすいってのはあるよなと思う。


あぁ、それにしても余談になるけどここ最近の即売会の会場でキリトアスナの本を見かける率が上がってる理由は何となく分かる気がする。この巻だけで判断するのは尚早なのかもしれないけれど、逆に言えばこの巻だけでもド直球だものなぁとは思うもの。可愛くて綺麗で一途な姉さん女房と不器用だけど彼女に対する気持ちに嘘はつかなかった男の子。戦場では互いが互いを守るパートナーの新婚さん。。


しかし2巻以降はどうなっているんだろう。ゲームがクリアされてしまうのは終盤なんとなく予想もしたけれど、それではこの後に続いている巻はどの時間軸の話なのだろう。ここから先はこのキリトアスナの物語を正史の結末としてそれまでの2年間の話が綴られるのかな。まだまだ登場していないキャラクターも多いだろうし、そこが気になる。アニメ放送開始までにもう少し読み進められるかな。。